異世界の希望・転生勇者の新たな旅立ち

第一章

10話バード族の救出

彼らは勇気を振り絞り、婆さんからの指示に従って、バード族が捕らわれている場所を突き止めた。その場所は遠く離れた不気味な森や山脈の奥深くにあった。

「婆さん、大丈夫かい？少し休んだほうがいいんじゃないか？」
「年寄り扱いしなくていいのよ、早く皆を助けないといけないのだわ」
「でもおばあちゃん、疲れているでしょ？」
「バド」
「おばあさん、ここで休んだほうがいいかもしれませんよ。」
「あそこに休憩にちょうどいいところがあるわ。そこで休もう。」
「了解です。」

ジドルと仲間たちは疲れを癒すため、その場所で一休みすることにしました。静かな場所で、不死鳥についての話題が浮かび上がりました。

「そういえば、不死鳥って何なんだろう？」
「不死鳥はバード族の守護神とも言われる神聖な存在で、いつ現れるかはわからないけれど、突然選ばれた者だけが会えると言われているらしいわ。しかし、盗賊たちはそれを無理やりに現れるようにしようとしているのよ。」
「どうやってそんなことを？」
「バード族の血を使うの。それで選ばれた者を探すのよ。でも、そんなことは皆を殺すのと同じようなものよ。」
「そうか。でも、なぜバード族を売るのかな？」
「わからないわ。おそらく子供からは出ないと思っているのかしら。」
「なるほど。」
「俺、選ばれてないのかな？」
「私も？」
「選ばれるだけが全てじゃないよ。」
「そうだけど、俺、選ばれて強い戦士になりたいな。」
「強い戦士？」
「そうだよ。誰にも負けない戦士になりたい。」
「負けないのか？」
「なんだよ、馬鹿にしてるのか？」
「してないけど、でも強さを保てるのかな？」
「わからないけど、俺はなってやる。」
「がんばれよ。」
「お前だって、強いんだろ？」
「さぁな。俺は強さを求めるときは、誰かが困ってる時だけだよ。」
「そうかな？」
「ジドルの兄ちゃんは優しいね。」
「そうだね。それに本当は強いんだ。」
「そうなの？」
「そうだ。頼もしいよ。」
「じゃあ、そろそろ行こうか。暗くなる前に目印の洞窟まで行かないと。」
「そうだね。じゃあ行こう。」

洞窟の入り口に到着しましたが、そこには盗賊の見張りが立っていました。盗賊は用心深く、入口を警戒している。

「あれは盗賊の仲間か？」
「そうみたいだ。どうする？」
「ロマ、霧を出せるか？」
「はい。」
「じゃあ、お願いします。」
「では、行きます。ミストマジック。」

突然の霧に盗賊たちは混乱していた。

「なんだ、この霧は？」
「みんな、この穴に入れ、静かにな。」
「うん。」

ロマが出した霧は、盗賊たちの視界を妨げ、混乱させるための戦術でした。霧の中で視界を遮られた盗賊たちは混乱し、ジドルの空間魔法を利用して洞窟の入り口へと忍び込みました。
この巧妙な作戦により、ジドルとロマ達は警戒されずに洞窟の奥深くへと進むことができました。

「とりあえず、何とか洞窟に入れたな。じゃあ先に進むか。」
「なんで、戦わないんだよ？」
「今戦うとあいつらが仲間に連絡するかもしれないからな。そうなったらみんなが危ないから。」
「でも...」
「戦うことだけが戦略じゃないんだ。」
「わかったよ。」
「バド、争いは何も生まないって前にも言ったろうが。」
「そうだけど...」
「バド、今はみんなを助けることに集中しよう。」
「わかったよ。」

ジドルと仲間たちは洞窟の奥深くに進んでいくと、突如として大きな蛇のような魔物が姿を現しました。その魔物は恐ろしいまでの大きさで、その巨大な眼光は迫り来る危険を予感させました。

「シャアァァ！」
「なんだ、このやつは？」
「あら、侵入者ですか。まったく、入口の見張りはこの私が倒したところなのに。行きなさい、ジャイアントスネーク！」
「シャァァ！」
「あんなの、倒せないよ。」
「ロマ、みんなを、俺があいつを...」
「了解です。」
「シャイニングビックスラッシュ！」
「何！」

ジドルは光の剣で蛇の魔物を真っ二つにした。

「嘘だろう！」
「ジドル！」
「バド、俺、お前に強いとこ見せるから、見てろ。」
「うん。」
「お前、何者だ。こうなったら、出てこい。」

敵は次々と魔物を出してきた。

「まじか、こんな数出せるのか。でも負けないぞ。ライトブラストショット！」
「これでもダメなのか？」
「最後はお前だ。」
「ひぃぃ、待ってくれ、俺は...」
「お前らは待たなかったろうが。」
「ぎゃぁぁ！」
「ジドルの兄ちゃん、強いんだな。」
「そうか。分かったらいいよ。こういう時に強くないとな。」
「うん、ありがとう。」
「それで、お前の仲間は？」
「この先だ。」
「じゃあ、」

俺は盗賊の一味を気絶させ、そのまま先に進むことにした。旅の中で様々な試練に立ち向かいながら進んでいった。