勇者の生還

けい

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決着

手術2

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点滴の管から、ゆっくりと麻酔が落ちていく。

透明な液が一滴ずつ、規則正しく流れていた。

ベッドの上のリオは、はじめこそ呼吸が少し荒かったが、やがてまぶたが重く閉じていく。

「……」

小さく息を吐き、完全に力が抜けた。

深い眠りに入ったのを確認すると、デスティニオは腕を組んでしばらく観察する。

呼吸。
脈。
顔色。

医学書に書かれていた通りかを、慎重に確かめる。

「……問題ない」

静かに呟いた。

次に、机の上に用意していた器具を手に取る。

人間の医療で使う道具。
王都で手に入れたものだった。

デスティニオは清潔な布を取り、リオのペニスを丁寧に包みながら準備する。

眠っているリオの様子をもう一度確認し、慎重に作業を始めた。

布で支えながら、ゆっくりと管を進めていく。

そのとき――

リオの体が、びくりと小さく反応した。

デスティニオはすぐに手を止める。

「……」

しばらく様子を見る。

呼吸は落ち着いている。

再び、より慎重に進めた。

傷つけないよう、角度を確かめながら、ゆっくりと。

やがて管は正しい位置に収まった。

「……よし」

小さく息を吐く。

次にデスティニオは、もう一つの器具を手に取った。

呼吸を助けるための装置だ。

王都で手に入れたものの一つだった。

人間の体は、手術中に呼吸が弱くなることがある――
そう本には書かれていた。

透明なカップを、リオの口元へ当てる。

そして柔らかなゴムで固定する。

空気がゆっくりと送られる。

魔王はしばらくその様子を見つめた。

胸が規則的に上下している。

「……問題ない」

低く呟く。

研究室の灯りの下で、すべての準備が整っていく。

そしてデスティニオは、机の上に並べた手術の道具へ静かに手を伸ばした。
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