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24.『移動初日』
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よし、これで荷造りは大丈夫かな。
そろそろ時間だ。歩いていくと言ったのにティア様は迎えに行くの一点張りで...凄く申し訳ない。平民なんか適当にあるかせていればいいのに。
コンコン
あ、行かなきゃ。
「お母さん、行ってきます。」
「エナ......辛くなったらいつでも戻ってきていいからね。無理はしないでね。できなかったらそれでも良いんだよ。お母さんも一緒に謝るからね。」
お母さんには役ということを話してある。
「はい。では、次こそ行ってきます。」
「うん....そして幸せにね。」
「え?」
幸せって何?と聞こうとしたけど、
「では、エナをお任せ下さい。エナ、向こうに馬車を停めてきた。行こうか。」
と、ティア様が言ったので
「あ、はい。」
としか応えられなかった。
ゴトッ、ガタ、ゴロゴロ
走ること数分__
あまりにも急だったため荷造りか夜中まで及びうとうとタイムへ入っていた。
「眠い?寝てもいいよ。起こすから。」
「あ、いえ、すみ....ま...せん......」
そのまま瞼が落ちてしまった。
「エナ着いたよ。」
その声と共に目が覚醒する。だけど、何かおかしい。身体が地面に着いている気がしないのだ。不思議に思いながら目を開けると......
「ん!??」
綺麗な顔がどアップで映し出された。
「ティア様??私、え、どういう、状況、ですか??」
「あまりに気持ちよさそうに寝ていたから起こすのが忍びなくてね。でも、さすがに起こさないとって思ったからごめんね。」
微妙に会話が重なってないような....。
「い、今すぐおろしてくださいぃ。」
「え?あぁ、ごめんね。」
つまり、今の今までお姫様抱っこをさせてしまっていたのだ。王子になんてことさせてるのー!
「重かったですよね....すみません。ただ、起こして欲しかったです。」
「うん。だから起こしたよ。」
「いえ、今ではなく馬車から降りる時です...私の荷物は...。」
「あぁ、そこに。」
「............あの、どなた様が持ってきてくださったのでしょうか??」
「僕だよ。」
私だけでも重かったはずなのに、荷物まで運ばさせたなんて....もう、生きていけない。
「本当にすみません。」
それはもう腰が折れる勢いでなんども頭を下げた。
「良いんだよ。僕がやりたくてやった事だから。」
あぁ、なんていい人なんだろう。人ができすぎている。
「これは、母さんから伝言なんだけど、今日と明日はゆっくり休んでここになれてだって。そして、明後日からレッスンを始めるみたい。」
「ありがとうございます。」
王妃様も優しすぎ...平民ってもっと雑に扱われるものだと思うけど....。
「それじゃあ、僕の部屋は隣だから何か分からないことがあったらすぐに聞いてね。」
「えっ!?隣ですか??」
「うん.....いやだった?」
「いえ......そうではなく.....ふつう、王子様の部屋から遠い場所の部屋だと思ってましたので...。」
だって、本当の婚約者という訳では無いのに近くに配置しちゃまずいと思う。
「あぁ、そういうこと。でも、エナは婚約者だから合ってるんだよ。」
「"役"でもですか??」
「大丈夫なんだって。僕の言うことがそんなに信じられない?」
「そんなことはありません。」
時々ティア様ってヤクザみたいなこと言うよね。『俺の言うことが聞けねぇのかー!』みたいな。もちろん言い方はとても優しいし全然違うのだけど。
「僕は部屋に戻るから。」
「はい。本当にありがとうございました。」
そろそろ時間だ。歩いていくと言ったのにティア様は迎えに行くの一点張りで...凄く申し訳ない。平民なんか適当にあるかせていればいいのに。
コンコン
あ、行かなきゃ。
「お母さん、行ってきます。」
「エナ......辛くなったらいつでも戻ってきていいからね。無理はしないでね。できなかったらそれでも良いんだよ。お母さんも一緒に謝るからね。」
お母さんには役ということを話してある。
「はい。では、次こそ行ってきます。」
「うん....そして幸せにね。」
「え?」
幸せって何?と聞こうとしたけど、
「では、エナをお任せ下さい。エナ、向こうに馬車を停めてきた。行こうか。」
と、ティア様が言ったので
「あ、はい。」
としか応えられなかった。
ゴトッ、ガタ、ゴロゴロ
走ること数分__
あまりにも急だったため荷造りか夜中まで及びうとうとタイムへ入っていた。
「眠い?寝てもいいよ。起こすから。」
「あ、いえ、すみ....ま...せん......」
そのまま瞼が落ちてしまった。
「エナ着いたよ。」
その声と共に目が覚醒する。だけど、何かおかしい。身体が地面に着いている気がしないのだ。不思議に思いながら目を開けると......
「ん!??」
綺麗な顔がどアップで映し出された。
「ティア様??私、え、どういう、状況、ですか??」
「あまりに気持ちよさそうに寝ていたから起こすのが忍びなくてね。でも、さすがに起こさないとって思ったからごめんね。」
微妙に会話が重なってないような....。
「い、今すぐおろしてくださいぃ。」
「え?あぁ、ごめんね。」
つまり、今の今までお姫様抱っこをさせてしまっていたのだ。王子になんてことさせてるのー!
「重かったですよね....すみません。ただ、起こして欲しかったです。」
「うん。だから起こしたよ。」
「いえ、今ではなく馬車から降りる時です...私の荷物は...。」
「あぁ、そこに。」
「............あの、どなた様が持ってきてくださったのでしょうか??」
「僕だよ。」
私だけでも重かったはずなのに、荷物まで運ばさせたなんて....もう、生きていけない。
「本当にすみません。」
それはもう腰が折れる勢いでなんども頭を下げた。
「良いんだよ。僕がやりたくてやった事だから。」
あぁ、なんていい人なんだろう。人ができすぎている。
「これは、母さんから伝言なんだけど、今日と明日はゆっくり休んでここになれてだって。そして、明後日からレッスンを始めるみたい。」
「ありがとうございます。」
王妃様も優しすぎ...平民ってもっと雑に扱われるものだと思うけど....。
「それじゃあ、僕の部屋は隣だから何か分からないことがあったらすぐに聞いてね。」
「えっ!?隣ですか??」
「うん.....いやだった?」
「いえ......そうではなく.....ふつう、王子様の部屋から遠い場所の部屋だと思ってましたので...。」
だって、本当の婚約者という訳では無いのに近くに配置しちゃまずいと思う。
「あぁ、そういうこと。でも、エナは婚約者だから合ってるんだよ。」
「"役"でもですか??」
「大丈夫なんだって。僕の言うことがそんなに信じられない?」
「そんなことはありません。」
時々ティア様ってヤクザみたいなこと言うよね。『俺の言うことが聞けねぇのかー!』みたいな。もちろん言い方はとても優しいし全然違うのだけど。
「僕は部屋に戻るから。」
「はい。本当にありがとうございました。」
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