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第二章 隣国でも危険はいっぱい
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しおりを挟む「まあ、寄らないって選択肢取るしかねぇよなぁ」
道を外れるのも目立つし、単純に村によらないという選択肢を取ることにしました。
大都市ならともかく、小さな村町はもう全滅と考えた方がいいんじゃないか、これ。
街へ続く脇道にそれず、そのまま行くって選択肢を取ったら死亡フラグが立たなかったのでそのまま動きました。
まぁ、一日二日だったらいちいちちいさな街による必要はたしかにないよね、つい寄るべきとか考えたけど俺ただの出稼ぎじゃん。
金ないんだから宿目指さずに野宿するよね!
携帯食も見た目以上に持ってるし、何の問題もあるはずなかったね!
初日から野宿しすぎだとは思うがな。
はあ、しかしまあ、なんだってこう死亡フラグが立ちまくるのかなぁ。
俺は第二の人生をのんびりと歩むためにここに来たんだよね?
転移してきてこの方、心が休まる暇がないんですがどうなんですかね神様。
当然幸せのしの字もないから、魔力拡散もほとんどできてないんじゃないですかね神様。
まあ、まだ最悪ではなさそうなので魔力遮断まではしないが、そろそろどうにかして平和な旅をしたいところである。
定職に就けるのが無難ではあるが、考えたら移動してないとそこの空気だけきれいになりすぎて居場所がばれる可能性があるんだよなぁ。
定期的に移動できる定職って字面に無茶がありすぎるんだけど、なんかいいものがないかなぁ。
考えつくのはアイテムボックスを使った宅配か、それに準じた輸送業。
後は諦めて冒険者。
アイテムボックスはアイテムバック的なもので代用できるらしく、輸送業自体は小さなものであればそれほど目立たない……ような気はする。
現に商人っぽい人は数多く見たが、それほど大きなものを運んでいる馬車はそうそうなかった。
裕福そうな商人ほど荷物がすくなく護衛が多いように見えたので、この世界ではきっとアイテムバックは一般的なのだと思う。
ただ、単純に仕事を請け負うとなると色々問題は出てきそうなのが難点かもしれない。
大体出稼ぎ商人とか、そんなコミュ能力が俺にあるの?
という点でも無理がある。
俺は無難に平和に生きたいんだよ! 波乱万丈な人生は俺も神様も求めてねーよ!
そんな風につらつらと現実逃避しつつ、俺は村町を全無視して大都市に向かって道を歩いて行くのであった……。
基本的に野宿は道から外れたところで適当にやればよいらしく、夕方になってくるとそこらへんでちらほらテントが見えるようになったので俺も普通にそれに倣って野宿した。
そして数日後。
俺は無事に大都市目前の小さな町についたのであった。
――ポーン。
数冊の本とともに。
☆
ということで大都市目前、最後の小さな町というか宿泊町である。
ここは大都市付近の村ということもあり、また街道もど真ん中を通るいわば最後の通り道にある町という感じだったので避けるのもおかしいかなと入るしかなかったのだが……。
さっそく死亡フラグさんのお出ましです。
最早慣れました。
大都市目前の町ということで門番もゆるゆるだったのでただただ通り過ぎるつもりだったんだが……。
ちらりと足を止めてログを見た限り、どうも大都市についてからの死亡フラグのように見えたので、大人しくこの街で一度宿を取ることにしたのだ。
休憩も正直したかったし、大都市内で何かがあると非常に困るからな。
身動き取れないまま拘束とか本当に勘弁してほしい。
ということで目についたそこそこの宿屋へ移動。
うん。
気は進まないが早速ログを確認。
――大都市に着き、検問へ並ぶタイガ。
周りには人も多く、のどかな雰囲気を見せていた。
だが、それは突然現れた――。
「魔物だ――!」
悲鳴と怒号、そしてしばらくして兵士によって騒ぎが鎮圧されたのを呆然と眺めていたタイガは、何故か自分の周りに人がいないことに気付く。
「俺は見た! そいつが犯人だ!」
突然上がる男の声。
指示された指の先にいたのはそう、自分だった―――。
―――
ってなんでだよ!!!!
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