落ちこぼれ一兵卒が転生してから大活躍

きこうダきこう

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最終章

第222話 タイムリターナーの真意2

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 戦勝パーティーが行われ初代様から僕をタイムリターナー とした理由をお伺いした翌日以降······やはり騎士団の皆や王都で会う主だった人達から色々質問責めにあったり哀れみの言葉をかけられたりしたのだった。

 また騎士団の活動の方は、主に魔物に襲われた各町や村の復興作業を協力する事となった。

 復興作業はブライトフューチャー建設にあたり僕の提案した通りそこで使われた材料を再利用する事となり、取り敢えず王都やブライトフューチャーに近い場所の町や村から復興させる事にし、そこに住んでいた人達が利用していた民家を解体させて使用する事にした。

 またそれだけではやはり木材などの材料が足りなかったりしたので各地から調達する事となり、その際ウッド村からも運搬されたのだった。

 しかも今回は父さんが陣頭指揮を執るため復興現場に赴いていたので、僕も久々の再会を果たし作業の合間に色々と話に花を咲かせたのだった。

 またその合間を塗って決戦に向かう前にジェシーと約束していたお出掛けへ連れ出し、絶対に連れて来ようと決めていた小高い山にも訪れ······「うわぁ!」山頂までの道のりではもちろん、「こんな素敵な所があったなんて······」「でしょ?」「うん!」山頂からの眺めを見て僕以上に感動していたのだった······。


 そうした活動などをしていたある日、運命の時が訪れたのだった。

 ある日久しぶりにアリスと本部内で昼食を食べながらアリスの今後の事 (騎士団を退団して本気で医者を目指す事)について話をしていたら兄ちゃんがやって来て、「レックス、助けてくれよぉ」と弱音を吐いてきたのだった。

「どうしたの? 兄ちゃん」と尋ねると、「実はさっき団長に呼ばれて、団長の座を引き継いでくれって頼まれたんだよ」「「ええっ!?」」

 それを聞いて僕もアリスも驚きの声を上げた。ただし、僕の驚きの声は初代様から聞いていた事態がもう来たのかという意味の方で······。

「ど、どういう事?」と一応聞いてみたら、「団長がもうじき諸事情で騎士団を退団する事になって、それで俺に武闘部隊の隊長の座を引き継いでくれって頼んで来たんだ」「武闘部隊の隊長を?」「ああ」

(それが何で団長の座の話が?)と疑問に思っていたら兄ちゃんは続けて「その事は了承しようと思ったんだけど、その後団長から『ただし、これまでも武闘部隊の隊長に就任した者が自動的に騎士団の団長の座も受け継ぐ事になっているから、そのつもりでいてくれたまえ』って言ってきたんだ」「そ、そうなの!?」

「ああ。流石にそれを聞いたらすぐには了承出来なくなって保留にしてもらってるんだよ」そういう事だったのか。

「武闘部隊を束ねるのは考えても良いかもなとは思っていたが、流石に騎士団全体を束ねるとなると俺もまだまだ騎士団員になって日も浅いんだから、早すぎるだろうって思ってるんだ。そう思わないか?」兄ちゃんが同意を求めるように聞いてきた。

 
 その為アリスはやはり「そうよね。やっぱりお兄ちゃんには少し早いかもしれないわよね」と兄ちゃんに同調した返答をしたのだった。しかし僕はそういうわけにはいかなかった。

「兄ちゃん」「ん? 何だ、レックス。お前もやっぱそう思って······」「引き受けなきゃ駄目だよ」「「ええっ!?」」突然の僕の返答内容に、兄ちゃんもアリスも驚いていた。

「ひ、引き受けなきゃ駄目って、どうしてだよ?」「そうよ、レックス」2人からそう詰められたので、「だって、ここで兄ちゃんが団長就任を断ったら······僕がタイムリターナーをした意味が無くなるから」「「え、えーーーっ!?」」流石に2人とも再び驚きの声を上げた。

「な、何でお前のタイムリターナーの事が関わるんだ?」「実は、あのパーティーの夜に教会にいた僕の前に神の使いである初代ハウル様がいらっしゃって······」この後僕は兄ちゃん達に初代様から聞いた僕がタイムリターナーになった本当の理由を話した。

「そ、それじゃあ······」「うん。もしここで兄ちゃんが断り続けて別の人が団長に就任したら、結局世界が大混乱に陥って僕がこれまでやってきた事が水の泡になってしまう事になるんだよ」「「······」」流石に2人とも何も言えなくなってしまった。

 
 その時、「その話は本当かね? レックス君」「「「っ! パ、パーシバル団長!!」」」僕達の近くにパーシバル団長が立っていて、僕にさっきの話が事実であるか聞いてきた。

「は、はい。本当です」とはっきり答えた。

「そうか······と、レックス君がこう言っているのだがアッシュ?」「は、はい」「改めて聞かせてもらうが、武闘部隊隊長ならびに騎士団団長の座の就任、引き受けてくれるよね?」と兄ちゃんに尋ねた。

