不遇スキル「わらしべ長者」で殺せぬ勇者 〜魔力ゼロでも無双します〜

カジキカジキ

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スキルと魔法

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 さてと、スキルの検証や日常生活を送っている中で気になる事がもう一つ。

 それは魔法!

 父さんも母さんも、近所のお爺さんやお婆さんも、実は皆んな魔法が使えます。

 その魔法は『ぱいろっとらいと』、『うおっしゅ』、『ぶりーず』の三つ。
 基礎魔法と言われ、『種火』と『少しの水』と『そよ風』が出せる魔法。
 生活の中で広く役に立つと言う事で、生活魔法とも呼ばれている。

 生活魔法は、スキルを授かった三年後の十三歳になったらまた教会で授けて貰えるんだけれど、それまでに教会の学校で生活魔法の使い方と危険を教えて貰う事になる。

 生活魔法と言っても、魔法だから使い方によって人に危害を与えるし、命の危険だってあるかも知れない。
 ずっと昔に魔法で怪我をしたり亡くなる人がいたから、教会の学校で教えるようになったのだと神父様が教えてくれた。

 小さな子でも、ほぼ毎日詠唱を聞いて育っているからね。
 家で、家族の詠唱を覚えて真似している小さな子どもが、『うおしゅ』とか『ぱいおっとあいと』とか言って遊んでいるもん。
 けれども、十三歳になって教会で基礎魔法を授けて貰わないと魔法は発動しない。

 今から三年待つのは長いけれど、唯一例外があるのがスキルで授かった魔法の場合。

 スキルの中でも特に重用されるのは『勇者』『聖女』『聖騎士』『大魔法使い』『魔法使い』で次に『重戦士』や『守護者』、この辺のスキルにはスキルに応じた魔法が元から使えるとされていて、スキルを授かった後に頭の中に使い方が思い浮かぶそうだ。

 まあ、そんなスキルを得られるのはほんの一部で、大半は『料理人』や『商人』、『剣士』『頑丈』とかなんだけど。

 まあ僕のスキル『わらしべ長者』では魔法使えなかったけどね……。

 と言う事で、教会の学校へ通いながらの三年間を有意義に過ごす為に色々考えた。

 一、体力作り。
 背が低い事が僕のコンプレックスなんだけど、体力を付けてご飯をたくさん食べれば大きくなる。と言われたので、毎日走る事にした。

 二、スキルを使い慣れる。
 『わらしべ長者』はアレだけど、付随した機能の多重発動と収納はすごく使える。なので、突発的にも使えるように毎日使って訓練する。

 三、イヅミ
 イヅミは、普段は猫の姿で過ごしていて、ご飯も食べるし一緒に寝たりするのでスキルの機能である事を忘れがちになる。それでも二本足で立ったり、頭の中で話したり、時々人の姿になってみたり、イヅミの機能も全てが分かっている訳ではないので、その辺も知っていこうと思っている。

 四、冒険者になる。
 十三歳になって、教会での勉強が終わり、魔法が使えるようになったら、僕は町を出て冒険者になる!

 五、勇者になる。
 冒険者になって国中を周り、色々な経験を積んで、最終目標は『勇者』になる事!

 スキルが『勇者』じゃないのにどうやって『勇者』になるのかだって?

 それは……これから冒険者になって国中を周りながら考えます。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 あとがき

 生活魔法と言っても使い方を間違えると事故に繋がりますからね。子供たちは学校でしっかり教わってから魔法を使えるようになります。

 次回、ついに三年が経ちアベルは冒険者になる為に町を出ます。
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