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物語は続いていく
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コルチカム帝国からクォーツ帝国に帰ってからというもの、私はずっと派閥争いを治める方法について頭を悩ませていた。
この国の人々を見ながら考えたくて、城下町を見下ろせるバルコニーの椅子に座って考えていた。
綺麗で愛しいこの国の未来はいったいどうなって行くのだろう。
レイアの不安の種になっているものを私がどうにか出来るのだろうか。
それでも、大好きな物語とこの世界が、少しも傷がつかないで欲しいくらい、大切だった。
「ココ様、お身体を冷やしてしまいますよ。」
そう言って扉から出てきたのは、ユーリアだった。
「ユーリア…ねぇ一体、私に何ができるのかしら。こんなに頭を悩ませてみたって、どうせ変えられやしないのに。」
守ることなんて出来ないのに。
珍しく、ネガティブになる。
この世界に来てから、戸惑いと興奮で、突っ走っていたから、自分の感情に気づいていなかったのかもしれない。
「ココ様には、なんだって出来る気がします。」
「え?」
「ココ様と一緒に居ると、何でも叶えられる気がするんです。あなたになら、どんな事だって成し遂げてしまえるような気がする。」
私じゃなく、街を見下ろしながらユーリアは言った。
「ノア殿下に冷たい言葉を発した時も、兄さんに疑いの目を向けた時も、レイア様に敵対の感情を抱いていた時も、どんな時でも、あなたはこの国を大切そうに見守っていた。あなたの強い優しさに、もうこの国は守られているような気がしますよ。」
私の瞳を見つめながら優しそうに笑う。
見てくれている人もいたんだなってなんだか切ない気持ちになった。
そうだよ。
どうなったって結局この国は私にとって大切なものなんだ。
誰が見放したって私だけは見放したりしない。
ずっと大切にしてみせるから。
「ねえユーリア、お願いがあるの。」
彼の手の上からそっと手を重ねる。
ユーリアは、こくんと頷いて嬉しそうに笑った。
今日は国民に大きな発表をする日。
ドキドキする胸を押えて、彼らの後ろ姿を見つめた。
新聞で告知したため、城の前の広場では、多くの国民が集まっている。
「今日は私たちの話を聞きにこんなに集まってくれてありがとう。私、ユアンと、弟のノアから、皆に聞いてもらいたいことがあるんだ。」
広場を見渡せる広いバルコニーから、ユアン殿下が声を張り上げる。
国民達はざわざわとしていた声を抑えて静かに彼を見上げた。
「皆が今不安に思っていることがあることは分かっている。今日はそのことについて話そうと思う。」
ノア殿下も彼の隣に立って、国民を見回している。
「順当ならば私が次の国王になるべきであるのに、私の体が弱く皆に不安を掛けてしまうため、たくさんの懸念を抱かせてしまった。」
ユアン殿下がノア殿下を見つめる。
「ノアも悪い噂が絶えず、私とのその性格の差に皆は戸惑いが増え続けていたと思う。この不安を無くすために私たちの新しい形を発表させてもらう。…それが、2人の性格の違いを活かした政治である。」
彼が発表したものは、私が考えたものだった。
ユアンとノア2人は助け合うが、それぞれ自分の思うように世間と関わる。
国民の人気も高く信頼も厚い、ロシェルと、ユーリアがそれぞれ側近として、彼らに付き派閥を無くそうと動くのではなく、国民それぞれが、考えの違いで向き合う王太子殿下兄弟に意見したり、擁護したりする。
ただ仲がいいからでは出来ない、お互いが信頼しあっていた上で話し合えることが必要になってくる形だ。
発表をし終えると、しだいに国民からの拍手が大きくなった。
正直どうなるか分からないし、不安が大きいと思う。
それでも、彼らがこの国について真剣に考えてくれるのが嬉しかった。
「レイア、どう思う?これでよかったのかな。」
一緒に後ろで見守っていたレイアに聞く。
「分からない。でも、…あなたがいるなら、私はこの物語の続きを見たいって思ってしまったわ。」
楽しそうに笑うレイアを見て嬉しくなった。
この物語を一緒に完結に導く。
彼女にはそう言ったけど、物語の先は見えないほど遠い。
キラキラ輝いて見えるこの国でも、きっとこれからも不安は絶えないのだろう。
大好きなこの世界でどれだけのことをしていけるのだろう。
ノア殿下の隣に立っていたユーリアが戻ってくる。
「…ひと段落着きましたね。私がノア殿下の側近になって、もう少ししたらココ様は、ノア殿下の婚約者ではなくなる。そうしたら…私が傍で守っていたいもう1人の名前を呼んでもいいですか?」
真っ直ぐに瞳を見つめてくるユーリアに驚く。
隣で聞いていたレイアが楽しそうに笑った。
「…分かったわ。」
照れてそう言うと、彼が優しく笑った。
どうかこの物語が昔の私みたいな誰かの居場所になりますように。
