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秋の巻
秋の巻
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そんなことで中学の後半から俺は殆ど、学校に通わなくなってしまった。家でゲームをしたり、アニメのエロ漫画をネットでみたり、学校をサボってゲームセンターにいったり、遠出して神社にいくことなんてこともあった。
だいたい外にでるときは何かを期待してでる。何か自身を救ってくれるような出会いや、現実から逃避させてくれるような体験を期待して。が、当然何もおこることはなかった。山でカレーを食べたなんて全く夢のない思い出が残るくらいだ。
結局、先生とも話さないままズルズルと学校にいかない期間が続いた。卒業式だけはでて、中高一貫だったから俺は高校へと進学したが結局、そのまま高校へも行かずにやめることとなった。
俺は5月には違う高校へと移った。新しい高校へ通学する時に使う駅に、とんでもなく可愛い女がいて一目惚れした。肌が真っ白で長い黒髪、目は切れ長といった和風美人だった。この白というのが病的なほど、人間味がないほどに白かったのが印象に残っている。今まで女子を単にえろいとか性格が良いとか思うことはあったが、それとは別の感情であった。だが、突然話しかけたらこわがらせてしまうだろうし、そもそも一目惚れというのは人という生き物として、どうなのだ?なんて複雑な思考に陥ったりしていた。しばらくたってヤケクソになり、何がなんでも話しかけるぞと決心して駅に向かった頃には、卒業してしまったのか、もういなくなっていた。
新しい高校での生活は偏差値のかなり低い高校であったので、俺でもここならゆっくりとしたペースの授業についていけるだろうと思っていた。先生も偏差値の高い学校からの転入生ということで買い被りをしていて、数学の分からないところで残った時なんて「あれ?なんで残ってるんだ」と聞かれたくらいだった。
学校には弓道部があった。俺は本当のところをいうと弓道部に入りたかったし、丁度同じ趣味のクラスメイトからも誘われていたが、中学のこともあり、無理してはならないと判断してやめてしまった。結局できるだけ、帰宅部を続けていたが、先生から部活動に入るように何度かいわれて、仕方なく理科部にはいった。
勉強のほうは偏差値の低い学校に移って成績がとれたかといえば、全くそんなことはなかった。中学は学校にいってる間は殆ど授業が宇宙語に聞こえるほどに理解不能だったし、途中からいかなくなったことで、小6で知識がとまっているようなものだからだ。先生達は俺の出身校から判断して、まだ力をだしきれてないだけといった事もあったが、そんなことはないのにと思ってた。
友人関係もこのへんから確実におかしくなっていく。当時の俺は中学までの友達を本当の友人でないとおもってた。いつもバカ話をしてばかりで、深い話もすることなかったし、ロクに意見をぶつけあうこともなかったからだ。俺は本当の友人を欲した。だから今までの広く浅くをやめて、狭く深く、友人関係を作ろうと思ったのだ。俺は自分から話しかけたりすることもなくなり、クラスメイトとは、当たり障りのない話をし、唯一できた話しができる奴との会話といえば人生についてとか生きるとか死ぬとか深い話を求めるようになった。そんなことで友人ができるわけがなかった。
俺は途中で浅い関係もできないなら深い関係になれるはずもないと気づいて、急いで昔の自分に戻ろうとしたけど、これが戻り方がわからない。今現在も、もう戻れない。過去の自分を演じてみてもすべてがぎこちない。ちょうどその人格を演じていたら、その人物になってしまったような感じで、結局は俺が求めてた友人像どころか話ができる程度の今までよりずっと浅い関係の友人が1、2人できた程度であった。
友人のいない俺は休み時間には飯をはやくたべてとっとと図書室に篭るようになった。
だいたい外にでるときは何かを期待してでる。何か自身を救ってくれるような出会いや、現実から逃避させてくれるような体験を期待して。が、当然何もおこることはなかった。山でカレーを食べたなんて全く夢のない思い出が残るくらいだ。
結局、先生とも話さないままズルズルと学校にいかない期間が続いた。卒業式だけはでて、中高一貫だったから俺は高校へと進学したが結局、そのまま高校へも行かずにやめることとなった。
俺は5月には違う高校へと移った。新しい高校へ通学する時に使う駅に、とんでもなく可愛い女がいて一目惚れした。肌が真っ白で長い黒髪、目は切れ長といった和風美人だった。この白というのが病的なほど、人間味がないほどに白かったのが印象に残っている。今まで女子を単にえろいとか性格が良いとか思うことはあったが、それとは別の感情であった。だが、突然話しかけたらこわがらせてしまうだろうし、そもそも一目惚れというのは人という生き物として、どうなのだ?なんて複雑な思考に陥ったりしていた。しばらくたってヤケクソになり、何がなんでも話しかけるぞと決心して駅に向かった頃には、卒業してしまったのか、もういなくなっていた。
新しい高校での生活は偏差値のかなり低い高校であったので、俺でもここならゆっくりとしたペースの授業についていけるだろうと思っていた。先生も偏差値の高い学校からの転入生ということで買い被りをしていて、数学の分からないところで残った時なんて「あれ?なんで残ってるんだ」と聞かれたくらいだった。
学校には弓道部があった。俺は本当のところをいうと弓道部に入りたかったし、丁度同じ趣味のクラスメイトからも誘われていたが、中学のこともあり、無理してはならないと判断してやめてしまった。結局できるだけ、帰宅部を続けていたが、先生から部活動に入るように何度かいわれて、仕方なく理科部にはいった。
勉強のほうは偏差値の低い学校に移って成績がとれたかといえば、全くそんなことはなかった。中学は学校にいってる間は殆ど授業が宇宙語に聞こえるほどに理解不能だったし、途中からいかなくなったことで、小6で知識がとまっているようなものだからだ。先生達は俺の出身校から判断して、まだ力をだしきれてないだけといった事もあったが、そんなことはないのにと思ってた。
友人関係もこのへんから確実におかしくなっていく。当時の俺は中学までの友達を本当の友人でないとおもってた。いつもバカ話をしてばかりで、深い話もすることなかったし、ロクに意見をぶつけあうこともなかったからだ。俺は本当の友人を欲した。だから今までの広く浅くをやめて、狭く深く、友人関係を作ろうと思ったのだ。俺は自分から話しかけたりすることもなくなり、クラスメイトとは、当たり障りのない話をし、唯一できた話しができる奴との会話といえば人生についてとか生きるとか死ぬとか深い話を求めるようになった。そんなことで友人ができるわけがなかった。
俺は途中で浅い関係もできないなら深い関係になれるはずもないと気づいて、急いで昔の自分に戻ろうとしたけど、これが戻り方がわからない。今現在も、もう戻れない。過去の自分を演じてみてもすべてがぎこちない。ちょうどその人格を演じていたら、その人物になってしまったような感じで、結局は俺が求めてた友人像どころか話ができる程度の今までよりずっと浅い関係の友人が1、2人できた程度であった。
友人のいない俺は休み時間には飯をはやくたべてとっとと図書室に篭るようになった。
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