【完結】夢魔の花嫁

月城砂雪

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第一章(初夜編)

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 執拗な愛撫にすっかり甘く蕩けて、くぱくぱと収縮さえするそこに空気が入り込んで、こぽ、と音がする。恥ずかしいその音にも興奮を呼び起こされて、ジュゼの耳の縁が赤く染まっていった。

「私の唾液で、もうすっかりとろとろになっていますから」

 そう囁いて手を離すと、美しい悪魔は微かな衣擦れの音と共に、しなやかな身体を品よく覆っていた衣服を脱ぎ捨てて行く。ジュゼはずっと裸でいたが、そう言えば彼は、前を多少寛げていただけだった。そんなことを意識するだけで、再び羞恥心に苛まれる。
 白い衣服の下から現れたその身体もまた白く、月の雫を集めたような輝きを纏っていて、こんな時だというのにうっとりと見惚れてしまう。細身に見える全身は、その実逞しい筋肉にしっかりと覆われていて。魅惑的なその妖魔に、圧倒的な力で身体を抑え込まれて、全身をいいようにされる屈従の快楽に思いを巡らせてしまったジュゼの胸が甘く疼いた。
 繊細そうな美しい顔立ちとは裏腹に、雄の風格をたっぷりと纏った赤黒いペニスの力強さを、すでに教え込まれた後の身体が、彼に拓かれることを待ち侘びて震えている。確かめるように数度開かれた尻穴から指が抜かれると、がば、と。脚をはしたないほどに開かされて息を飲んだ。

「さあ、ジュゼ。今度はここに、私を迎え入れてくださいね」
「ひっ、ん……!」

 大きく開かされた股の間、十分に解れたその場所へ、灼熱のペニスがぴったりと押し当てられて心臓が高鳴る。指や、舌でもあれほど気持ちよかったのに、こんなに大きくて太いものを入れられたら、一体どうなってしまうのだろう。
 開いた脚を妖魔の肩に乗せて抱え上げられ、顔の横に両手を突かれる。美しく逞しい雄に完全に捕らえられてしまったと解る体勢に、身体は震えながらも瞳はうっとりしてしまっていたらしい。くすり、と。真紅の瞳が蠱惑的に微笑んだ。

「そんなに期待されては、張り切ってしまいますよ?」
「あ、ぁ……っ、お、おちんちん、大き……あっ、ぁひっ、あっ、あ……!」

 勿体ぶるように、くちゅくちゅと湿った先端部分を尻穴に塗りつけられて、腰が一緒に揺れてしまう。すでに唾液でとろとろになった縁は、雄のペニスを迎え入れようと健気に口を開き、ちゅう、と。亀頭に吸い付くように懐いている。
 恐怖を覆い尽くす期待と快感に、あんあんと甘えるような啜り泣きを零しながら腰を揺らすジュゼの拙い媚態に煽られた妖魔は息を荒げながらジュゼに顔を寄せ、真っ赤になった耳を舐めしゃぶった。不意打ちのように与えられた耳からの快楽と、脳を直接犯すような水音に、ジュゼが甘い悲鳴を上げる。

「ひゃっ、ぁひ、ひぃん! あっ……あっあっ、耳っ、耳、だめ」
「可愛い方。あなたを妻にできる自分は果報者ですね」
「ああっ、あっ! あん、入らっ、なっ、おっ⁉ おっき……! ああ~~~っ‼」

 ぐぷ、ぬぷっ、と。音を立てながら腰を押し進められ、凶悪な先端が尻穴の縁を強烈に押し広げた。長さも太さも、人間のそれとは比べ物にならないそれが、か細い体を割り開いて侵入してくる。先端部分の、三重になった傘は外に向かって一段一段雄々しく張り出しており、その段差に入口の肉が深く巻き込まれながら目一杯に伸び広がるのが解った。
 一度押し込められれば、もはや受け身の側からは抜くことのできない狂暴なそれを捻じ込まれる衝撃に――そして、自分の体が。喜んでそれを受け入れ、快楽を貪ろうとしていることへの衝撃に――一瞬愕然としたジュゼは、次の瞬間には、もう何もかもが解らなくなってしまった。

