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第25章 大奮闘
第197話 避難拠点づくり6~VSキャプテンホーネッツ~
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船に乗って輝石を取りに行くためお城を出た後港に向かいながら、「まさかまたマールと一緒に行動をする事になるなんて驚いたよ」「フフッ。ある理由であそこの洞窟に行く時は私が必ず同行する事になっているの」
「ある理由?」「それは直分かるわ。アッシュさん、港に行く前にちょっと寄り道させてもらいますね?」「あぁ。構わないよ」兄ちゃんが答えた後、マールは他の同行する男の兵士さん達に船で待機するよう伝え、目的地に向かった。
着いた場所は港近くの浜辺であった。「ここって······」何となくマーシュ以外の僕達は見覚えがあった。直後、「あ、おーい!」マールが前方にいる相手に声を掛けた。その相手とは······。
「おい、あれって?」「ま、まさか······」「「ブ、ブラックスコーピオン!?」」だったのだ。
そう、僕達が連れてこられたのは以前僕達も関わったブラックスコーピオン討伐依頼のギルドクエスト終了後、ブラックスコーピオン達へ明け渡した彼らの生活場所であった。
そのブラックスコーピオンの1匹にマールが普通に駆け寄り、「またあそこへ急に行くようになったから、一緒に来てくれる?」と頼むとそのブラックスコーピオンは頷いてマールの後ろに付いて来た。
「お待たせ」「マ、マール。そのブラックスコーピオンは?」「船の上で説明するわ。今は取り敢えず行きましょ!」とマールに言われて僕達は船に向かった。
港に着いたら既に船の準備が出来ていたので僕達が乗り込んですぐ出発した。船が出発した後マールからブラックスコーピオンの事が説明された。
マールによると、僕達が養成学校3年生になったばかりの頃にそれまで輝石が取れていた所から輝石が取れなくなってしまったとの事だ。
それで他に輝石が取れる場所を探していたところ、これから向かう岬の洞窟で昔採取していた事が分かり、調査しに向かったら洞窟には様々なサソリ型の魔物が生息していて調査出来なかったようだ。
どうしたものかと守備隊長さんがブラックスコーピオンらに相談しに行ったところ、その内の1匹 (恐らく彼らのリーダー格)が付いて来てくれ、洞窟内の魔物達を説得したら何と通してくれたのだった。
そして奥に向かったら輝石が大量にあちらこちらに埋まっているのを発見したとの事だ。その時はその輝石をそこそこ採取して帰る事にしたようだ。
少しして再び洞窟を訪れたら前回採取した場所に再び輝石が埋まっていたのに驚き、以降はその洞窟から採取する事にしたのだという。
但し、ブラックスコーピオンが一緒でないと通してくれないため、ブラックスコーピオンにも同行してもらう事となったとの事だ。
「そうだったんだ」説明を聞いて僕達は唯唯驚くばかりであった。「それで私もお城勤めになって初めて洞窟に同行する事になった際ブラックスコーピオンを迎えに行った時、この子が私に近寄って来て一緒に付いて来てくれて、以降は私が必ず同行する事になったのよ」
「どうしてその子はマールに寄って来たの?」「多分、あの時私がこの子を手当てしたからだと思うわ」「覚えてるの!?」
「私も最初は分からなかったけど、この額の傷を見て思い出したの」「そうなんだ」「うん!」マールから色々説明を聞き僕達は全員納得したのであった。
暫くして目的の岬近くの船を止められる所で船から降り、洞窟まで歩いて向かう事にした。
少し歩いたところでマールが「あの洞窟の奥です」と伝えてきた。目的地が見えてきて僕達も気持ちが安堵した。
