最も嫌われている最凶の悪役に転生ー物語の主人公に殺されるエンドを回避するため善行を積みます!ー

灰色の鼠

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第25話 再会

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 英傑の騎士団本部。
 地下牢に幽閉されていた。
 あれから、かなりの時間は経つと思うがジェイクはまだ目を覚ましていないらしい。

 彼が目を覚ませば、洗いざらい真実を話してくれるとは思うが、本当に起きれないほど暴走状態のゾルデアに叩きのめされていたら、俺がマズイ。

 勇者ラインハルは仲間を傷つけられることを一番嫌う、仲間思いの奴だ。
 いつも敵対していた俺の言い分なんて、きっと聞いてくれないだろう。

 かと言って反撃はしたくない。
 たとえ無罪だったしても、誤ってラインハルを殺してしまったら新たな罪ができるだけだ。

 やばい、これではゲームオーバーになってしまう。
 状況を覆すため試行錯誤をするが、良い案が思いつかない。

 コツン、コツン。
 誰かが下りてくるのが聞こえた。
 足音は一人だ。

 まさか、英傑の騎士団の一人がさっそく報復しにきたのだろうか。
 待て、俺はまだ死にたくないぞ!


「あっ……ロベリア様……!」

 しかし、やってきたのは血塗られた武器を手にしたアサシンではなかった。
 以前会ったときと同じドレスを着た、可愛らしい女の子である。
 俺を見つけて、嬉しそうに駆け寄ってきた。

「あたっ」

 すっ転んだ。
 そして何事もなかったように立ち上がり、咳払いをした。

「お、お久しぶりですロベリア様」
「……リアンか」
「覚えていてくれたのですか……嬉しいですっ」

 王女リアンである。
 無事、英傑の騎士団本部にまでたどり着けたようだ。
 元気そうにしている彼女を見て、自分の状況なんか忘れるほど安堵する。

 それを見ていたリアンがポッと頬を赤らめていた。
 何がおかしい、俺だってこういう表情はする。

「話は聞きました。団員二人をその……」
「俺は、やっていない」
「や、やっぱり……!」

 食いつくように牢に近づいてきた。
 何もする気はないけど不用心すぎるぞ。
 俺じゃなきゃ掴みかかれる距離だ。

「私信じていたのです。私を救ってくださったロベリア様が、そのような非道なことをしないと。待っていてください、今すぐ私がラインハルさんを説得しに―――」
「駄目だ」
「えっ?」

 張り切っているところ悪いが。
 この件に関して無関係なリアンが介入をしたところで聞く耳を持たれるはずがない。
 彼女は優しい王女だ、傍若無人な父親とは正反対の聖女である。

 俺に同情して解放しようとした、と周りに思われるだけだだ。
 リアンの優しさに漬け込み、罪から逃げようとしていると。

「貴様は関わるな。これは俺の問題だ」
「し、しかし……貴方様にはまだ恩返しをしていない! 私も役に立ってみせますから!」
「恩? 俺は別に貴様を助けたとは思っていない。あの時、貴様に言ったはずだ、あれは暇つぶしだと。だからもう、わざわざ俺には関わろうとするな」

 味方が多い方が心強い、けど彼女はまだ子供だ。
 こんな危険は男に手を貸しては身を滅ぼしかねない。

 国が滅び、唯一頼れる場所がここしかなくなってしまった。
 だから、英傑の騎士団と敵対するような真似はやめてくれ。

「嫌です! 私は王族です! 一度作った恩は必ず返します!」

 ハッキリと。
 迫真と断言された。
 思わず俺は身を引いた。

「何をやっているのですか姫!」

 あ、あの近衛兵だ。
 えっと若いあの子。
 俺を見ると、彼は申し訳なさそうに頭を下げながらリアンを連れていこうとする。

「私は……ロベリア様を! お慕いしており―――」

 バタンと地下への扉が閉められた。
 何か最後、とんでもないことを告白されそうな気がしたが……。


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