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37.『旦那』
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「公爵、公爵夫人の言うことは事実ということでいいな。」
そう言いきったティア様の目は冷えきっていた。とても齢15の少年には見えなかった。
「い、いや、そんなはずがないだろう.......!俺が....いや、私が人を脅すなど、それも人質をとるだなんてするわけが無い。その女が嘘をついているんだ!何を考えているか分からんが恐ろしいやつだな。」
「そんな、何故お認めにならないのです?私たち一族のことを見下していたではありませんか。『お金が無い、今や落ちぶれた公爵家。それに価値を与えられるのは俺だけだ。』と。それでも、公爵という地位を与えられている私たちにはたくさんの領民がおり、飢えさせるわけにはいかなかったのです!だから、だから貴方からの援助と引き換えに私が結婚をし、貴方を当主としました。」
「くそっ、今までの恩を忘れたのか!あんなに資金を援助してやったのに、恩を仇で返すとは!!信じられない女だ!」
「あ、貴方って人は......!」
「まあ、そこまでにしてもらおう。埒が明かないと思っていたから執事長を呼んできた。」
「先々代の時から仕えさせていただいております。マルルク・サーサトでございます。今まで申し上げなかったこと誠にすみませんでした。」
「マルルク!そんな、貴方も人質を...」
「いえ、一介の使用人の家族の命より奥様の家族の安全を優先すべきでありました。しかし、私は家族を守りたかったのです。エナ様を捨てるよう指示されたことを知っているのは極小数でしたから、仕えている者で、エナ様の存在を知っている者はほとんどいないでしょう。ですが、それでも、私は言います。現当主がエナ様を捨てるよう指示したことを。第三王子殿下、家族を保護して下さりありがとうございます。」
え、仕事はや!いつの間に執事長さんの家族の保護が済んでたの?
「どうだ、まだ言うことがあるか?早く認めた方がいいと思うが...。」
「認める......?何をだ?そこの女とマルルクが共謀したのかもしれないぞ?なぜそいつらの言葉だけ鵜呑みする?」
「はあ、そうか、分かった。言っておくが、僕は情けをかけてあげたんだからね?あいつらを連れてこい。」
そういうと、お縄で縛られた人々がやってきた。
「......!」
「見覚えがないはずがないよな?何せ自分自身で雇った奴らだからな。」
「さーせん....捕まりやした.....。」
「こいつらは喋ったぞ。我が身可愛さにな。」
「お前ら........!いくら出して雇ってやったと!!選りすぐりの奴らだと聞いたから雇ってやったんだ!それなのになんで捕まってやがる!しかも雇い主のことを喋っただと?」
「ついに認めるということでいいんだな?それじゃあ、お前の罪状は、王族に対して複数回の虚偽申告並びに殺人未遂だ。判決は待つといい。待たずとも明らかだがな。」
「待ってくれ!いえ、お待ちください!私は被害者です!この女に騙されてたんだ!見た目だけが取り柄なのに病弱だが何だかで、一緒になんか過ごせやしない。公爵の当主になったって周りの公爵.......なんなら侯爵からだって馬鹿にされてきた。精神的に追い詰められてたんだ!!だから、俺を犯罪人にするならその女もだろ!?」
「...............。」
ティア様は言葉を発しなかった。発しなくとも顔が物語っていた。
「牢に入れておけ。」
そう言いきったティア様の目は冷えきっていた。とても齢15の少年には見えなかった。
「い、いや、そんなはずがないだろう.......!俺が....いや、私が人を脅すなど、それも人質をとるだなんてするわけが無い。その女が嘘をついているんだ!何を考えているか分からんが恐ろしいやつだな。」
「そんな、何故お認めにならないのです?私たち一族のことを見下していたではありませんか。『お金が無い、今や落ちぶれた公爵家。それに価値を与えられるのは俺だけだ。』と。それでも、公爵という地位を与えられている私たちにはたくさんの領民がおり、飢えさせるわけにはいかなかったのです!だから、だから貴方からの援助と引き換えに私が結婚をし、貴方を当主としました。」
「くそっ、今までの恩を忘れたのか!あんなに資金を援助してやったのに、恩を仇で返すとは!!信じられない女だ!」
「あ、貴方って人は......!」
「まあ、そこまでにしてもらおう。埒が明かないと思っていたから執事長を呼んできた。」
「先々代の時から仕えさせていただいております。マルルク・サーサトでございます。今まで申し上げなかったこと誠にすみませんでした。」
「マルルク!そんな、貴方も人質を...」
「いえ、一介の使用人の家族の命より奥様の家族の安全を優先すべきでありました。しかし、私は家族を守りたかったのです。エナ様を捨てるよう指示されたことを知っているのは極小数でしたから、仕えている者で、エナ様の存在を知っている者はほとんどいないでしょう。ですが、それでも、私は言います。現当主がエナ様を捨てるよう指示したことを。第三王子殿下、家族を保護して下さりありがとうございます。」
え、仕事はや!いつの間に執事長さんの家族の保護が済んでたの?
「どうだ、まだ言うことがあるか?早く認めた方がいいと思うが...。」
「認める......?何をだ?そこの女とマルルクが共謀したのかもしれないぞ?なぜそいつらの言葉だけ鵜呑みする?」
「はあ、そうか、分かった。言っておくが、僕は情けをかけてあげたんだからね?あいつらを連れてこい。」
そういうと、お縄で縛られた人々がやってきた。
「......!」
「見覚えがないはずがないよな?何せ自分自身で雇った奴らだからな。」
「さーせん....捕まりやした.....。」
「こいつらは喋ったぞ。我が身可愛さにな。」
「お前ら........!いくら出して雇ってやったと!!選りすぐりの奴らだと聞いたから雇ってやったんだ!それなのになんで捕まってやがる!しかも雇い主のことを喋っただと?」
「ついに認めるということでいいんだな?それじゃあ、お前の罪状は、王族に対して複数回の虚偽申告並びに殺人未遂だ。判決は待つといい。待たずとも明らかだがな。」
「待ってくれ!いえ、お待ちください!私は被害者です!この女に騙されてたんだ!見た目だけが取り柄なのに病弱だが何だかで、一緒になんか過ごせやしない。公爵の当主になったって周りの公爵.......なんなら侯爵からだって馬鹿にされてきた。精神的に追い詰められてたんだ!!だから、俺を犯罪人にするならその女もだろ!?」
「...............。」
ティア様は言葉を発しなかった。発しなくとも顔が物語っていた。
「牢に入れておけ。」
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