しかし、洞窟に入るや否や「あれ?」とマールは足を止めた。「どうしたの? マール」「いつもはこの辺りに1、2匹はいるんだけど、変だなぁ」魔物が1体もいない事を不思議がった。
僕達も周りを見渡して見たが何かがいる様子はなかった。しかしその時、(っ!)僕は何か嫌な気配を感じ取った。
そのためすぐ集中スキルを発動させた。すると洞窟の奥の方からただならぬ邪悪な気配を感知したのだ。
そのためすぐに「皆! 奥に邪悪な気配をまとった何かがいるよ!」と皆に伝えた。
僕の警告を聞いて兄ちゃん達やマールらは戦闘態勢に入った。
その直後、「ほぅ。我が気配を感じられる者がいようとはな」という声が聞こえ、何かが近付いてくる足音が聞こえた。
そして、「成る程、海人族だけでなくヒト族も一緒であったか、すると······」そこでようやく相手の姿が見え、その姿は全体がガイコツ姿でマントを羽織り帽子をかぶった姿だった。
そいつは僕の方を見て、手に聖なる短剣を握っているのを確認すると「貴様がハイオーガキングやフレイムリザードを倒した奴か」と言ってきた。
(な、なぜその事を? まさかコイツも······)と思っていたら「お前は何者だ!」と兄ちゃんが相手に向かって叫んだ。
「フッフッフ。我が名はキャプテンホーネッツ。ハイオーガキング同様魔王様配下の1人だ!」と答えた。
「「なっ!?」」やはりと思っていたが、魔王の配下の1人だったか。
「その魔王の配下のお前がなぜここにいる!」「魔王様よりこの海人族領土を掌握するよう仰せつかってな。それでこの領土の辺境地に腰を下ろし、ここから徐々に侵攻してやろうと思ったまでだ」「そういう事か」
「なら、ここにいた皆はどうしたの!」マールが尋ねたら、「皆? あぁ、あのうじゃうじゃと鬱陶しかった奴らか。あいつらなら全員で仲良く暮らしているだろう。"空の上で"な」「「なっ!」」つまり、皆殺ししたっていうのか。
「そ、そんな······」流石にマールはキャプテンホーネッツの言葉を聞いて落胆した。
「クックックッ。そんなに落ち込む必要はありませんよ、お嬢さん」「え?」「なぜなら······」そう言うとキャプテンホーネッツは羽織っていたマントを脱ぎ捨て、「今からお前達も同じところに向かうんだからなぁ!!」そう言ってキャプテンホーネッツは僕達に向かってきた。
「レックス!」「分かった!」兄ちゃんの言いたい事(弱点を探れ)を汲み取り、僕はキャプテンホーネッツから少し離れて弱点を探りだし、残りの兄ちゃん達とマール達でキャプテンホーネッツを囲み相手をしだした。
兄ちゃん達がキャプテンホーネッツを相手にしだして少ししてから「兄ちゃん、奴の弱点は左目だよ!」「分かった!」弱点が分かって兄ちゃんに伝えた。
「チッ、やはりバレたか。まぁ良い」と言ってキャプテンホーネッツは兄ちゃんらから距離をとると「そう簡単に殺られるつもりはないのだからな。殺れっ、者共!」と叫び、その声に呼応するかのように奥の方から多くの足音が聞こえてきた。
そして姿を現したのは十何体ものガイコツの戦士達であった。「奴の手下かっ!」「どうしやす? アッシュさん!」「まずはコイツらを片付けるぞ!」「「了解!」」「「はい!」」兄ちゃんの指示に従い全員でガイコツ戦士達を相手にしだした。
しかし、ズバッ! ボコッ! グサッ! カラカラカラとそれぞれ戦士達を倒したのだが、直後スゥーっと倒したはずの戦士達の体が元に戻りだしたのだった。
「何っ!?」「無駄だ! そいつらは我輩を倒さぬ限り何度でも蘇るのだ!」「そ、そんな」こんな奴らとどう戦えば······と思っていたら、「レックス! あれの発動準備をするんだ!」
