妊娠条令

会議

「工藤君、本当に核を落とすとはね。世界中から抗議の声が上がってるよ。」

田中が、苦虫を噛み潰したような顔をして言った。

「田中先生、わたしは部下の中井大輔にNeo妊娠条令軍をどうにかしろと言っただけです。核を落とせなどとは言ってません。」

「まぁ、良い。世界中のNeo妊娠条令軍を潰せば周りからの風当たりも良くなる。根絶やしにしたまえ！」

「かしこまりました。」

栗林限界の事を工藤は思い出していた。

2人は自衛隊で同期だった。

栗林は、人望とカリスマ性が高くていつも実技も筆記でも一番だった。

栗林に工藤は劣等感を持っていた。

しかし、栗林はある日、突然消えた。

そして工藤が一番になったが人望もカリスマ性もない自分は成り上がる事だけを考えるようになった。

「中井！」

「は！」

工藤は、ロッカールームで仲間と談笑している中井の顔面を殴った。

「中井！核を落とすとは何事か？」

「しかし、工藤隊長が核を！」

工藤は、中井をまた殴り付けた。

「核は、最後の手段だ！分かったか？」

中井は、気絶した。

俺に人望もカリスマ性もいらない。暴力という恐怖で部下達を従えれば良いことだ。

「お前らも浮かれてないで周辺にある無人島に迎え！Neo妊娠条令軍を根絶やしにしろ！」

栗林、今は俺がトップだ。思い知れ。