最下位少女

有箱

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*Lotta*

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 あの日、俺たちは処刑場に連れて行かれた。だが、その場で気絶し、次目覚めたらベッドの上だった。

 知らない少年に見詰められており、且つ次目覚めた時天国にいると思った俺は、驚き声も出なかった。

「お早うロッタ、気分はどう?」

 だが、声で正体は即座に判明した。少年はモアだったのだ。

 モアは、全ての事情を話してくれた。

 自分は実は王族で、次の王であること。就任が決まり、最後の息抜きとしてお忍びで学校に転入していたこと。まさか、変装しているとは思ってもみなかったけど。

 帰ろうと思っていた矢先、俺たちが危険な目に合ったこと。俺たちのことを本物の友人だと思っていて、そんな俺たちの死を恐れたこと。
 だから、免除するため、共に最下位になったこと。

 処刑は予定通り行われ、代わりに知らない2人が死んだこと。世間的には、俺たちが死んだことになってるらしいけど。
 複雑な心境ながらも、生きている事に安堵した。

 それから、エレーナがこれからも危険な目に合わないよう、テストを撤廃するとモアは言った。その手伝いを俺に要請するとも。

「ってことで、俺は今側近って形でモアに付いてる。びっくりしただろ」
「……本当よ。二人とも、生きてて本当に良かった」

 エレーナは、事情を告げた後も体を離さなかった。滲む温もりから喜びが伝わってくる。思わず、こっちまで泣きそうになった。

「エレーナも」

 腕を解き、改めてエレーナを見詰める。見違えるほど美しくはなったが、エレーナはエレーナだ。何も変わらない。

「モアは今どこに?」
「ああ、モアなら直ぐに……」

 扉越し、早い足音が聞こえてきた。もうすぐ見えるであろうその顔を浮かべる。
 三人が揃う瞬間を思い描き、早くも笑んでしまった。
 
 想像を本物にするよう、扉が強く開け放たれた。
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