落ちこぼれ一兵卒が転生してから大活躍

きこうダきこう

文字の大きさ
169 / 224
第24章 王国騎士団

第169話 休日~デート?~

しおりを挟む
 翌朝昨日の疲れから僕も兄ちゃんもやや遅く起き、身支度を整えた後「んじゃあ行くか!」「うん!」お姉ちゃんとの待ち合わせ場所に向かった。

 宿舎を出たところで「兄ちゃん、あの人って?」「ん?」僕が見掛けた人について兄ちゃんに尋ねた。

 そこにはパーシバル団長と女性の人が仲良く並んで歩いている姿があった。

「あぁ、あの人はパーシバル団長の許嫁で第1王女のマリア様だよ」「第1王女、ってことは?」「そう。ジェシー王女様のお姉さんだよ」「そっかぁ」初めてお会いしたから知らなかったんだ。

 そう思いつつもう1つ驚いた事について尋ねた。「って、許嫁ぇ!? 団長の?」「別に驚く事も無いだろ。お前も知っての通り団長は王都内の最大貴族クンツェン家の長男なんだから、王家の人と結ばせようと考えてもおかしくは無いだろ?」「あぁ。まぁ、確かに」

「それに、見ての通り今ではあんなにも本当に仲良くなられたんだからなぁ」「確かにそうだね」と暫くお二人を見つめた後改めて待ち合わせ場所に向かった。

「ん?」パーシバル団長も僕達二人の存在に気付き、(彼らも出掛けるのか)と思っていたら、「あの二人がどうかしたの? パーシバル」マリア王女が尋ねた。

「ん? あぁ、ちょっとな。今一番期待している二人だからな」「そうなんだ。一人は確か去年からいるアッシュって子だったわよね? もう一人は今年入団した子?」

「そう。彼がレックス君だよ」「レックス? ······あっ! もしかして······」

「そう。君の妹君の恩人であり、噂の彼だよ」「彼がそうだったんだ。······フフッ。確かにあの子が心惹かれた理由が分かる気がするわ」

「そうなのか?」「ええ。何となく雰囲気があの娘が気に入りそうな感じに思えて」「そうか」と言ってまた歩き始めた。


 一方僕達は街に出てお姉ちゃんとの待ち合わせ場所の広場に向かっていた。そして広場に近付いた所でお姉ちゃんを兄ちゃんがまず見掛けたので「おーい、メリッサー!」とお姉ちゃんに呼び掛けた。

 お姉ちゃんもその声で兄ちゃんに気付き、僕も一緒だと分かったが構わないと言わんばかりに笑顔で手を振ってきた。

「待たせたか?」「ううん。レックス君も一緒に来たんだ」「兄ちゃんに誘われてね」「そうなんだ」と言って笑顔になった。  

「んじゃ、行くか!」兄ちゃんの掛け声でその場を後にした。そしてその後は王都を散策したり、色々なお店で必要な物を買い物したりしながら最近の僕達、とりわけ僕の騎士団内での事やお姉ちゃんならびに孤児院の事についてお互い話したのだった······。

 そうして少し早めのお昼を食べながら、話題は先日の僕達の対決の事となった。

「そうなんだ! レックス君、アッシュとの対決に勝ったんだ」「うん。がむしゃらに攻撃し続けて何とかね」「凄いじゃない!」「ホントにあの時は『積年の恨み』何て言いながら、バカでかい技を浴びせてきやがったんだからなぁ」

「フフッ。でもアッシュも安心したんじゃない?」「安心って?」「それだけレックス君が強くなったんだから、自分が近くにいなくてもちょっとやそっとじゃあ死ぬ事も回避出来る可能性が出てきてよ」

「あっ」「かもしれないな。でも、これまでレックスには本当に色々助けられてばかりなんだから、その時には今度は俺がコイツを絶対に守ってやりたいんだ」

「兄ちゃん」と言ったところで、「さてと、んじゃあ俺は先に帰るから」「えっ、もう帰るの?」「これから団長や教官と”編成会議“何だよ。一応だからな、俺も」「あっ」そうだった。

「まっ、おまえはもう少しゆっくりして行けや。じゃあな、メリッサ」「うん。じゃあね」と言って兄ちゃんは本部に帰った。

「でも、養成学校時代と同じでやっぱりレックス君が近くにいるようになった事が本当に嬉しいみたい、アッシュは」「そうなの?」

「うん! 去年もレックス君が騎士団からの依頼を受けてからは会う度に必ずレックス君の話題を少なからずするようになったから」「へぇ、知らなかった」

「それだけ、やっぱりアッシュにとってレックス君は私とは違う意味で大切な存在なのかもしれないわね」「うん。そうだね」お姉ちゃんからそう言われ改めて僕もそう実感したのだった。

 また今のお姉ちゃんとの会話からふと気になる事を思い出し「ところで、あれからジェシーとのやり取りはどうなったの?」と聞いた。

「早速あれからすぐに配給品も色んな種類に変わったし、極たまにだけど子供達におやつが配られるようにもなったわ」「そうなんだ!」

「うん。それからも神父様と話し合いをなされて色々な要望を聞いてお城に持ち帰って、出来る事はすぐに行って頂いているわ」「ジェシーも頑張ってるんだ」

「うん。······『誰かも頑張っているんだから、私も頑張らないと』って言ってたし」「えっ?」突然お姉ちゃんからそう言われ驚いた。

「フフッ。驚いた?」「い、いきなり言うんだもん」「でも、本当にその気持ちがジェシーちゃんの原動力になってるみたいよ」「そうなんだ。······だけど」「だけど?」