「えっ、でも」(こんな狭いところであれを発動したら)と思っていたら「コイツらを何とかするにはもうあれしかねぇ! 早くしろ!」「わ、分かった!」
兄ちゃんにはやし立てられたこともあって僕はすぐに"エアーブロウ"の発動準備に入った。その間兄ちゃん達はガイコツ戦士達の相手をしつつ、散らばらないように注意を払った。
そして「兄ちゃん!」僕が準備出来た事を伝えると「全員離れろ!」兄ちゃんの合図で全員がガイコツ戦士らから離れ、直後僕がスキル"エアーブロウ"を放った。
「何っ!?」突然の僕からの攻撃にキャプテンホーネッツも驚き、「ヌ、ヌォーーーッ!」またエアーブロウの威力に抗えずガイコツ戦士ら共々洞窟の奥へ吹き飛ばされたのだった。
一連の出来事を見届けた皆は「や、やったー!」と喜んだが、「まだだ!」と兄ちゃんが制した。
「ま、まだだってアッシュさん?」「まだ倒せて無いって言うんですか?」
フレッドさんとボブさんが尋ねると「少なくともキャプテンホーネッツはまだ倒せて無いはずだ」「「そ、そんなぁ」」
「僕もそう思う」「レ、レックス君まで」「さっきの奴の吹き飛ばされる様子を見てると、致命傷を負わせたとは思えません」「あぁ、その通りだ。全員、まだ気を緩めるな!」兄ちゃんの言葉で全員が再び集中しだした。
するとやはり洞窟の奥から「まさかあのような攻撃を仕掛けてこようとはな」と言いながらキャプテンホーネッツが再び姿を現した。
「お陰で我が配下の者達は全滅してしまったわ」とぼやきつつ、「その分こちらもお返しをしなければなぁ!」と言って今度はフック型の鉤爪を装着した方の手を僕らに向けて突っ込んで来た。
その攻撃は兄ちゃんが何とか受け止めてくれたが、「(ハッ!)」その際何かに驚きすぐ体を引き離し、「気を付けろ! あの鉤爪には毒が塗られているぞ!」「「ええっ!?」」流石に毒と聞いて全員が驚いた。
「その通り。吹き飛ばされた先でこれをはめる際に塗っておいたのだよ」何て奴だ。「さぁ、いつまで避けられるかな!」と再び僕らに向かって来た。
しかし毒が塗られていると分かっているだけに迂闊に近付けないため思うように攻撃出来ないでいた。
その時、「きゃあ!」「マール!」何とマールが足を滑らせ転んでしまったのだ。
それを見たキャプテンホーネッツはチャンスと言わんばかりに「まずは1人目!」と狙いをマールに絞って突っ込んだ。
「しまった!」運悪くマールの傍には誰もいないため奴の突撃を防ぐ事が出来なかった。そして鉤爪を装着した手を振り上げ「死ねぇ!」とマールに迫ろうとしたその時······。
シュル! シュル! 何と突然近くの海面から何かの触手が2本現れ、キャプテンホーネッツの鉤爪を装着した方の手と首に巻き付いたのだった。
「な、何だぁ!?」突然の事にキャプテンホーネッツも対応出来ず、そのまま2本の触手に2ヶ所が締め付けられたのだった。
「く、く苦しぃ」流石に首を締め付けられ苦しそうにしていた。そんな様子を呆然と見ていた僕達の中で真っ先に我に返った僕が(今なら!)と思って聖なる短剣を両手で握り奴の弱点の左目に向かった。
「くらえーーっ!」「!!」僕に気付いたキャプテンホーネッツだが何もできず、ついに奴の左目へ攻撃を浴びせれたのだった。
直後触手から解放されるも、「グ、グォーーッ!」と苦しむ雄叫びを上げながらその場に崩れ落ち、「お、お、おのれぇーーっ!」最後の言葉を残してキャプテンホーネッツは消滅した。
その一部始終を見て兄ちゃんがようやく「お、終わった、か」と言ったのを皮切りに「「ハァー」」全員の緊張感が解けたのだった。
その直後マールが「レックス、ありがとう」とお礼を言ってきて僕も「ううん、良いんだよ」と伝えた。
それから「だけど、さっきの触手は一体······」先ほどキャプテンホーネッツを締め付けた触手が現れた海面を見つめた。