「あっ――あああ、ぁひ、ひ――」
「痛くは、ないですか? ジュゼ」

 不思議なことに、痛みはない。ただ、ひたすらお尻の中がじんじんと疼いて仕方がなかった。甘い囁きと共に、より一層奥へと入り込んでくる凶悪なペニス。にゅぶ、じゅぷ、と。体液が混ざる音がして、胎内に恐ろしいほどの圧迫感が広がる。
 太過ぎるそれは、押し込められる瞬間もつらいが、引かれるときは更に容赦がない。傘を広げて中を押し広げるカリ首は、夢魔の唾液に蕩かされたジュゼの媚肉をたっぷりと巻き込みながら、胎の中をゆっくりと、取り返しがつかないほどめちゃめちゃにかき回した。圧迫の苦痛と、敏感な粘膜を捏ねられる快楽に、たまらず汗が吹き出してシーツを湿らせる。

「んんっ、うぁ、……く、ぅん!」

 子犬のような鳴き声がこぼれると、可愛いですね、と。耳元に囁かれて、きゅんと臍の裏に甘い痺れが走っていった。そのまま、また耳を舐めしゃぶられて、耳の穴に濡れた舌が激しく出入りする感触にまで感じたジュゼは全身を震わせて甘イキした。蕩けるような快楽を受けて、泥のようにぬかるみ緩む胎内に、燃える鉄のように熱く固い規格外の妖魔のペニスが、更なる奥を目指してぐいと侵入する。
 まだ全部ではなかったのかと動揺する間もなく、ずぷん、と。胎の奥までをペニスで埋め尽くされる。ジュゼの尻穴は、その逞しい男根を美味しそうに咥え込んで離さない。健気に開いて番の雄を歓迎しようと蠢く幼い胎内に感動を覚えた妖魔も息を荒げながら、無防備に半開きにされたジュゼの唇に熱烈に口付けた。

「ああ、可愛い、可愛い。そんなに私に縋りついて。私の可愛い人。愛しい伴侶」
「ふっ、ふぅっ、あうぅ……っん、」

 蕩けるような声に囁きを吹き込まれて、ジュゼの脳が勝手に幸福の元となる麻薬を撒き散らす。未熟な体はまだ、男の浸食に抗って蕾んでいたが、そんな拒絶などは些細な抵抗にもならなかった。
 鋼鉄の処女も一瞬で蕩かすと言われる夢魔の性技は、人間のそれとは次元が違う。突き込まれただけで迸る悦楽に、ジュゼの身体が微細な痙攣を始めた。柔らかく蕩けて行く肉筒に潜む快楽のスイッチたちを、長大なペニスが全て同時に押し潰しながらゆったりと出入りをする衝撃に、ジュゼの悲鳴が甘みを帯びる。
 人間の男であれば、食い千切られると錯覚してもおかしくないようなきつい拒絶の締め付けも、悪魔の性器にはか弱い乙女の抱擁程度のものでしかないらしい。脚を限界まで開かれ、開いてはならない胎内の最奥にある仕切りを、まだたっぷりと手加減をしていると判るペニスにぐりぐりと虐められて。悪魔のその長大に過ぎる性器を奥の奥にまでハメこまれたことを知ったジュゼはもはや口先だけの抵抗も示せず、だらしないほどに大きく開いた脚をがくがくと痙攣させて深い絶頂に浸った。

(あ――ん、ん、だめ。そんな、入っちゃ、だめな、ところ)
「ふふ、動いていいですか? ジュゼ」
「ん、んん……あっ⁉ ま、まって、まっ……ぁぐっ! あんっ、んっ! ん~~~‼」

 甘い問い掛けに、答えらしい答えを紡ぐよりも早く、粘膜の奥にぴたりと密着したまま腰を大きく回すように揺すられる。
 いやらしくぬめる灼熱の杭は、ほんの少し摩擦するだけで粘膜を蕩かし、未熟な神経に快楽を叩き込んだ。ずむ、ずむん、と。ここは快楽を感じる場所なのだと、腹の奥に教え込むような重厚な突き入れに、奥を執拗に穿たれて。ただでさえ敏感な粘膜は、瞬きの間に甘く爛れた。

「はぁっ、ぁおっ⁉ おっ、おぐっ、やっ、っあ~~~!」

 容赦のない責め立てに呆気なく陥落したジュゼは、激しく身をよじりながら、引き返せない快楽の沼に自ら沈んでいく。頭がおかしくなりそうな快感に全身を貪られながら、妖魔の規格外に逞しい勃起をしゃぶる肉筒の感覚に甘イキしてつま先をピクピクと震わせた。
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