恋の神様

あらら

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365日

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365日、高畑美玲はこの男(人)と一緒にいたいと願った。

しかし、坂口隆也は医者でわたしは看護師。

同じ病院に勤めているが顔を合わす事がない。

しかも、妻子持ちである。

不倫だ。

久しぶりの休みに思い切って水族館にダメもとで誘ってみた。

「良いよ。」と珍しくソファーで寝ていた隆也は答えた。


白イルカを見て可愛いと美玲は思った。

初々しいカップルがいたので写真を撮ってあげた。

「お人好しだな。」

と隆也は笑った。

「今日は、珍しく元気だね、いつもは眠たそうなのに。」

「普通だよ。」

隆也は、どことなく嬉しそうに言った。


隆也は、脳外科のエースで未来を約束された天才医師。

それに比べてわたしは、ドジでマヌケな新人看護師。

しょっちゅう怒られては泣いている。

そんな、ドジでマヌケでも容姿だけは自信があった。

しかし、隆也は、わたしをブスと呼ぶ。

仕事の出来ないブスである。


そんな二人が出逢ったのが、病院主催のパーティーだった。

わたしが色々な、男から声をかけられて困っている時に

わたしの頭を撫でて

「俺の女だから手を出さないでくれる?」

と隆也が言ったのだ。

男達は悔しそうに離れて行った。

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「何でお前みたいなブスがモテるのか理解が出来ない。」

ブス?生まれて初めて言われた。  

「まぁ、ハイエナから助けたんだから飲めよ。」

「わたし、ブスじゃないから飲みません!」

思い切り隆也に持っていたグラスを投げつけてパーティーを後にした。

美玲は、久しぶりに頭にきた。

それから美玲は隆也に1ヶ月ほど会わなかった。

ある日、たまたま、病院のエスカレーターで二人きりになってしまった。

「あの、こないだはすみませんでした。」

と美玲は頭を下げた。

「すみません、あなたは誰ですか?」

意外な返事が返ってきた。

お酒飲むと記憶というか別人?

それから、美玲は、猛アタックの末に隆也と付き合う事になった。

「でも、僕、結婚してるし。」

「それでも良いから付き合って下さい!」

あの頃のわたしは、バカだった。

こんなに深く人を愛せるとは思っていなかった。

ズルズルと付き合って2年が経過した。

上司の娘と結婚した隆也は苦しんでいた。

妻の優しさ、美玲の優しさに…。

この2年間は、美玲は思い出にしてさっぱり別れようと思っていた。

いつ、別れを切り出そうか美玲は迷っていた。

そんな時に恋の神様に出会った。

「不倫は、罪深いぞ。」

とテレビの画面から出て来た小さいおじさんに言われた。

「分かってますよ。そのぐらい…でもなかなか切り出せなくて…。」

神様は、すぐに別れろと言ってテレビの中へ消えてしまった。

「妻と別れようと思ってる。」 

白イルカを見ていた美玲に隆也は言った。

「嬉しいけど…。」

不倫は、罪深い。わたしは、その重圧には耐えられない。

奥さん、お子さんの将来を壊すわけにはいかない。

自分が、妻だったら耐えられない。

若さゆえに付き合ってしまった自分が情けない。
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