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三章.サロン・ルポゼで雨宿り
三章 サロン・ルポゼで雨宿り⑨
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「あ、ここ、コリコリしてるでしょ?」
「そうですね、すごいコリコリしているのを感じます。これは何ですか?」
「これはね、お疲れの証拠。リフレクソロジーではこの老廃物を”クリスタル”って言うのよ」
「老廃物なのにクリスタルって、なんだか可笑しいですね」
「不思議よね、体の毒素があんな綺麗な宝石に例えられるなんて。でも私たちセラピストからしたらね、このクリスタルを見つけることが重要なの。見つけて潰して尿として外に出す! そうやって健康促進につなげるのよ」
「俺の毒素を……見つけてくれる」
「そっ! あなたにとっては膿かもしれないけど、私にとってはクリスタル。あなたの膿は……私が探し切ってあげるわ」
江頭オーナーは自然にウインクを作りながら、恥ずかしがることなく言ってのけた。
そのセリフは、心に抱えていた黒々としたスイの負い目を、静かに浄化してくれるようだった。
「このコリコリしてる部分は土踏まずのところだから胃腸ね。やっぱり食生活が乱れているから反応があるのよ」
……江頭オーナーの声は、スイの耳に全く入っていない。
「ちょっと聞いてる? ねえ?」
「あ、すいません! 聞いてませんでした!」
「そうですね、すごいコリコリしているのを感じます。これは何ですか?」
「これはね、お疲れの証拠。リフレクソロジーではこの老廃物を”クリスタル”って言うのよ」
「老廃物なのにクリスタルって、なんだか可笑しいですね」
「不思議よね、体の毒素があんな綺麗な宝石に例えられるなんて。でも私たちセラピストからしたらね、このクリスタルを見つけることが重要なの。見つけて潰して尿として外に出す! そうやって健康促進につなげるのよ」
「俺の毒素を……見つけてくれる」
「そっ! あなたにとっては膿かもしれないけど、私にとってはクリスタル。あなたの膿は……私が探し切ってあげるわ」
江頭オーナーは自然にウインクを作りながら、恥ずかしがることなく言ってのけた。
そのセリフは、心に抱えていた黒々としたスイの負い目を、静かに浄化してくれるようだった。
「このコリコリしてる部分は土踏まずのところだから胃腸ね。やっぱり食生活が乱れているから反応があるのよ」
……江頭オーナーの声は、スイの耳に全く入っていない。
「ちょっと聞いてる? ねえ?」
「あ、すいません! 聞いてませんでした!」
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