34 / 51
33.グサリ……
しおりを挟む
「ずっと……、まあもう、昔なんだけどさ。実は片想いの人がいたんだ」
皇真は、真剣に話をし始めた。
相変わらず周囲の視線が、気になるが、私は皇真の話に「あ…はあ」と返す。
行き交う女性、というか男性までも…、いや小さな子どもにまでモテモテなこの人が、片想い?と美菜は遅れて本当の反応をする。
「その人一筋だったんだけど、まあ、その…オレ様のファン達がね…。色々と、変な噂を流したり、片想いの人に嫌がらせをしたり、……で、結局、片想いの大失恋で終わったんだ…」
美菜は、こんな王子で完璧な人でも、失恋をするんだと驚く。
皇真は唇を噛んだ後、低い声で言う。
「今は、他の人と結婚して、もう子どももいる……。ま、幸せって噂を聞いたから、よかったと思うけどね」
美菜は、皇真はやはり凄く優しい人なんだと思った。
「でも…、ファンにも感謝してるから……。仕方ないというか…、もう1人で生きていこうって覚悟を決めてたんだ。……だけど、そんなのを全部吹き飛ばしてくれる人に出逢った。会社の廊下でズッコケてた美菜にね」
美菜は、胸が爆発しそうになったが、息を止めて堪えた。
頭を振って、「わ、私なんて…、は…はは」と声を出した。
皇真が歩く場所が、キラキラ輝いていく、この超セクシー王子が私なんてと思いかけて、美菜は自分は皇真のことを好きなんじゃないと頭を振る。
「本当に、運命の人だった思ったんだよ」
美菜は、足元がふらつくのを感じた。心から皇真の方に倒れてしまいそうなのを必死に堪える。
皇真は、微笑む。
「ふふ、まあ、フラれたけどね。何回も」
笑顔から、また真剣な表情で、皇真は美菜を見て言う。
「で、調べたんだ。美菜のこと、誰を好きなのかを。それで、憲斗に辿り着いた」
憲斗という名前に、ビクリと美菜の心と体が反応した。
「行方も探して、未来予測も見た。…で、病気のことをや結末を知った。……正直チャンスだと思った…。でも、心が痛くなった。本当に好きだから…かな」
周囲の人が真っ赤な顔の美菜を見て、少し笑った。
「直接、伝えてしまうのは…、何か違うと思ったから、最後の告白の後、美菜の眼鏡を取り換えた」
美菜は、ゆっくりと頷く。
皇真は優しい声で続ける。
「届かなくても、オレ様ができる範囲で、美菜が幸せになるように精一杯のことをしたい。それが愛だと思った。惚れたからにはそういう愛じゃないとって、今も同じ。美菜の幸せを願ってるから…、ここにいる」
夕暮れの空に、美菜は心が爆発しそうになって、涙を零す。皇真への感謝や、憲斗を心配する気持ち、自分の不甲斐なさ、一瞬どうすればいいのか分からなくなり、美菜は目を閉じた。
落ち着いた美菜は目を開ける。
すると、目の前に皇真の顔があった。
大きな瞳と鼻が心に刺さるような感覚がして、美菜は騒ぐ。
「あ、わわ、こ、な、何を!?」
皇真が笑う。
「はは。違うよ、ただ、こうして、美菜が生まれて目を開けた時に、すぐにオレ様に出逢ってたらなって。…神様は意地悪だよね。……まあ、愛する人が幸せになるって道があるだけいいか。よし、行こう!」
そう言った皇真は、美菜の手を取る。
美菜は、膝から崩れそうになった。
態勢を整えた後、美菜はそれでも違和感があったので、振り返る。
するとそこには、5歳くらいの女の子がいた。
「グサリ!」
女の子はそう言って、また玩具のステッキで、美菜の膝を押した。
「こらっ」と皇真が優しく言うと、女の子は顔を真っ赤にして、フリーズした。
少し微笑んで、美菜と皇真は、手を繋いで車へ駆ける。
皇真は、真剣に話をし始めた。
相変わらず周囲の視線が、気になるが、私は皇真の話に「あ…はあ」と返す。
行き交う女性、というか男性までも…、いや小さな子どもにまでモテモテなこの人が、片想い?と美菜は遅れて本当の反応をする。
「その人一筋だったんだけど、まあ、その…オレ様のファン達がね…。色々と、変な噂を流したり、片想いの人に嫌がらせをしたり、……で、結局、片想いの大失恋で終わったんだ…」
美菜は、こんな王子で完璧な人でも、失恋をするんだと驚く。
皇真は唇を噛んだ後、低い声で言う。