「確かに、ありゃあ一体······」と兄ちゃんが言いかけたところで、ザバァーッ! 先ほどの触手の主である"クラーケン"が姿を現したのだった······。
「ある理由?」「それは直分かるわ。アッシュさん、港に行く前にちょっと寄り道させてもらいますね?」「あぁ。構わないよ」兄ちゃんが答えた後、マールは他の同行する男の兵士さん達に船で待機するよう伝え、目的地に向かった。
着いた場所は港近くの浜辺であった。「ここって······」何となくマーシュ以外の僕達は見覚えがあった。直後、「あ、おーい!」マールが前方にいる相手に声を掛けた。その相手とは······。
「おい、あれって?」「ま、まさか······」「「ブ、ブラックスコーピオン!?」」だったのだ。
そう、僕達が連れてこられたのは以前僕達も関わったブラックスコーピオン討伐依頼のギルドクエスト終了後、ブラックスコーピオン達へ明け渡した彼らの生活場所であった。
そのブラックスコーピオンの1匹にマールが普通に駆け寄り、「またあそこへ急に行くようになったから、一緒に来てくれる?」と頼むとそのブラックスコーピオンは頷いてマールの後ろに付いて来た。
「お待たせ」「マ、マール。そのブラックスコーピオンは?」「船の上で説明するわ。今は取り敢えず行きましょ!」とマールに言われて僕達は船に向かった。
港に着いたら既に船の準備が出来ていたので僕達が乗り込んですぐ出発した。船が出発した後マールからブラックスコーピオンの事が説明された。
マールによると、僕達が養成学校3年生になったばかりの頃にそれまで輝石が取れていた所から輝石が取れなくなってしまったとの事だ。
それで他に輝石が取れる場所を探していたところ、これから向かう岬の洞窟で昔採取していた事が分かり、調査しに向かったら洞窟には様々なサソリ型の魔物が生息していて調査出来なかったようだ。
どうしたものかと守備隊長さんがブラックスコーピオンらに相談しに行ったところ、その内の1匹 (恐らく彼らのリーダー格)が付いて来てくれ、洞窟内の魔物達を説得したら何と通してくれたのだった。
そして奥に向かったら輝石が大量にあちらこちらに埋まっているのを発見したとの事だ。その時はその輝石をそこそこ採取して帰る事にしたようだ。
少しして再び洞窟を訪れたら前回採取した場所に再び輝石が埋まっていたのに驚き、以降はその洞窟から採取する事にしたのだという。
但し、ブラックスコーピオンが一緒でないと通してくれないため、ブラックスコーピオンにも同行してもらう事となったとの事だ。
「そうだったんだ」説明を聞いて僕達は唯唯驚くばかりであった。「それで私もお城勤めになって初めて洞窟に同行する事になった際ブラックスコーピオンを迎えに行った時、この子が私に近寄って来て一緒に付いて来てくれて、以降は私が必ず同行する事になったのよ」
「どうしてその子はマールに寄って来たの?」「多分、あの時私がこの子を手当てしたからだと思うわ」「覚えてるの!?」
「私も最初は分からなかったけど、この額の傷を見て思い出したの」「そうなんだ」「うん!」マールから色々説明を聞き僕達は全員納得したのであった。
暫くして目的の岬近くの船を止められる所で船から降り、洞窟まで歩いて向かう事にした。
少し歩いたところでマールが「あの洞窟の奥です」と伝えてきた。目的地が見えてきて僕達も気持ちが安堵した。
しかし、洞窟に入るや否や「あれ?」とマールは足を止めた。「どうしたの? マール」「いつもはこの辺りに1、2匹はいるんだけど、変だなぁ」魔物が1体もいない事を不思議がった。
僕達も周りを見渡して見たが何かがいる様子はなかった。しかしその時、(っ!)僕は何か嫌な気配を感じ取った。
