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42(フローラ)
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目の前で起きていることが信じられなかった。
宮殿は戦場と化していた。
絶句する私をパウラとラーシュが挟む形で足早に進んでいく。ひっきりなしに捕まってとても気が抜けない。
「フローラ殿下!」
切迫した様子で王室騎士や衛兵がやってくる。
怯える私を庇いながらパウラはこう切り返す。
「王室騎士団の指示で避難中なんです。この子が誘導役です」
こうして私は護衛を受けていると見做されるのだ。
併し、裏切り者も現れる。
「レイクシアに栄光あれ!!」
王室騎士の鎧に身を包んでいながら、私に剣を向ける。
すると、パウラが大声で応える。
「同胞よ!勘違いしてはなりません!私はスカーレイ様の指示で邪神の娘を儀式の場へ連行しているところです!」
「レイクシアに栄光を!アスガルドに滅亡を!!」
ラーシュがパウラの言葉を裏付けるように声を上げ、乱暴に私を取り押さえて見せる。これで、はいどうぞと通される。
スカーレイが捕らえられた今、レイクシアの残党たちも必死だ。宿敵同士の殺し合いが始まり、それに乗じて箍が外れているようだった。
そうして城内をすり抜けていくが、いちばんの敵であるアスガルド軍に遭遇すると足が竦んだ。
私の国を滅ぼさんとする男たちの殺気は恐ろしいという言葉では言い尽くせない荒々しさで、視線一つとってしても私を殺しにかかってくる。
「女王だ!殺せ!!」
「!!」
父が既に亡き者とされ、私は王位継承者ではなく、統治者として抹殺対象にされていると掛け声から判断できた。
殺される。
相手は殺意に満ちた軍人で、乳母のパウラと騎士学校に入ったばかりのラーシュに勝ち目はない。
覚悟や諦めとは違う。
圧倒的な現実感が一瞬で私を飲み込んだ。
ところが。
「ほざくな!私が誰かわからないの?私はパウラ・ロヴネル。かつてガルムステットと共に邪神国家レイクシアを打ち倒した傭兵団の騎兵隊長ロヴネルの妻だ!剣を下ろしなさい!!」
……私は、そこで初めて、見慣れない背中を見上げた。
いつも見ていた、太っているくせに機敏で、底抜けに明るくて、細かいことは気にしない、昼寝が大好きなパウラの大きな背中……だったはずの、背中。
でも今、私の前に聳え立つ巨体は、確実に軍人の風格を備えている。
「……失礼!では、総帥の指示で?」
「愚問!この日の為に乳母を務めてきた私の忍耐を踏みにじる行為は、夫ロヴネルだけでなくガルムステットの逆鱗に触れると心得よ!」
「……」
「この壮大な計画の、細部の綻びとなるつもりか?貴様!名前は!?」
パウラが上官の口調で詰問すると、軍人は剣を収め片膝をつき頭まで下げた。
パウラの巨体の影で、ラーシュが私を一瞥し手を握った。そして小さく頷く。従えと言う意味でも、恐れるなという意味でもあったのかもしれない。問題は私が驚愕の余り何も考えられなくなっていたことだ。
「申し訳ありません」
軍人が本気の謝罪をしている。
私の乳母、パウラに。
……え……?
「ガルムステットの気が変わったのでなければフローラは生け捕りにするはず。何処で情報が捻じ曲がったのか調査し、即刻、危機的な混乱状況を修正せよ。この計画は完璧に遂行されてこそ意味がある」
「はい」
「ガルムステットに伝えることは二つ。一つ、アスガルド王家抹殺の手柄争奪戦になり下がっている危機的状況であること。もう一つは、パウラ・ロヴネルが存命で息子と共に任務遂行中であること」
「はい」
「行け!!」
パウラの号令で軍人は迅速な動きを見せ、報告の為か疾走して消えた。
「……」
私は動けなかった。
パウラがのそりと振り返る。そして、まるで空腹に耐えかねたような顔で溜息をついた。
「はあ。なにをびっくりしてるんですか。豪胆にお育てしたでしょう。もう、しっかりしてくださいよ。まったく。行きますよ?」
「……」
パウラの名を呼び、問い質したいことが山ほどあった。
それでも肩に手を掛けられて歩くよう促されると、私の足は自然と動いた。
「はいはい。そのままぼんやり歩いてください。次に捕まったら薬を盛ったことにしますから」
「母さん。いっそ寝たふりをさせて、背負って運んだほうが早くない?」
「馬鹿言うんじゃないよ。今、重いんだから」
親子の会話を聞きながら、ほんの少し、私がいつもより重い件についてパウラにだけは言われたくないと思った。これが理性を取り戻すきっかけになった。
「もしかして」
歩きながら、私はパウラに問いかける。
「パウラ、戦えたりする?」
太っているわりには機敏なのだ、この乳母は。
「まぁ、そうなりますねえ。だけどこの先は、大人の話です」
「……」
私は幼馴染であり、共にパウラの母乳を飲んで育った仲であるラーシュの顔を覗き込んだ。
「両親の馴れ初めって聞いたことある?」
「黙って歩けよ」
「やっぱり傭兵同士の恋って感じ?」
「興味ない」
ラーシュはそっけなかった。
今は脇に置いておくとしても、ラーシュと逃亡生活を送るのだからそのうち聞ける機会には恵まれるだろう。
私はスカーレイに襲われてから今まですっかり鈍ってしまっていた頭を回転させ、これまでの状況を整理してみた。
その一、レイクシア滅亡。
その二、レイクシアの亡霊の小暴れ。
その三、アスガルド国軍によるクーデター。
「……」
するとその四は、恐らくアスガルド滅亡になるだろう。
なぜなら歴史は繰り返すものだから。
そもそもレイクシアが滅亡したのも、元はレイクシアの傭兵団を率いていたカイン・ガルムステットが、当時はアスガルド教団の一指導者であった私の父に共感し、絶えず湖の女神に生贄を捧げる残酷なレイクシアの風習を根絶する為に古い宗教観を一掃した結果、邪神国家レイクシアが晴れて滅んだと聞いている。
国軍かどうかはこの際、関係ない。
カイン・ガルムステットがアスガルド王国を滅ぼすと決めたら、きっとそうするのだろう。
私は再びパウラの二重顎を見上げた。
「……」
その零。
零に、大人たちがいる。
国家か神々に恨みを募らせた傭兵たちが、この戦いに人生を投じているのだ。
私は血塗れの歴史の中で王女として生まれ落ち、国を失い、命を狙われている。
今の状況が人質にとられている状態なのか判別するのは難しいが、只一つ確かなことは、未だに私がパウラを信用しているということだ。
何故か。
私には、神も父もなかった。
この人生は……今の私は、乳母パウラという〝母親〟が在ってこそのものだった。
だから私には心がある。
私の心がアスガルド国軍総帥カイン・ガルムステットを恨むかどうか、生きて見届けなければならない。もう少し大人にならなければ零の真実は理解できないかもしれないのだから。
「民は無事なの?」
私が問いかけると、パウラはいつもの調子で頷いて答える。
「はぁい。もう、みんな飽き飽きしていますから」
「そう……」
ガルムステットは生贄の風習から民を解放した。
アスガルドの神々は誰の命も奪いはしなかったが、民を苦しめていたのだろうか。
「……」
わからない。
だから、生き延びなければならない。
「何処へ行くの?」
私はパウラに尋ねた。
パウラは私を見下ろす。そこには特に悪意などの負の感情は感じられない。
「この子が知っていますよ」
やはり、パウラは目的地までついてくるわけではないらしい。
「……っ」
それまで堪えていた感情が一気に涙となって噴き出した。
「……また、会える……?」
実の息子であるラーシュを差し置いて私はパウラに甘えた。
パウラは食事時のような寛いだ笑顔を浮かべならが目を逸らした。
「生きてさえいればどうにでもなりますよ」
それが最後の……とはならなかったのだが、泣きじゃくる私を連れたパウラとラーシュの全方面に向けた味方宣言が捗り、宮殿脱出まであと一歩というところまで順調に足を進めたのだった。
そう。
あと一歩というところまで。
宮殿は戦場と化していた。
絶句する私をパウラとラーシュが挟む形で足早に進んでいく。ひっきりなしに捕まってとても気が抜けない。
「フローラ殿下!」
切迫した様子で王室騎士や衛兵がやってくる。
怯える私を庇いながらパウラはこう切り返す。
「王室騎士団の指示で避難中なんです。この子が誘導役です」
こうして私は護衛を受けていると見做されるのだ。
併し、裏切り者も現れる。
「レイクシアに栄光あれ!!」
王室騎士の鎧に身を包んでいながら、私に剣を向ける。
すると、パウラが大声で応える。
「同胞よ!勘違いしてはなりません!私はスカーレイ様の指示で邪神の娘を儀式の場へ連行しているところです!」
「レイクシアに栄光を!アスガルドに滅亡を!!」
ラーシュがパウラの言葉を裏付けるように声を上げ、乱暴に私を取り押さえて見せる。これで、はいどうぞと通される。
スカーレイが捕らえられた今、レイクシアの残党たちも必死だ。宿敵同士の殺し合いが始まり、それに乗じて箍が外れているようだった。
そうして城内をすり抜けていくが、いちばんの敵であるアスガルド軍に遭遇すると足が竦んだ。
私の国を滅ぼさんとする男たちの殺気は恐ろしいという言葉では言い尽くせない荒々しさで、視線一つとってしても私を殺しにかかってくる。
「女王だ!殺せ!!」
「!!」
父が既に亡き者とされ、私は王位継承者ではなく、統治者として抹殺対象にされていると掛け声から判断できた。
殺される。
相手は殺意に満ちた軍人で、乳母のパウラと騎士学校に入ったばかりのラーシュに勝ち目はない。
覚悟や諦めとは違う。
圧倒的な現実感が一瞬で私を飲み込んだ。
ところが。
「ほざくな!私が誰かわからないの?私はパウラ・ロヴネル。かつてガルムステットと共に邪神国家レイクシアを打ち倒した傭兵団の騎兵隊長ロヴネルの妻だ!剣を下ろしなさい!!」
……私は、そこで初めて、見慣れない背中を見上げた。
いつも見ていた、太っているくせに機敏で、底抜けに明るくて、細かいことは気にしない、昼寝が大好きなパウラの大きな背中……だったはずの、背中。
でも今、私の前に聳え立つ巨体は、確実に軍人の風格を備えている。
「……失礼!では、総帥の指示で?」
「愚問!この日の為に乳母を務めてきた私の忍耐を踏みにじる行為は、夫ロヴネルだけでなくガルムステットの逆鱗に触れると心得よ!」
「……」
「この壮大な計画の、細部の綻びとなるつもりか?貴様!名前は!?」
パウラが上官の口調で詰問すると、軍人は剣を収め片膝をつき頭まで下げた。
パウラの巨体の影で、ラーシュが私を一瞥し手を握った。そして小さく頷く。従えと言う意味でも、恐れるなという意味でもあったのかもしれない。問題は私が驚愕の余り何も考えられなくなっていたことだ。
「申し訳ありません」
軍人が本気の謝罪をしている。
私の乳母、パウラに。
……え……?