「たまたま今朝パーシバル団長とその許婚でジェシーのお姉さんのマリア王女様を見掛けたんだけど、仲良く歩いている姿を見て流石は王都最大貴族の長男と第1王女様との関係だなぁって思ったんだ。それを見てたら改めて村出身のと王女様ってどうなんだろうと思って」「レックス君」お姉ちゃんも暗い雰囲気になった。 

「養成学校時代の時はああ言ったけど、実際騎士団に入団したらやっぱり王族との関係は意識しちゃうんだよね」と言ったら、「確かに、その気持ちも必要かもしれないわね」「えっ?」「当然、公の場ではジェシーちゃんとの付き合い方も考える必要はあるかもしれないけど、2人っきりとかになった時には恋人の関係で付き合えば良いんじゃないかしら?」「それは、そうかもしれないけど」

「それに、もうレックス君とジェシーちゃんとの関係はお城の人達も知ってるんじゃない?」「まぁ、確かに」

「だから、そこまで気にする事も無いんじゃないかしら? ひょっとしたら2人の事を応援してくれる人も出てくるかもしれないし」「······そうだね。ありがとう、お姉ちゃん」

「ううん、いいのよ。私だってのアッシュと恋人になってるんだから」「あぁ。確かにそうだね」「でしょ?」そこまで言って2人して笑い合った。

 そしてお姉ちゃんが「それで、これからどうする?」この後の予定を聞いてきた。

「うーん、これといって特に行きたい所もやりたい事も無いから······やっぱしかないか」「あそこ? ······もしかして?」「そっ、あそこ」

 ということで、「ワー!」「まてー!」特に授業も用事も無い事もあって時間の許す限り孤児院の子供達と遊んだのだった······。


 その頃パーシバルと別れてお城に戻って来たマリアは······。

 コンッ、コンッ!「ジェシー、入って良い?」「っ! 良いですよ、お姉様」ジェシーの部屋を訪れたマリアは許可を得て中に入った。

 中ではジェシーがジニー神父から聞いた要望などを書きまとめた書類を見ていた。

「どうしたんですか? 突然部屋を訪れるなんて」「今日パーシバルに会いに行った時噂の彼を見掛けたものだから」「噂の彼? ってまさか、レックスに!?」

「ええ、チラッと見ただけだったけど、それだけであなたが心惹かれた理由が何となく分かった気がしたわ」「そう何ですか?」

「うん。雰囲気があなたの好きな感じに思えたから。それに、お父様もあなたの怪我の事を除いても気に入って下さりそうな方だなぁって思えたし」「そこまで言って下さるなんて」

「だからあなたもお父様から任命されたその公務を一生懸命に頑張ってるんでしょ? 彼が関係しているから」「そ、そんなつもりで行ってるわけじゃあ······」

「いいのよ、照れなくても。私も最初は両家の政略上の都合でパーシバルと付き合ったんだけど、今では本当に彼を好きになって、彼の騎士団での活動のお役に立つように内政業務の補佐を頑張ってるんだから」「お姉様」

 そこでマリアはジェシーの肩に手を置き、「これからも頑張ってね。私も応援してるから」「はい!」と言ってマリアは部屋を出て行った。

 マリアが出て行った後ジェシーはベアーズを抱き上げ「良かったわね、ベアーズ。レックスとの事を応援してくれる人が増えて」と話し掛けたら、ベアーズも笑顔を見せて首を縦に振ったのだった。

 こうしてメリッサの言った通り、レックスの知らない所でまた1人レックスとメリッサの仲を応援してくれる人が増えたのだった······。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記  大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。 それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。  生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、 まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。  しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。 無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。 これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?  依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、 いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。 誰かこの悪循環、何とかして! まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて

SE転職。~妹よ。兄さん、しばらく、出張先(異世界)から帰れそうにない~

しばたろう
ファンタジー
ブラック企業で倒れたSEが、 目を覚ますと――そこは異世界だった。 賑やかなギルド、個性豊かな仲間たち、 そして「魔法」という名のシステム。 元エンジニアの知識と根性で、男は再び“仕事”を始める。 一方、現実世界では、 兄の意識が戻らぬまま、妹が孤独と絶望の中で抗っていた。 それでも彼女は、心ある人々に支えられながら、 科学と祈りを武器に、兄を救う道を探し続ける。 二つの世界を隔てる“システム”の謎が、やがて兄妹を結びつける。 異世界と現実が交錯するとき、物語は再起動する――。 《「小説家になろう」にも投稿しています》

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ
ファンタジー
ダンジョンができて十年。年金の足しにダンジョンに通ってます。田中優子61歳

スローライフ 転生したら竜騎士に?

梨香
ファンタジー
『田舎でスローライフをしたい』バカップルの死神に前世の記憶を消去ミスされて赤ちゃんとして転生したユーリは竜を見て異世界だと知る。農家の娘としての生活に不満は無かったが、両親には秘密がありそうだ。魔法が存在する世界だが、普通の農民は狼と話したりしないし、農家の女将さんは植物に働きかけない。ユーリは両親から魔力を受け継いでいた。竜のイリスと絆を結んだユーリは竜騎士を目指す。竜騎士修行や前世の知識を生かして物を売り出したり、忙しいユーリは恋には奥手。スローライフとはかけ離れた人生をおくります。   

処理中です...