未成熟の誘惑

ani

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ミラーレス

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「満足なの、これで満足なんでしょ。人の失態をさらけ出して、自分は知らん顔で、仕事終わりにビールなんか飲んじゃって、今を楽しんでる雰囲気を醸し出したりなんかしてさ。ほんと、貴方は自分勝手だよ。身勝手で他人を見ない自己中心的なゴミが、一体何を叫びたいのさ。本当うざいよ。死んでくれって何回も願った。死んで欲しいとも思った。面倒で目障りでウザくて気持ち悪くて、通報して捕まって欲しいくらい憎んだ。本当に、本当に君が嫌い。私は君が嫌いだよ、ハイエナ」

長々と続いた彼女の愚痴も、2分少々で終わりを告げた。その程度だったのだ。この人の私に対する思いなど、120秒で終わるようなそんなものだったのだ。もとより期待はしていないし、予想もしなかった。うんざりして、残念で、惨めで、儚い恋だった。

僕はそれを、大切にしなかった。

泣き崩れる彼女は美しく、それを冷淡に眺める僕はただただ悪い人間だった。人間、少し語弊がある。僕は人間のつもりの悪魔で、彼女も人間のふりをする天使で、正義と悪がぶつかった。それだけのこと。それだけのことだった。

「電流増幅率、君は尊い」
「変な名前つけないでよ。分かりにくいし、そもそも分からないわ」
「すまない」
「謝らないで。本当に、殺したくなるから」

手を伸ばす。払われる。手を伸ばす。また、払われる。こんなに近いのに、全く距離は縮まらない。ここが絶対安全防衛ラインで、一ミリでも超えることは許されない。それこそが彼女の憎しみだった。20年余りを費やした、彼女の意地だ。

「それは違うのだ。ハイエナ」
「可変長符号の片割れ、えりな。今更何をしに来た。自分より劣る彼女を、迎えに来たとでも言うのか。何も知らないお前に、そんな台詞を吐けるとでも」
「一つ勘違いをしているようだから、それを訂正しに来た。えりなの目的はそれだけなのだ」
「なんだ、この際だから聞いてやろう。言ってみろよ。俺が何を勘違いしたのか」
「数字が好きなハイエナなら、この方が伝わりやすいかな。彼女が瞬間移動に費やした年月は、25年じゃない」
「ほお、もっと短いと」
「逆なのだ。彼女が費やした年月は原始。つまり










彼女はイヴなのだ」
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