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「あなたに申し上げるのは酷なことですが……」
「仰ってください」
言葉尻を濁すセランデル中尉を促しながら、私はどこか安堵していた。
かつては優しいと感じていたヴィクターがそうではなかったように、セランデル中尉も突如として残忍な牙を剥き出しにして私を罵るかもしれない。その恐怖に震えて待つより、徐々に在るべき冷遇の中へ沈んでいく方が気が楽なのだ。
セランデル中尉は慮るように優しくも厳しさの滲む表情で私を見つめると、私が想像していた通りの言葉を口にした。
「総帥よりお祝いを言付かっております。ストール卿が養子を迎えられた件について」
「……そうですか」
「あなたは、辛い立場ですね」
本気で同情しているような声音に、表情。
私はこの若い軍人に差し出せるようなものは何一つ持っていない。だから私には取入る価値がないはずなのだ。
セランデル中尉がスカーレイと同じ慈悲を私に向けているのかもしれないと思ってしまいそうになる。
いけない。
図に乗ってはいけない。
私は忌まわしい〝罪の子〟なのだから。
「いいえ。充分すぎる程よくして頂いています」
「そう答えるよう、教わったのですか?」
「!?」
驚いた私は慌てて首を振り、更に両手も振って否定した。
「いいえ、そうではありません!違います!」
「?」
セランデル中尉は意外そうに注意深く私を観察している様子だ。
私は、嘘はついていない。
「私のような身分の者では考えられないくらい、穏やかで何不自由ない暮らしをさせて頂いております!」
「本当ですか?」
「本当です!私はこんな見た目ですから、宮廷でも厳しい視線を浴び続けています。ですが、スカーレイ様が守って下さり、姫様のお傍にお仕えさせて頂けたおかげで、誰も私には、もう……!」
かつては生まれたことを後悔する夜も多かった。
生きる価値がないのなら産み落とさないで欲しかったと母を憎んだ。
それでも、もう、私は鞭に打たれることもなければ、髪を掴んで引きずり回されることもない。罵倒され、唾を吐かれ、石を投げられることは、もう、なくなった。
私はスカーレイによって救われ、守られている。
紛れもない事実である。
セランデル中尉は私の必死の訴えをある程度は認めたらしく、頷き、表情を和らげた。
「厳しそうに見えましたが、あなたには優しい人物のようで安心しました」
「あ……」
私は手を下ろし再び俯いて、騒いだ自分を恥じた。
セランデル中尉の包み込むような空気は更に深みを増して私を戸惑わせる。
「気性の激しいお姫様もあなたの為に激怒していた。此処は、あなたが羽を休めることのできる安全な巣なのかもしれませんね」
私が〝罪の子〟であることをセランデル中尉も承知している。それで心配してくれている。
「あ、ありがとうございます。立派な方にお気遣いを頂いて、身に余る恩情を賜り……」
「スノウと呼ばれていましたね」
今では邪悪な宝石と貶められたルビー。
私さえ生まれなければ、高貴なままでいられたルビー。
〝罪の子〟の名前。
「はい」
でも今ここにいる私は〝スノウ〟だった。
「スノウ。先程も申し上げたように、私に畏まる必要はありません」
セランデル中尉の声は労わりに満ちて耳にも優しい。
私はおずおずと顔を上げた。やはり優しい眼差しが私を捉えた。
「あなたを心配し、力になれたらいいと思っていました。総帥の代理ではなく、あくまで私個人として。何故なら私はあなたの気持ちが少しだけわかるから」
「え……?」
「セシア伯爵令嬢は御存じでした。だから私を軽蔑した」
「!」
先程スカーレイに感じた疑問の答えが、セランデル中尉本人の口から語られようとしている。
併し、私の気持ちがわかるとはいったいどういう意味だろう。
まさか、セランデル中尉も〝罪の子〟なのだろうか。
「……」
風貌からはとても考えられない。
答えは単純だった。
「私は不義の子です。父は私の出生を認めず、二人の兄は私の生存を望んでいません。あなたとは比べ物にならない甘い環境でしたが、あなたの気持ちは少しわかるつもりです」
私は何故か言葉を失っていた。
私とは違う。
でも、どちらがより不遇かなど天秤に掛ける意味もない。
恐れ多いことだとしても、確かな共通点が私とセランデル中尉の中に存在している。
「……」
「あなたが気掛りでした。ストール卿は非情だ。でも、あなたは心強い味方を得ているようですね」
「セランデル様……」
この世界に私を心配している人間がいたと告げられて、戸惑いや喜びや安堵といった様々な感情に襲われる。
それらを払拭する、穏やかな優しい声。
「ジェイドと呼んでください」
「……」
