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# 秋
文化祭⑦
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特設ステージは野外に作られており、テレビで見るような芸人さんが贅沢にネタを披露している。
テンションが上がっている戸部君を尻目に、ステージ横で待機をしている、カジュアルな服装をした集団の方に目がいった。
もしやと思って目を凝らすと、案の定予感が的中する。
その中には、見慣れた車イスに乗った、ユウキの姿があった。
後ろには、同じ服装をした岸井さんが寄り添っていて、何だか見てはいけない気になってくる。
「ナオちゃん、どうかした? あの芸人好きじゃないの?」
「え、いや、好きだよ。面白いよね、あの芸人さん」
私がよそ見をしているところを見逃さない戸部君は、心配そうな顔をしてこっちを見てくる。
感情の揺らぎを戸部君に悟られないように、咄嗟に話題を変えた。
「次はダンスサークルの演技みたいだよ」
「ナオちゃん、ダンス興味あるんだ」
「ま、まあね」
あまりにも咄嗟に言ってしまったから、その後のことを考えていなかった。
すっかり間に受けた戸部君が、なるべく見やすいところに私を誘導し始める。
別に見たかったわけではないけど、見なければいけない状況になってしまった。
戸部君が導いてくれた場所からは、ステージ上が綺麗に見える。
「ここからなら思う存分見られるでしょ」
「ええ。ありがとう……」
ユウキがステージの上から私を見つけることは、不可能に近いほど離れた距離にいる。
でも、もし見つかってしまったら、岸井さんにまた厄介者扱いされてしまう。
その密かにドキドキした思いを、戸部君は知る由もない。
テンションが上がっている戸部君を尻目に、ステージ横で待機をしている、カジュアルな服装をした集団の方に目がいった。
もしやと思って目を凝らすと、案の定予感が的中する。
その中には、見慣れた車イスに乗った、ユウキの姿があった。
後ろには、同じ服装をした岸井さんが寄り添っていて、何だか見てはいけない気になってくる。
「ナオちゃん、どうかした? あの芸人好きじゃないの?」
「え、いや、好きだよ。面白いよね、あの芸人さん」
私がよそ見をしているところを見逃さない戸部君は、心配そうな顔をしてこっちを見てくる。
感情の揺らぎを戸部君に悟られないように、咄嗟に話題を変えた。
「次はダンスサークルの演技みたいだよ」
「ナオちゃん、ダンス興味あるんだ」
「ま、まあね」
あまりにも咄嗟に言ってしまったから、その後のことを考えていなかった。
すっかり間に受けた戸部君が、なるべく見やすいところに私を誘導し始める。
別に見たかったわけではないけど、見なければいけない状況になってしまった。
戸部君が導いてくれた場所からは、ステージ上が綺麗に見える。
「ここからなら思う存分見られるでしょ」
「ええ。ありがとう……」
ユウキがステージの上から私を見つけることは、不可能に近いほど離れた距離にいる。
でも、もし見つかってしまったら、岸井さんにまた厄介者扱いされてしまう。
その密かにドキドキした思いを、戸部君は知る由もない。
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