「あー」流石に断りきれなくなり、一瞬僕の方を睨んだ後観念したように「分かりましたよ、お引き受け致します!」とやややけくそ気味に了承したのだった。

 兄ちゃんが承知した事で「良かったよ」団長は安堵し、「おめでとう、お兄ちゃん」アリスはお祝いの言葉を述べ、「元々そういう風に神様が運命付けてたんだから、仕方無いよ」と僕は言った。

 それらを聞いた後兄ちゃんは僕の肩に手を置き、「ただしお前も道連れだ、レックス」「へ?」

「俺が隊長に就任したらお前を武闘部隊副隊長に任命し、行く行くは隊長ならびに団長の座を押し付けてやるからな」「そ、そんなぁ」兄ちゃんから仕返しと言わんばかりにそれらを将来僕に押し付ける事を通告されたのだった。

 
 ところが、「あー残念だがアッシュ、それは出来そうにないかもしれないよ」「「えっ?」」兄ちゃんの提案を遮ったのは以外にもパーシバル団長だった。

「出来そうにないって、どういう事ですか? 団長」「うん。実は私がここに来たのはレックス君を探してたからなんだよ」

「僕を?」「ああ。それで偶然君達の会話が聞こえてきてさっきの流れにしてしまったんだよ」

「どうして僕を探していたんですか?」「うん。恐らく近々エドガー殿から直接通達があると思うんだけど······」その時団長からとんでもない内容が言い渡されたのだった······。


 後日······。

「ではアッシュ、武闘部隊ならびに騎士団は頼んだよ」「はい!」無事パーシバル前団長からアッシュ新団長への引き継ぎが行われ、それから長い間兄ちゃんは騎士団団長としてハリー隊長やシュピーゲル隊長、そして彼らの後任となった隊長らと共に王国騎士団をより良い集団に成長させたのだった。

 またアリスも兄ちゃんが団長に就任して暫くした後に······。

「それじゃあね、レックス、お兄ちゃん」「ああ。村に帰ってからも親父さんの下でしっかり腕を磨けよ」「うん!」

「村の方へ行く事があって顔を見せられそうだったら寄らせてもらうから」「分かった。じゃあね!」

 正式に騎士団を退団し、医者になるためウッド村に帰ってジョーおじさんの下で仕事を手伝いながら腕を磨いたり勉強する事にしたのだった。

 そして僕はというと······。


「おはようございます! エドガー隊長」「おうレックス。今日も特に大きな予定や用事は無いからな。"彼女専属"で頼むわ」「分かりました」エドガー隊長に言われ、彼女の部屋に向かった。

 トントン!「失礼致します! ジェシー王女様!」部屋の前で"いつも"のように声を掛けたが、「······」中にいる気配はあるが何も返事がなかった。

 そのため、「失礼致します!」と言って中に入った。するとジェシーはこれまた"いつも"のように口と腹に手を当てて笑いを堪えていた。
 
「いい加減に慣れなよ」と僕が言うと、「だ、だって、アハハハハッ!」とうとう堪えきれずに笑い出した。

「ふ、普通にだから、は、入って来て良いっていつも言ってるじゃない」と言われても「一応これが仕事だから」「そ、そうかもしれないけど、アハハハッ」(全く。ハァー)いつまでも笑い続けているジェシーを見て流石に溜め息が出てきた。

 
 そう、あの時パーシバル団長から告げられたのは、僕の騎士団から近衛兵隊への転属通達であった。

 後日改めてエドガー隊長より話があり、僕に"第2王女専属警護要員"という役職······要はジェシーに付きっきりで警護や彼女の公務のサポートをする役職を用意しているとの事だった。

 とはいえ、一応近衛兵隊に所属する事になるため他の方々の警護や用件で人数が必要となった場合はそちらの任務にも駆り出される事があるとは説明を受けた。

 エドガー隊長の話を聞き、魔王軍との決戦後については捜索的業務に従事したいと養成学校時代から思っていたけど、正直絶対にやりたかったというわけではなかったし、ジェシーと長いこと一緒にいられる事になるんだからといった思いから······応じる事にして現在に至っているのであった。

「そ、それで。エドガー隊長は何て?」「今日も特に大きな予定や用事は無いからジェシーの専属警護で良いって」

「そう。なら久しぶりに朝からずっと孤児院で過ごす事にしない?」「それも良いかもね。本当に久しぶりだし」「なら早速行きましょう!」とジェシーに手を引っ張られ、僕らとベアーズは部屋を出たのだった。

「そ、そんなに引っ張らなくても良いだろ?」「だって、早く行けばそれだけ皆と長くいられるでしょ!」「そ、そうだけど······」

(全く。けど······)ジェシーに手を引っ張られながらも、今こうして生きていられている事が嬉しく思い、不意に天を見上げて(神様。本当にありがとうございました)と神様にお礼を述べたのだった。

「レックス?」そんな僕の様子を見たジェシーが立ち止まって僕を呼んだので、「こうして今生きていられている事に対して神様にお礼を言ってただけだよ」と聞いてジェシーも表情を明るくし「そうね。本当にそうよね」「うん」

 それから2人して改めて天を見上げ、今度は僕の方から「行こっか」と声を掛け、「うん!」ジェシーも同意したため手を繋いで2人して並んで孤児院に向かったのであった(その後ろをベアーズもしっかりと付いて来て)······。 
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