「私は平民、ただの軍人ですよ」
「……ジェイド……」
私はこの気持ちを知っていた。
スカーレイに教えてもらった友愛へと育つかもしれない、友情というあたたかな心の形。
緊張がほぐれ、私は笑みを浮かべていた。するとセランデル中尉────ジェイドも笑った。
「よかった。あなたは安全みたいだ」
「はい。よくして頂いています」
「このまま結婚されるのですか?」
「はい……ヴィクター様が、御心変わりしない限り」
「そうですか」
ジェイドは穏やかに微笑んで頷いたが、スカーレイ同様、その事実を快くは思っていないような目をしている。
「スノウ。あなたを守りたいと願う人間が今日また一人、現れました」
「……」
それは少し大袈裟すぎるように思われた。
併しジェイドは微笑みだけでは済まない確固たる意志を深い湖色の瞳に漂わせ、声を潜め続けた。
「一人は権力、一人は権威、そしてもう一人は武力。それを忘れないで。あなたは願うだけ与えられ、尊ばれるべきでした。〝罪の子〟など存在しない」
「……」
唐突で、難解で、冒涜的。
私は忽ちジェイドの言葉を恐れた。
だからだろうか。
ジェイドはおどけるように笑った。
「不義の子は探せば幾らでも出てきますがね」
「あ……」
何も言い返せない。
それでも私の意識から恐れは消え去り、気まずさも立ち消え、ただ他意のない反応だけが残る。
ジェイドが微笑みかける。
だから私も微笑んでいる。
当然そんな時間は長く続かなかったが、私は言い知れぬ解放感と喜びを覚えていた。
「さて、もう少し探してみましょう」
ジェイドはアスガルド軍の総帥から大切な役目を負わされている。私とお喋りして時間を無駄にしていてはいけない。早く私の婚約者に、養子を迎えたことについて祝いの言葉を届けなくてはならないのだ。
「お役に立てず、ごめんなさい」
「こちらこそ。だけど忘れないでください。助けが要る時は私のことを思い出して」
それまで笑顔で会話していた私は急に申し訳なくなり、また俯いてしまう。
「私からは、何もお返しできないのに……」
互いに席を立ち別れの挨拶が始まっていたが、ジェイドは軍人らしい敬礼に優しさを滲ませ最後まで微笑みを絶やさなかった。
「友の幸せを願うのに見返りなど求めますか。あなたが笑顔で暮らせれば充分です。それでは、本日はこれで失礼いたします」
「……」
私は笑顔で見送ることができなかった。
ただ、彼が去った後、我知らず微笑んでいた。
「仰ってください」
言葉尻を濁すセランデル中尉を促しながら、私はどこか安堵していた。
かつては優しいと感じていたヴィクターがそうではなかったように、セランデル中尉も突如として残忍な牙を剥き出しにして私を罵るかもしれない。その恐怖に震えて待つより、徐々に在るべき冷遇の中へ沈んでいく方が気が楽なのだ。
セランデル中尉は慮るように優しくも厳しさの滲む表情で私を見つめると、私が想像していた通りの言葉を口にした。
「総帥よりお祝いを言付かっております。ストール卿が養子を迎えられた件について」
「……そうですか」
「あなたは、辛い立場ですね」
本気で同情しているような声音に、表情。
私はこの若い軍人に差し出せるようなものは何一つ持っていない。だから私には取入る価値がないはずなのだ。
セランデル中尉がスカーレイと同じ慈悲を私に向けているのかもしれないと思ってしまいそうになる。
いけない。
図に乗ってはいけない。
私は忌まわしい〝罪の子〟なのだから。
「いいえ。充分すぎる程よくして頂いています」
「そう答えるよう、教わったのですか?」
「!?」
驚いた私は慌てて首を振り、更に両手も振って否定した。
「いいえ、そうではありません!違います!」
「?」
セランデル中尉は意外そうに注意深く私を観察している様子だ。
私は、嘘はついていない。
「私のような身分の者では考えられないくらい、穏やかで何不自由ない暮らしをさせて頂いております!」
「本当ですか?」
「本当です!私はこんな見た目ですから、宮廷でも厳しい視線を浴び続けています。ですが、スカーレイ様が守って下さり、姫様のお傍にお仕えさせて頂けたおかげで、誰も私には、もう……!」
かつては生まれたことを後悔する夜も多かった。
生きる価値がないのなら産み落とさないで欲しかったと母を憎んだ。
それでも、もう、私は鞭に打たれることもなければ、髪を掴んで引きずり回されることもない。罵倒され、唾を吐かれ、石を投げられることは、もう、なくなった。
私はスカーレイによって救われ、守られている。
紛れもない事実である。
セランデル中尉は私の必死の訴えをある程度は認めたらしく、頷き、表情を和らげた。
「厳しそうに見えましたが、あなたには優しい人物のようで安心しました」
