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第三章
第24話 コルマ村を守ろう
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只今、コルマ村に向けて飛行中。
セバスさんの話だと、ベガのスピードなら2時間もあれば到着出来る距離らしく、それが正確ならば、そろそろ見えて来てもいいころだろう。
『クラウド様! 村が魔物の襲撃を受けています』
なっ……。
『村まで後どれくらい?』
『この速度ですと、後15分と行った所でしょうか』
ちょっと、不味いな。
「クレイさん、少し急ぎます。しっかり僕に捕まっていて下さい」
「ちょっ! いったいなに……」
「説明は後です。しゃべると舌をかみますよ」
そこまで言うとクレイさんは歯を食いしばる。
『ベガ、加速して。セバスさん、村の様子は?』
『既に村の防壁は突破されています。まだ突破されたばかりのようで、村人に対する被害は無いようです。ただ、既に10体以上のオーガが村の中に侵入しておりますので、被害が出るのも時間の問題かと』
うわ! マジ、ギリギリじゃないか。
『セバスさん、視覚補助を』
『畏まりました』
よしこれで視界良好。
『クイ!』
『はいです』
返事と同時にクイが目の前に現れ、それを左手でしっかりと握る。
僕の後ろに乗るクレイさんから、驚きが伝わってくるが今は無視だ。
ベガが加速してくれたおかげで、かなり距離を詰める事が出来たが、まだ射程距離には2倍ほどの距離がある。
視覚補助により、村の様子が手に取るように分かるだけに歯がゆい。
少しずつ村への距離は縮まっている。残り射程距離の1.5倍。
中々射程距離に届かない状況にイライラしながら村の様子を伺っていると、一人の女性が逃げ遅れオーガに襲われそうになっているのを発見した。
くそっ! 射程外でもやるしかない。
『クイ! 一本だ。行くよ』
すると一本の白く光る魔力の矢が現れ、そのまま番える。
射程距離が足らないなら魔力を過剰につぎ込んで伸ばせばいい。
この際照準が甘くなるのは仕方ない。あの村の女性にさえ当たらなければいい。
一射入魂。オーガに向けて魔力の矢を放つ。
魔力の矢は射程の1,5倍の距離をものともせずオーガに向かい飛んでいく。
それを視界に捉えながら、すぐに新しい魔力の矢を番え、集中力を高める。
そのまま狙いを定めながら、一射目の行方を確認する。
魔力の矢は今にも襲いかからんとしているオーガの頬をかすめた。
一瞬オーガが怯み、襲われていた女性はその隙を付いて逃げ出すことに成功する。
だがしかし、すぐにオーガも女性を追い始める。
まだ遠いがやるしかない。
女性を追うオーガに向けて二射目を放つ。
空気を切り裂きオーガに向け魔力の矢が突き進んでいく。
魔力の矢はオーガの足に吸い込まれるように射抜く。
それを確認しながら次の魔力の矢を準備する。
『有効射程距離まで30秒』
セバスさんより報告が入る。
あと少し。
射程距離に入った瞬間に確実に仕留める為、今は集中力を高める。
『10秒前……5秒・3・2・1・0!』
0の声と同時に魔力の矢は放たれる。
魔力の矢はオーガの眉間を打ち抜き、瞬時にその命を奪い取る。
『クイ、3本!』
再び引き絞った弓に3本の魔力の矢が現れ、すぐにその魔力の矢は放たれた。
3本の魔力の矢は、それぞれが別々の軌跡を描き、同時に3体のオーガの頭を撃ち抜く。
『セバスさん。オーガの数と状況を』
今の村の現状の確認を行う。
『現状オーガの総数33体。内11体が村の中に侵入。オーガロードと思われる個体は村の外で確認致しました』
思ったより、村の中には侵入されてないな。
『視覚連動をお願い。オーガは赤、村人は青で』
『畏まりました』
すると視界に赤い光点と青い光点が複数出現する。
『クイ、徹甲矢3本』
『了解です』
今度は引き絞た弓に青く光る魔力の矢が出現する。
一気にいくぞ。
視界に映る赤い光点に向けて次々に矢を速射していく。
合計11本の矢が、時には木を、時には民家を突き破り、村に侵入した11体のオーガに突き刺さる。
『7体の死亡を確認。残4体です』
さすがに徹甲矢じゃ殺傷力が弱いか。
じゃあ、これでどうだ。
さらいに追加12本の魔法の矢を、生き残っているオーガに向けて放つ。
魔法の矢は生き残っていた4体のオーガに次々の突き刺さり、残った生命力を奪いつくす。
『村に侵入したオーガの殲滅に成功しました。更に3体のオーガが村に侵入を開始しました。オーガロードの動きはまだございません』
次々とセバスさんから状況報告が入ってくる。
これなら何とか間に合いそうだ。
『通常矢に変更。3本』
すぐに3本の魔法の矢を放ち、今にも村に侵入してきそうなオーガの頭を撃ち抜いた。
この攻撃でオーガ達の侵攻が明らかに鈍った。
この隙を突いて僕たちは、ついにコルマ村上空に到着した。