そのためすぐ集中スキルを発動させた。すると洞窟の奥の方からただならぬ邪悪な気配を感知したのだ。
そのためすぐに「皆! 奥に邪悪な気配をまとった何かがいるよ!」と皆に伝えた。
僕の警告を聞いて兄ちゃん達やマールらは戦闘態勢に入った。
その直後、「ほぅ。我が気配を感じられる者がいようとはな」という声が聞こえ、何かが近付いてくる足音が聞こえた。
そして、「成る程、海人族だけでなくヒト族も一緒であったか、すると······」そこでようやく相手の姿が見え、その姿は全体がガイコツ姿でマントを羽織り帽子をかぶった姿だった。
そいつは僕の方を見て、手に聖なる短剣を握っているのを確認すると「貴様がハイオーガキングやフレイムリザードを倒した奴か」と言ってきた。
(な、なぜその事を? まさかコイツも······)と思っていたら「お前は何者だ!」と兄ちゃんが相手に向かって叫んだ。
「フッフッフ。我が名はキャプテンホーネッツ。ハイオーガキング同様魔王様配下の1人だ!」と答えた。
「「なっ!?」」やはりと思っていたが、魔王の配下の1人だったか。
「その魔王の配下のお前がなぜここにいる!」「魔王様よりこの海人族領土を掌握するよう仰せつかってな。それでこの領土の辺境地に腰を下ろし、ここから徐々に侵攻してやろうと思ったまでだ」「そういう事か」
「なら、ここにいた皆はどうしたの!」マールが尋ねたら、「皆? あぁ、あのうじゃうじゃと鬱陶しかった奴らか。あいつらなら全員で仲良く暮らしているだろう。"空の上で"な」「「なっ!」」つまり、皆殺ししたっていうのか。
「そ、そんな······」流石にマールはキャプテンホーネッツの言葉を聞いて落胆した。
「クックックッ。そんなに落ち込む必要はありませんよ、お嬢さん」「え?」「なぜなら······」そう言うとキャプテンホーネッツは羽織っていたマントを脱ぎ捨て、「今からお前達も同じところに向かうんだからなぁ!!」そう言ってキャプテンホーネッツは僕達に向かってきた。
「レックス!」「分かった!」兄ちゃんの言いたい事(弱点を探れ)を汲み取り、僕はキャプテンホーネッツから少し離れて弱点を探りだし、残りの兄ちゃん達とマール達でキャプテンホーネッツを囲み相手をしだした。
兄ちゃん達がキャプテンホーネッツを相手にしだして少ししてから「兄ちゃん、奴の弱点は左目だよ!」「分かった!」弱点が分かって兄ちゃんに伝えた。
「チッ、やはりバレたか。まぁ良い」と言ってキャプテンホーネッツは兄ちゃんらから距離をとると「そう簡単に殺られるつもりはないのだからな。殺れっ、者共!」と叫び、その声に呼応するかのように奥の方から多くの足音が聞こえてきた。
そして姿を現したのは十何体ものガイコツの戦士達であった。「奴の手下かっ!」「どうしやす? アッシュさん!」「まずはコイツらを片付けるぞ!」「「了解!」」「「はい!」」兄ちゃんの指示に従い全員でガイコツ戦士達を相手にしだした。
しかし、ズバッ! ボコッ! グサッ! カラカラカラとそれぞれ戦士達を倒したのだが、直後スゥーっと倒したはずの戦士達の体が元に戻りだしたのだった。
「何っ!?」「無駄だ! そいつらは我輩を倒さぬ限り何度でも蘇るのだ!」「そ、そんな」こんな奴らとどう戦えば······と思っていたら、「レックス! あれの発動準備をするんだ!」
「えっ、でも」(こんな狭いところであれを発動したら)と思っていたら「コイツらを何とかするにはもうあれしかねぇ! 早くしろ!」「わ、分かった!」
兄ちゃんにはやし立てられたこともあって僕はすぐに"エアーブロウ"の発動準備に入った。その間兄ちゃん達はガイコツ戦士達の相手をしつつ、散らばらないように注意を払った。