「あ……」
私は手を下ろし再び俯いて、騒いだ自分を恥じた。
セランデル中尉の包み込むような空気は更に深みを増して私を戸惑わせる。
「気性の激しいお姫様もあなたの為に激怒していた。此処は、あなたが羽を休めることのできる安全な巣なのかもしれませんね」
私が〝罪の子〟であることをセランデル中尉も承知している。それで心配してくれている。
「あ、ありがとうございます。立派な方にお気遣いを頂いて、身に余る恩情を賜り……」
「スノウと呼ばれていましたね」
今では邪悪な宝石と貶められたルビー。
私さえ生まれなければ、高貴なままでいられたルビー。
〝罪の子〟の名前。
「はい」
でも今ここにいる私は〝スノウ〟だった。
「スノウ。先程も申し上げたように、私に畏まる必要はありません」
セランデル中尉の声は労わりに満ちて耳にも優しい。
私はおずおずと顔を上げた。やはり優しい眼差しが私を捉えた。
「あなたを心配し、力になれたらいいと思っていました。総帥の代理ではなく、あくまで私個人として。何故なら私はあなたの気持ちが少しだけわかるから」
「え……?」
「セシア伯爵令嬢は御存じでした。だから私を軽蔑した」
「!」
先程スカーレイに感じた疑問の答えが、セランデル中尉本人の口から語られようとしている。
併し、私の気持ちがわかるとはいったいどういう意味だろう。
まさか、セランデル中尉も〝罪の子〟なのだろうか。
「……」
風貌からはとても考えられない。
答えは単純だった。
「私は不義の子です。父は私の出生を認めず、二人の兄は私の生存を望んでいません。あなたとは比べ物にならない甘い環境でしたが、あなたの気持ちは少しわかるつもりです」
私は何故か言葉を失っていた。
私とは違う。
でも、どちらがより不遇かなど天秤に掛ける意味もない。
恐れ多いことだとしても、確かな共通点が私とセランデル中尉の中に存在している。
「……」
「あなたが気掛りでした。ストール卿は非情だ。でも、あなたは心強い味方を得ているようですね」
「セランデル様……」
この世界に私を心配している人間がいたと告げられて、戸惑いや喜びや安堵といった様々な感情に襲われる。
それらを払拭する、穏やかな優しい声。
「ジェイドと呼んでください」
「……」
「私は平民、ただの軍人ですよ」
「……ジェイド……」
私はこの気持ちを知っていた。
スカーレイに教えてもらった友愛へと育つかもしれない、友情というあたたかな心の形。
緊張がほぐれ、私は笑みを浮かべていた。するとセランデル中尉────ジェイドも笑った。
「よかった。あなたは安全みたいだ」
「はい。よくして頂いています」
「このまま結婚されるのですか?」
「はい……ヴィクター様が、御心変わりしない限り」
「そうですか」
ジェイドは穏やかに微笑んで頷いたが、スカーレイ同様、その事実を快くは思っていないような目をしている。
「スノウ。あなたを守りたいと願う人間が今日また一人、現れました」
「……」
それは少し大袈裟すぎるように思われた。
併しジェイドは微笑みだけでは済まない確固たる意志を深い湖色の瞳に漂わせ、声を潜め続けた。
「一人は権力、一人は権威、そしてもう一人は武力。それを忘れないで。あなたは願うだけ与えられ、尊ばれるべきでした。〝罪の子〟など存在しない」
「……」
唐突で、難解で、冒涜的。
私は忽ちジェイドの言葉を恐れた。
だからだろうか。
ジェイドはおどけるように笑った。
「不義の子は探せば幾らでも出てきますがね」
「あ……」
何も言い返せない。
それでも私の意識から恐れは消え去り、気まずさも立ち消え、ただ他意のない反応だけが残る。
ジェイドが微笑みかける。
だから私も微笑んでいる。
当然そんな時間は長く続かなかったが、私は言い知れぬ解放感と喜びを覚えていた。
「さて、もう少し探してみましょう」
ジェイドはアスガルド軍の総帥から大切な役目を負わされている。私とお喋りして時間を無駄にしていてはいけない。早く私の婚約者に、養子を迎えたことについて祝いの言葉を届けなくてはならないのだ。
「お役に立てず、ごめんなさい」
「こちらこそ。だけど忘れないでください。助けが要る時は私のことを思い出して」
それまで笑顔で会話していた私は急に申し訳なくなり、また俯いてしまう。
「私からは、何もお返しできないのに……」
互いに席を立ち別れの挨拶が始まっていたが、ジェイドは軍人らしい敬礼に優しさを滲ませ最後まで微笑みを絶やさなかった。
「友の幸せを願うのに見返りなど求めますか。あなたが笑顔で暮らせれば充分です。それでは、本日はこれで失礼いたします」
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