そうなるように、私が導いてみせるから。
キラキラ輝く街を見つめて、1人でそう心に決めた。
この国の人々を見ながら考えたくて、城下町を見下ろせるバルコニーの椅子に座って考えていた。
綺麗で愛しいこの国の未来はいったいどうなって行くのだろう。
レイアの不安の種になっているものを私がどうにか出来るのだろうか。
それでも、大好きな物語とこの世界が、少しも傷がつかないで欲しいくらい、大切だった。
「ココ様、お身体を冷やしてしまいますよ。」
そう言って扉から出てきたのは、ユーリアだった。
「ユーリア…ねぇ一体、私に何ができるのかしら。こんなに頭を悩ませてみたって、どうせ変えられやしないのに。」
守ることなんて出来ないのに。
珍しく、ネガティブになる。
この世界に来てから、戸惑いと興奮で、突っ走っていたから、自分の感情に気づいていなかったのかもしれない。
「ココ様には、なんだって出来る気がします。」
「え?」
「ココ様と一緒に居ると、何でも叶えられる気がするんです。あなたになら、どんな事だって成し遂げてしまえるような気がする。」
私じゃなく、街を見下ろしながらユーリアは言った。
「ノア殿下に冷たい言葉を発した時も、兄さんに疑いの目を向けた時も、レイア様に敵対の感情を抱いていた時も、どんな時でも、あなたはこの国を大切そうに見守っていた。あなたの強い優しさに、もうこの国は守られているような気がしますよ。」
私の瞳を見つめながら優しそうに笑う。
見てくれている人もいたんだなってなんだか切ない気持ちになった。
そうだよ。
どうなったって結局この国は私にとって大切なものなんだ。
誰が見放したって私だけは見放したりしない。
ずっと大切にしてみせるから。
「ねえユーリア、お願いがあるの。」
彼の手の上からそっと手を重ねる。
ユーリアは、こくんと頷いて嬉しそうに笑った。
今日は国民に大きな発表をする日。
ドキドキする胸を押えて、彼らの後ろ姿を見つめた。
新聞で告知したため、城の前の広場では、多くの国民が集まっている。
「今日は私たちの話を聞きにこんなに集まってくれてありがとう。私、ユアンと、弟のノアから、皆に聞いてもらいたいことがあるんだ。」
広場を見渡せる広いバルコニーから、ユアン殿下が声を張り上げる。
国民達はざわざわとしていた声を抑えて静かに彼を見上げた。
「皆が今不安に思っていることがあることは分かっている。今日はそのことについて話そうと思う。」
ノア殿下も彼の隣に立って、国民を見回している。
「順当ならば私が次の国王になるべきであるのに、私の体が弱く皆に不安を掛けてしまうため、たくさんの懸念を抱かせてしまった。」
ユアン殿下がノア殿下を見つめる。
「ノアも悪い噂が絶えず、私とのその性格の差に皆は戸惑いが増え続けていたと思う。この不安を無くすために私たちの新しい形を発表させてもらう。…それが、2人の性格の違いを活かした政治である。」
彼が発表したものは、私が考えたものだった。
ユアンとノア2人は助け合うが、それぞれ自分の思うように世間と関わる。
国民の人気も高く信頼も厚い、ロシェルと、ユーリアがそれぞれ側近として、彼らに付き派閥を無くそうと動くのではなく、国民それぞれが、考えの違いで向き合う王太子殿下兄弟に意見したり、擁護したりする。
ただ仲がいいからでは出来ない、お互いが信頼しあっていた上で話し合えることが必要になってくる形だ。
発表をし終えると、しだいに国民からの拍手が大きくなった。
正直どうなるか分からないし、不安が大きいと思う。
それでも、彼らがこの国について真剣に考えてくれるのが嬉しかった。
「レイア、どう思う?これでよかったのかな。」
一緒に後ろで見守っていたレイアに聞く。
「分からない。でも、…あなたがいるなら、私はこの物語の続きを見たいって思ってしまったわ。」
楽しそうに笑うレイアを見て嬉しくなった。
この物語を一緒に完結に導く。
彼女にはそう言ったけど、物語の先は見えないほど遠い。
キラキラ輝いて見えるこの国でも、きっとこれからも不安は絶えないのだろう。
大好きなこの世界でどれだけのことをしていけるのだろう。
ノア殿下の隣に立っていたユーリアが戻ってくる。
「…ひと段落着きましたね。私がノア殿下の側近になって、もう少ししたらココ様は、ノア殿下の婚約者ではなくなる。そうしたら…私が傍で守っていたいもう1人の名前を呼んでもいいですか?」
真っ直ぐに瞳を見つめてくるユーリアに驚く。
隣で聞いていたレイアが楽しそうに笑った。
「…分かったわ。」
照れてそう言うと、彼が優しく笑った。
どうかこの物語が昔の私みたいな誰かの居場所になりますように。
そうなるように、私が導いてみせるから。
キラキラ輝く街を見つめて、1人でそう心に決めた。
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