そして「兄ちゃん!」僕が準備出来た事を伝えると「全員離れろ!」兄ちゃんの合図で全員がガイコツ戦士らから離れ、直後僕がスキル"エアーブロウ"を放った。
「何っ!?」突然の僕からの攻撃にキャプテンホーネッツも驚き、「ヌ、ヌォーーーッ!」またエアーブロウの威力に抗えずガイコツ戦士ら共々洞窟の奥へ吹き飛ばされたのだった。
一連の出来事を見届けた皆は「や、やったー!」と喜んだが、「まだだ!」と兄ちゃんが制した。
「ま、まだだってアッシュさん?」「まだ倒せて無いって言うんですか?」
フレッドさんとボブさんが尋ねると「少なくともキャプテンホーネッツはまだ倒せて無いはずだ」「「そ、そんなぁ」」
「僕もそう思う」「レ、レックス君まで」「さっきの奴の吹き飛ばされる様子を見てると、致命傷を負わせたとは思えません」「あぁ、その通りだ。全員、まだ気を緩めるな!」兄ちゃんの言葉で全員が再び集中しだした。
するとやはり洞窟の奥から「まさかあのような攻撃を仕掛けてこようとはな」と言いながらキャプテンホーネッツが再び姿を現した。
「お陰で我が配下の者達は全滅してしまったわ」とぼやきつつ、「その分こちらもお返しをしなければなぁ!」と言って今度はフック型の鉤爪を装着した方の手を僕らに向けて突っ込んで来た。
その攻撃は兄ちゃんが何とか受け止めてくれたが、「(ハッ!)」その際何かに驚きすぐ体を引き離し、「気を付けろ! あの鉤爪には毒が塗られているぞ!」「「ええっ!?」」流石に毒と聞いて全員が驚いた。
「その通り。吹き飛ばされた先でこれをはめる際に塗っておいたのだよ」何て奴だ。「さぁ、いつまで避けられるかな!」と再び僕らに向かって来た。
しかし毒が塗られていると分かっているだけに迂闊に近付けないため思うように攻撃出来ないでいた。
その時、「きゃあ!」「マール!」何とマールが足を滑らせ転んでしまったのだ。
それを見たキャプテンホーネッツはチャンスと言わんばかりに「まずは1人目!」と狙いをマールに絞って突っ込んだ。
「しまった!」運悪くマールの傍には誰もいないため奴の突撃を防ぐ事が出来なかった。そして鉤爪を装着した手を振り上げ「死ねぇ!」とマールに迫ろうとしたその時······。
シュル! シュル! 何と突然近くの海面から何かの触手が2本現れ、キャプテンホーネッツの鉤爪を装着した方の手と首に巻き付いたのだった。
「な、何だぁ!?」突然の事にキャプテンホーネッツも対応出来ず、そのまま2本の触手に2ヶ所が締め付けられたのだった。
「く、く苦しぃ」流石に首を締め付けられ苦しそうにしていた。そんな様子を呆然と見ていた僕達の中で真っ先に我に返った僕が(今なら!)と思って聖なる短剣を両手で握り奴の弱点の左目に向かった。
「くらえーーっ!」「!!」僕に気付いたキャプテンホーネッツだが何もできず、ついに奴の左目へ攻撃を浴びせれたのだった。
直後触手から解放されるも、「グ、グォーーッ!」と苦しむ雄叫びを上げながらその場に崩れ落ち、「お、お、おのれぇーーっ!」最後の言葉を残してキャプテンホーネッツは消滅した。
その一部始終を見て兄ちゃんがようやく「お、終わった、か」と言ったのを皮切りに「「ハァー」」全員の緊張感が解けたのだった。
その直後マールが「レックス、ありがとう」とお礼を言ってきて僕も「ううん、良いんだよ」と伝えた。
それから「だけど、さっきの触手は一体······」先ほどキャプテンホーネッツを締め付けた触手が現れた海面を見つめた。
「確かに、ありゃあ一体······」と兄ちゃんが言いかけたところで、ザバァーッ! 先ほどの触手の主である"クラーケン"が姿を現したのだった······。
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