「今は、他の人と結婚して、もう子どももいる……。ま、幸せって噂を聞いたから、よかったと思うけどね」
美菜は、皇真はやはり凄く優しい人なんだと思った。
「でも…、ファンにも感謝してるから……。仕方ないというか…、もう1人で生きていこうって覚悟を決めてたんだ。……だけど、そんなのを全部吹き飛ばしてくれる人に出逢った。会社の廊下でズッコケてた美菜にね」
美菜は、胸が爆発しそうになったが、息を止めて堪えた。
頭を振って、「わ、私なんて…、は…はは」と声を出した。
皇真が歩く場所が、キラキラ輝いていく、この超セクシー王子が私なんてと思いかけて、美菜は自分は皇真のことを好きなんじゃないと頭を振る。
「本当に、運命の人だった思ったんだよ」
美菜は、足元がふらつくのを感じた。心から皇真の方に倒れてしまいそうなのを必死に堪える。
皇真は、微笑む。
「ふふ、まあ、フラれたけどね。何回も」
笑顔から、また真剣な表情で、皇真は美菜を見て言う。
「で、調べたんだ。美菜のこと、誰を好きなのかを。それで、憲斗に辿り着いた」
憲斗という名前に、ビクリと美菜の心と体が反応した。
「行方も探して、未来予測も見た。…で、病気のことをや結末を知った。……正直チャンスだと思った…。でも、心が痛くなった。本当に好きだから…かな」
周囲の人が真っ赤な顔の美菜を見て、少し笑った。
「直接、伝えてしまうのは…、何か違うと思ったから、最後の告白の後、美菜の眼鏡を取り換えた」
美菜は、ゆっくりと頷く。
皇真は優しい声で続ける。
「届かなくても、オレ様ができる範囲で、美菜が幸せになるように精一杯のことをしたい。それが愛だと思った。惚れたからにはそういう愛じゃないとって、今も同じ。美菜の幸せを願ってるから…、ここにいる」
夕暮れの空に、美菜は心が爆発しそうになって、涙を零す。皇真への感謝や、憲斗を心配する気持ち、自分の不甲斐なさ、一瞬どうすればいいのか分からなくなり、美菜は目を閉じた。
落ち着いた美菜は目を開ける。
すると、目の前に皇真の顔があった。
大きな瞳と鼻が心に刺さるような感覚がして、美菜は騒ぐ。
「あ、わわ、こ、な、何を!?」
皇真が笑う。
「はは。違うよ、ただ、こうして、美菜が生まれて目を開けた時に、すぐにオレ様に出逢ってたらなって。…神様は意地悪だよね。……まあ、愛する人が幸せになるって道があるだけいいか。よし、行こう!」
そう言った皇真は、美菜の手を取る。
美菜は、膝から崩れそうになった。
態勢を整えた後、美菜はそれでも違和感があったので、振り返る。
するとそこには、5歳くらいの女の子がいた。
「グサリ!」
女の子はそう言って、また玩具のステッキで、美菜の膝を押した。
「こらっ」と皇真が優しく言うと、女の子は顔を真っ赤にして、フリーズした。
少し微笑んで、美菜と皇真は、手を繋いで車へ駆ける。
0
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
🥕おしどり夫婦として12年間の結婚生活を過ごしてきたが一波乱あり、妻は夫を誰かに譲りたくなるのだった。
設楽理沙
ライト文芸
2026.1.4 73話見直した際、瑛士の台詞《本音/懺悔》を加筆しました。😇
☘ 累計ポイント/ 200万pt 超えました。ありがとうございます。
―― 備忘録 ――
第8回ライト文芸大賞では大賞2位ではじまり2位で終了。 最高 57,392 pt
〃 24h/pt-1位ではじまり2位で終了。 最高 89,034 pt
◇ ◇ ◇ ◇
紳士的でいつだって私や私の両親にやさしくしてくれる
素敵な旦那さま・・だと思ってきたのに。
隠された夫の一面を知った日から、眞奈の苦悩が
始まる。
苦しくて、悲しくてもののすごく惨めで・・
消えてしまいたいと思う眞奈は小さな子供のように
大きな声で泣いた。
泣きながらも、よろけながらも、気がつけば
大地をしっかりと踏みしめていた。
そう、立ち止まってなんていられない。
☆-★-☆-★+☆-★-☆-★+☆-★-☆-★
2025.4.19☑~
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる