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狂う黒髪
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持っている者、持っていない者
その2つの人種がこの世には存在する
その中で俺、柳川秀介は明らかに持っていない者である
勉強は普通、運動も普通、捻くれてて友達も少ない、特技も何も無い。
こんな人間が何かを持っている者だとするならばそんな甘い世界壊してしまいたくなる。
そんな何も持っていない俺が何のために生きているのか、よく考える。
だがいくら熟考したって答えなんて出ない。ただの高校生の稚拙な考えなど無意味なものなのだ。
ただ、同じように生きてる人間も少なくない、そう考えるとまだ俺にも救いがあるのではないか そうポジティブに考えることも出来た。
だが俺の虚しさは晴れる筈なんてないのだ。ただ自堕落に生きているだけなのだから
「はあ、なんか面白い事や面白い奴でもいねぇかなあ」
「呼んだ?」
「呼んでねえよ 雲雀」
こいつは高峯雲雀
俺の幼なじみで唯一と言っていいほど仲がいいと言うか腐れ縁の友達だ
「だって今面白い奴とか言ってたじゃん」
「あーそうだな お前は面白いよ 全教科赤点なんて取れるんだもんな」
「ちょ!!うるさい!勉強は苦手なの!」
雲雀は死ぬほどアホだ
九九の計算さえ危ういほど
だが、彼女には才能がある
陸上の才能 常に県大会トップレベルで全国大会にも数々出場する程だ
もちろんテレビなんかで見ることもある
俺はそんな雲雀が少し羨ましい
「勉強と言えば黒崎さんまた学年一位だって!凄いよね」
「黒崎か…」
黒崎悠李 完璧な人間
容姿端麗、文武両道、まさに絵に書いたような優等生だ。
俺のクラスメイトとは思えない
あいつとは特に話した事も思い出もないが何故かよく知っているような気がしてならない
まあ、あっちは俺なんて眼中には無いのだろうが
「なあ、雲雀」
「ん、何?」
「お前って黒崎と仲良い?」
「うーん、普通かな ちょっと話すくらい」
「そうか…」
あいつは友達は多い
だが、どこか上辺だけの友達が多いだけに見えてならない。
少なくとも俺にとっての雲雀みたいな友達があいつにはいないのだ。
実際はいるのか、本当にいないのか、それとも…
まあ、赤の他人の事だから関係などないのだが ただ、興味が無いと言えば嘘になる
やっぱりあいつには何か惹かれるんだよな
恋愛感情とかでは無いと思うが
「あっ、もう部活の時間だ 秀介 またね!」
「ああ、またな」
今は午後4時前後
今帰ってもやる事など何も無い
だが、学校に居てもいる意味は無い
だから、俺は少し学校を探索する事にした
今思えばこれが俺の犯した…
最大の過ちだったのだろう。
学校を探索しても部活部活アンド部活でつまらない。
後は教室で勉強してたりスマホゲームをしている帰宅部ばかり
何が楽しくて学校に残っているのか俺は理解が出来なかった
そういえば黒崎は文武両道にも関わらずどの部活にも入っていない
大会とかに呼ばれると出るらしいが練習がしたくないのだろうか。 全く、怠惰な奴だ
俺はそんなくだらない事を考え自分の教室である3ーAに向かった
教室に着くと明らかに異様だった
ツンと鼻をつく匂いがし、声にならない声が聞こえ、奇妙な笑い声が聞こえる
開けてはいけない そんな事分かっている
でも、開けなきゃいけない
それは好奇心か正義感か俺にもよくわかっていない
考えるのをやめ俺は扉を開けてしまった
そこで見えた光景は優等生黒崎が俺の幼なじみ雲雀を包丁で滅多刺ししてる惨状
俺はそれを見た瞬間何も考えられずただ吐き気を催した
「お、お前 雲雀に何してんだよ!」
「秀介…逃げ…て」
「何って…いらない人間を排除しているだけよ 秀介君」
「!!!」
俺は黒崎とまともに話したことなんて無い
名前を呼ばれたことなんてあるはずが無い
だが、何故だろう 名前で呼ばれる事へ対する違和感がないのは
嫌悪感が湧いてこないのは
「雲雀がいらない人間ってどういうことだよ!」
「分からない?彼女はね…」
「なんだよ…」
「彼女は何も持たないただの人間 つまらない そんな人間いらない ましてや秀介君に近づいているもの」
雲雀が何も持たないだと?確かに勉強は一切出来ないが陸上の才能が雲雀にはある
才能があるのに何も持たないなんておかしいだろう
「お前何言ってるんだよ こいつには陸上の才能があるだろ 俺と違って持ってる側の人間なんだよ」
「はあ…才能ね 秀介君 あなた何も分かっていない 持ってる人間と持っていない人間との違いを」
「何なんだよそれ」
「ふふ、教えて欲しい?」
彼女の笑顔は可愛らしくもどこか薄気味悪いそんな表情をしていた
絶対ろくな事なんて言ってこない だが、今は聞くしかなかった
「持っている者はねどこか欠損している人間よ」
持っているのに欠損している?
その意味を理解することなんて到底無理だった
「分かっていないみたいね 分かりやすく言うと持っている人間はね」
「どこかが狂っているそんなトクベツな人間なのよ」
思いもよらない言葉に俺は言葉を失った
その2つの人種がこの世には存在する
その中で俺、柳川秀介は明らかに持っていない者である
勉強は普通、運動も普通、捻くれてて友達も少ない、特技も何も無い。
こんな人間が何かを持っている者だとするならばそんな甘い世界壊してしまいたくなる。
そんな何も持っていない俺が何のために生きているのか、よく考える。
だがいくら熟考したって答えなんて出ない。ただの高校生の稚拙な考えなど無意味なものなのだ。
ただ、同じように生きてる人間も少なくない、そう考えるとまだ俺にも救いがあるのではないか そうポジティブに考えることも出来た。
だが俺の虚しさは晴れる筈なんてないのだ。ただ自堕落に生きているだけなのだから
「はあ、なんか面白い事や面白い奴でもいねぇかなあ」
「呼んだ?」
「呼んでねえよ 雲雀」
こいつは高峯雲雀
俺の幼なじみで唯一と言っていいほど仲がいいと言うか腐れ縁の友達だ
「だって今面白い奴とか言ってたじゃん」
「あーそうだな お前は面白いよ 全教科赤点なんて取れるんだもんな」
「ちょ!!うるさい!勉強は苦手なの!」
雲雀は死ぬほどアホだ
九九の計算さえ危ういほど
だが、彼女には才能がある
陸上の才能 常に県大会トップレベルで全国大会にも数々出場する程だ
もちろんテレビなんかで見ることもある
俺はそんな雲雀が少し羨ましい
「勉強と言えば黒崎さんまた学年一位だって!凄いよね」
「黒崎か…」
黒崎悠李 完璧な人間
容姿端麗、文武両道、まさに絵に書いたような優等生だ。
俺のクラスメイトとは思えない
あいつとは特に話した事も思い出もないが何故かよく知っているような気がしてならない
まあ、あっちは俺なんて眼中には無いのだろうが
「なあ、雲雀」
「ん、何?」
「お前って黒崎と仲良い?」
「うーん、普通かな ちょっと話すくらい」
「そうか…」
あいつは友達は多い
だが、どこか上辺だけの友達が多いだけに見えてならない。
少なくとも俺にとっての雲雀みたいな友達があいつにはいないのだ。
実際はいるのか、本当にいないのか、それとも…
まあ、赤の他人の事だから関係などないのだが ただ、興味が無いと言えば嘘になる
やっぱりあいつには何か惹かれるんだよな
恋愛感情とかでは無いと思うが
「あっ、もう部活の時間だ 秀介 またね!」
「ああ、またな」
今は午後4時前後
今帰ってもやる事など何も無い
だが、学校に居てもいる意味は無い
だから、俺は少し学校を探索する事にした
今思えばこれが俺の犯した…
最大の過ちだったのだろう。
学校を探索しても部活部活アンド部活でつまらない。
後は教室で勉強してたりスマホゲームをしている帰宅部ばかり
何が楽しくて学校に残っているのか俺は理解が出来なかった
そういえば黒崎は文武両道にも関わらずどの部活にも入っていない
大会とかに呼ばれると出るらしいが練習がしたくないのだろうか。 全く、怠惰な奴だ
俺はそんなくだらない事を考え自分の教室である3ーAに向かった
教室に着くと明らかに異様だった
ツンと鼻をつく匂いがし、声にならない声が聞こえ、奇妙な笑い声が聞こえる
開けてはいけない そんな事分かっている
でも、開けなきゃいけない
それは好奇心か正義感か俺にもよくわかっていない
考えるのをやめ俺は扉を開けてしまった
そこで見えた光景は優等生黒崎が俺の幼なじみ雲雀を包丁で滅多刺ししてる惨状
俺はそれを見た瞬間何も考えられずただ吐き気を催した
「お、お前 雲雀に何してんだよ!」
「秀介…逃げ…て」
「何って…いらない人間を排除しているだけよ 秀介君」
「!!!」
俺は黒崎とまともに話したことなんて無い
名前を呼ばれたことなんてあるはずが無い
だが、何故だろう 名前で呼ばれる事へ対する違和感がないのは
嫌悪感が湧いてこないのは
「雲雀がいらない人間ってどういうことだよ!」
「分からない?彼女はね…」
「なんだよ…」
「彼女は何も持たないただの人間 つまらない そんな人間いらない ましてや秀介君に近づいているもの」
雲雀が何も持たないだと?確かに勉強は一切出来ないが陸上の才能が雲雀にはある
才能があるのに何も持たないなんておかしいだろう
「お前何言ってるんだよ こいつには陸上の才能があるだろ 俺と違って持ってる側の人間なんだよ」
「はあ…才能ね 秀介君 あなた何も分かっていない 持ってる人間と持っていない人間との違いを」
「何なんだよそれ」
「ふふ、教えて欲しい?」
彼女の笑顔は可愛らしくもどこか薄気味悪いそんな表情をしていた
絶対ろくな事なんて言ってこない だが、今は聞くしかなかった
「持っている者はねどこか欠損している人間よ」
持っているのに欠損している?
その意味を理解することなんて到底無理だった
「分かっていないみたいね 分かりやすく言うと持っている人間はね」
「どこかが狂っているそんなトクベツな人間なのよ」
思いもよらない言葉に俺は言葉を失った
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