わたしの王子の願いごと

高橋央り

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14.王子の失踪…

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「…――大学生じゃ、まだこの程度の結論と案にしか辿り着けませんでしたが、俺は卒業しても、この考えで生きていきたいと思っています。以上で発表を終わります。ご清聴ありがとうございました」

「「ぅいやぁぁぁぁ――――――!!!!!」」
「「憲斗さまぁぁぁぁぁ――――!!!!!」」
「「うぁぁぁぁぁ――――――!!!!!!」」

さっきの数倍の怒号が鳴り響いた。

拍手も凄い音になっている。

気付けば、みんな立って拍手をしていたので、美菜もゆっくりと立ち上がる―――――――…。


「ふう――…」

憲斗のことを思い出すと、色んな力が湧いてくると感じながら、美菜は同時に、記憶の先を思い起こす。

大学の卒業式の後から、憲斗の行方は分からなくなった―――――…。

美菜の数少ない友人達も、憲斗のファンだったので、当時みんな心配していた。

憲斗の自宅を調べに行ったという人達もいた。

しかし、憲斗の実家には、もう別の家族が住んでいたらしい。

連絡が繋がった人はいなかったとのことだった。

東京に行ったという噂もあったが、誰が言い出したかも分からない、信憑性のない噂だったらしい。

憲斗の一家が、彼の大学卒業後、まるで元々存在しなかったかのように、忽然と消えた―――…。


「ん?…何だこれ」

美菜は7つ映している映像の中に、見覚えのないファイルを見つけた。

そのファイルは、シンタックスを自動で書いて動いている。

「こんなの知らない…。蓮李かなぁ……。いや、彼女ここまでできないよね…。ま、いいや消そう…」

動いている謎のファイルを削除しようとした時、画面上のカーソルが動かなくなった。

「あれ?」

美菜は反応から、手袋型のマウスが壊れたことに気付く。

「あぁ、マジで?…。これがないと全て無理……」

手袋型マウスを外した美菜は、それがかなり熱くなっていたことに気付く。

「あっち…。予備もないし…、買いにいくしかないか……。いい感じに乗って来てたのにな…」

美菜はコートを羽織る。

「あ、お昼…、ま、いいか…」

そう言って、美菜は、皇真に貰ったショコラのブルーとブラウンを同時に口に含んだ。

口の中に甘さが広がったが、同時に、心が苦味を感じた気がした。

寝不足でフラフラの皇真を思い出した美菜だったが、思えば自分も最近、睡眠時間が少なかったことに気付く。

何だか、部屋のドアがダブって見える。

たくさんのバーチャル画面を見過ぎたことも重なって、完全に疲労しているのだと自覚した。

それでもそんなことを言っている場合じゃないと思い、美菜はドアを出て、廊下を進んでいく。

数分後、美菜の研究室に蓮李がお弁当を買って戻って来た。

「美菜ちゃん、どっちが―――…。あれ?美菜ちゃん…?」

蓮李は、唐揚げ弁当とパスタを机に置いて、部屋中に広がっている未来予測のヴァーチャル映像を見る。

「おっと…。また美菜ちゃん、いっちゃった系?……色んな意味で…」
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