「ガルムステットの気が変わったのでなければフローラは生け捕りにするはず。何処で情報が捻じ曲がったのか調査し、即刻、危機的な混乱状況を修正せよ。この計画は完璧に遂行されてこそ意味がある」
「はい」
「ガルムステットに伝えることは二つ。一つ、アスガルド王家抹殺の手柄争奪戦になり下がっている危機的状況であること。もう一つは、パウラ・ロヴネルが存命で息子と共に任務遂行中であること」
「はい」
「行け!!」
パウラの号令で軍人は迅速な動きを見せ、報告の為か疾走して消えた。
「……」
私は動けなかった。
パウラがのそりと振り返る。そして、まるで空腹に耐えかねたような顔で溜息をついた。
「はあ。なにをびっくりしてるんですか。豪胆にお育てしたでしょう。もう、しっかりしてくださいよ。まったく。行きますよ?」
「……」
パウラの名を呼び、問い質したいことが山ほどあった。
それでも肩に手を掛けられて歩くよう促されると、私の足は自然と動いた。
「はいはい。そのままぼんやり歩いてください。次に捕まったら薬を盛ったことにしますから」
「母さん。いっそ寝たふりをさせて、背負って運んだほうが早くない?」
「馬鹿言うんじゃないよ。今、重いんだから」
親子の会話を聞きながら、ほんの少し、私がいつもより重い件についてパウラにだけは言われたくないと思った。これが理性を取り戻すきっかけになった。
「もしかして」
歩きながら、私はパウラに問いかける。
「パウラ、戦えたりする?」
太っているわりには機敏なのだ、この乳母は。
「まぁ、そうなりますねえ。だけどこの先は、大人の話です」
「……」
私は幼馴染であり、共にパウラの母乳を飲んで育った仲であるラーシュの顔を覗き込んだ。
「両親の馴れ初めって聞いたことある?」
「黙って歩けよ」
「やっぱり傭兵同士の恋って感じ?」
「興味ない」
ラーシュはそっけなかった。
今は脇に置いておくとしても、ラーシュと逃亡生活を送るのだからそのうち聞ける機会には恵まれるだろう。
私はスカーレイに襲われてから今まですっかり鈍ってしまっていた頭を回転させ、これまでの状況を整理してみた。
その一、レイクシア滅亡。
その二、レイクシアの亡霊の小暴れ。
その三、アスガルド国軍によるクーデター。
「……」
するとその四は、恐らくアスガルド滅亡になるだろう。
なぜなら歴史は繰り返すものだから。
そもそもレイクシアが滅亡したのも、元はレイクシアの傭兵団を率いていたカイン・ガルムステットが、当時はアスガルド教団の一指導者であった私の父に共感し、絶えず湖の女神に生贄を捧げる残酷なレイクシアの風習を根絶する為に古い宗教観を一掃した結果、邪神国家レイクシアが晴れて滅んだと聞いている。
国軍かどうかはこの際、関係ない。
カイン・ガルムステットがアスガルド王国を滅ぼすと決めたら、きっとそうするのだろう。
私は再びパウラの二重顎を見上げた。
「……」
その零。
零に、大人たちがいる。
国家か神々に恨みを募らせた傭兵たちが、この戦いに人生を投じているのだ。
私は血塗れの歴史の中で王女として生まれ落ち、国を失い、命を狙われている。
今の状況が人質にとられている状態なのか判別するのは難しいが、只一つ確かなことは、未だに私がパウラを信用しているということだ。
何故か。
私には、神も父もなかった。
この人生は……今の私は、乳母パウラという〝母親〟が在ってこそのものだった。
だから私には心がある。
私の心がアスガルド国軍総帥カイン・ガルムステットを恨むかどうか、生きて見届けなければならない。もう少し大人にならなければ零の真実は理解できないかもしれないのだから。
「民は無事なの?」
私が問いかけると、パウラはいつもの調子で頷いて答える。
「はぁい。もう、みんな飽き飽きしていますから」
「そう……」
ガルムステットは生贄の風習から民を解放した。
アスガルドの神々は誰の命も奪いはしなかったが、民を苦しめていたのだろうか。
「……」
わからない。
だから、生き延びなければならない。
「何処へ行くの?」
私はパウラに尋ねた。
パウラは私を見下ろす。そこには特に悪意などの負の感情は感じられない。
「この子が知っていますよ」
やはり、パウラは目的地までついてくるわけではないらしい。
「……っ」
それまで堪えていた感情が一気に涙となって噴き出した。
「……また、会える……?」
実の息子であるラーシュを差し置いて私はパウラに甘えた。
パウラは食事時のような寛いだ笑顔を浮かべならが目を逸らした。
「生きてさえいればどうにでもなりますよ」
それが最後の……とはならなかったのだが、泣きじゃくる私を連れたパウラとラーシュの全方面に向けた味方宣言が捗り、宮殿脱出まであと一歩というところまで順調に足を進めたのだった。
そう。
あと一歩というところまで。
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