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第25話を本日12時に投稿します。
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只今、コルマ村に向けて飛行中。
セバスさんの話だと、ベガのスピードなら2時間もあれば到着出来る距離らしく、それが正確ならば、そろそろ見えて来てもいいころだろう。
『クラウド様! 村が魔物の襲撃を受けています』
なっ……。
『村まで後どれくらい?』
『この速度ですと、後15分と行った所でしょうか』
ちょっと、不味いな。
「クレイさん、少し急ぎます。しっかり僕に捕まっていて下さい」
「ちょっ! いったいなに……」
「説明は後です。しゃべると舌をかみますよ」
そこまで言うとクレイさんは歯を食いしばる。
『ベガ、加速して。セバスさん、村の様子は?』
『既に村の防壁は突破されています。まだ突破されたばかりのようで、村人に対する被害は無いようです。ただ、既に10体以上のオーガが村の中に侵入しておりますので、被害が出るのも時間の問題かと』
うわ! マジ、ギリギリじゃないか。
『セバスさん、視覚補助を』
『畏まりました』
よしこれで視界良好。
『クイ!』
『はいです』
返事と同時にクイが目の前に現れ、それを左手でしっかりと握る。
僕の後ろに乗るクレイさんから、驚きが伝わってくるが今は無視だ。
ベガが加速してくれたおかげで、かなり距離を詰める事が出来たが、まだ射程距離には2倍ほどの距離がある。
視覚補助により、村の様子が手に取るように分かるだけに歯がゆい。
少しずつ村への距離は縮まっている。残り射程距離の1.5倍。
中々射程距離に届かない状況にイライラしながら村の様子を伺っていると、一人の女性が逃げ遅れオーガに襲われそうになっているのを発見した。
くそっ! 射程外でもやるしかない。
『クイ! 一本だ。行くよ』
すると一本の白く光る魔力の矢が現れ、そのまま番える。
射程距離が足らないなら魔力を過剰につぎ込んで伸ばせばいい。
この際照準が甘くなるのは仕方ない。あの村の女性にさえ当たらなければいい。
一射入魂。オーガに向けて魔力の矢を放つ。
魔力の矢は射程の1,5倍の距離をものともせずオーガに向かい飛んでいく。
それを視界に捉えながら、すぐに新しい魔力の矢を番え、集中力を高める。
そのまま狙いを定めながら、一射目の行方を確認する。
魔力の矢は今にも襲いかからんとしているオーガの頬をかすめた。
一瞬オーガが怯み、襲われていた女性はその隙を付いて逃げ出すことに成功する。
だがしかし、すぐにオーガも女性を追い始める。
まだ遠いがやるしかない。
女性を追うオーガに向けて二射目を放つ。
空気を切り裂きオーガに向け魔力の矢が突き進んでいく。
魔力の矢はオーガの足に吸い込まれるように射抜く。
それを確認しながら次の魔力の矢を準備する。
『有効射程距離まで30秒』
セバスさんより報告が入る。
あと少し。
射程距離に入った瞬間に確実に仕留める為、今は集中力を高める。
『10秒前……5秒・3・2・1・0!』
0の声と同時に魔力の矢は放たれる。
魔力の矢はオーガの眉間を打ち抜き、瞬時にその命を奪い取る。
『クイ、3本!』
再び引き絞った弓に3本の魔力の矢が現れ、すぐにその魔力の矢は放たれた。
3本の魔力の矢は、それぞれが別々の軌跡を描き、同時に3体のオーガの頭を撃ち抜く。
『セバスさん。オーガの数と状況を』
今の村の現状の確認を行う。
『現状オーガの総数33体。内11体が村の中に侵入。オーガロードと思われる個体は村の外で確認致しました』
思ったより、村の中には侵入されてないな。
『視覚連動をお願い。オーガは赤、村人は青で』
『畏まりました』
すると視界に赤い光点と青い光点が複数出現する。
『クイ、徹甲矢3本』
『了解です』
今度は引き絞た弓に青く光る魔力の矢が出現する。
一気にいくぞ。
視界に映る赤い光点に向けて次々に矢を速射していく。
合計11本の矢が、時には木を、時には民家を突き破り、村に侵入した11体のオーガに突き刺さる。
『7体の死亡を確認。残4体です』
さすがに徹甲矢じゃ殺傷力が弱いか。
じゃあ、これでどうだ。
さらいに追加12本の魔法の矢を、生き残っているオーガに向けて放つ。
魔法の矢は生き残っていた4体のオーガに次々の突き刺さり、残った生命力を奪いつくす。
『村に侵入したオーガの殲滅に成功しました。更に3体のオーガが村に侵入を開始しました。オーガロードの動きはまだございません』
次々とセバスさんから状況報告が入ってくる。
これなら何とか間に合いそうだ。
『通常矢に変更。3本』
すぐに3本の魔法の矢を放ち、今にも村に侵入してきそうなオーガの頭を撃ち抜いた。
この攻撃でオーガ達の侵攻が明らかに鈍った。
この隙を突いて僕たちは、ついにコルマ村上空に到着した。
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