apocalypsis

さくら

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quaecunque sunt vera

sex

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「あー、やっぱり何でもない」
 軽くため息を吐いた後、自分の部屋へと向かった。
 絢子の事は、やはり気のせいだったのだと神楽は自分に言い聞かせる。恋人がいる今の斎にわざわざ話す事ではないのだと、自分の心の奥底に先ほど見たことをしまい込んだ。
「たかみくん、ごめんね。斎と二人が良かったんだろうけど、今日はちょっと色々あって……」
 天弥を開放し、申し訳なさそうな表情を浮かべた。
「僕、動物園大好きです」
「ひなたんも、どーぶつえーんだいすきだよ」
 即座に答えたひなと天弥は、お互いに楽しそうな表情で顔をあわせ、ねーっと言い合った。
「ありがとう」
 斎が見た目だけで天弥を選んだ訳ではないのだと知る。そしてふと、天弥は斎のどこが好きなのだろうかと疑問が湧く。我が弟ながら、ハッキリ言って顔しか取り得がないのだと不思議でならない。
「たかみくんは、斎のどこが好きなの?」
 ひなを抱きかかえたままの天弥の顔が朱に染まる。
「どこって聞かれても……、優しくて……、かっこよくて……素敵だし……全部好きです……」
 少し戸惑いながら、答える。その様子や言動に、見た目だけではなく中身も女の子のようだと神楽は思う。
「そっか。まー、斎の事よろしくね」
 弟のことを頼む神楽に、天弥は嬉しそうな笑みを浮かべて頷いた。
 
 斎は神楽たちと天弥を送った後、夜の道を自宅へと向かう。慣れない車のために何度も左足でブレーキを踏み、その度に神楽に文句を言われ続けた。磨り減った神経をなんとか保ち、自宅のガレージへと車を入れ終える。
 車から降りると、疲れのせいか一気に眠気が襲ってきた。気力を振り絞り、玄関へと向かいながら自宅を見る。明かりもなく暗い自宅の様子から、両親はまだ帰ってきていないのだという事を理解した。
 この二日間、両親のいない休日のため、天弥とゆっくり過ごせると思っていたのだが、ことごとく邪魔が入り更なる疲労感に襲われる。
 玄関前にたどり着くと、ため息を一つ吐いた。なぜか、天弥と神楽が仲良くなってしまい、この先に不安を覚える。
 とにかく部屋で休み、今後の対策をゆっくりと考えようと思い鍵を取り出したとたん、冷たい風が取り巻いた。何かに反応するかのように、反射的に腕を上げ顔を庇う。手の甲に軽い痛みが走り、手から鍵が落ちていく。
 無機質な金属音が暗闇の中に響き、それを拾い上げようと地面に向かって手を伸ばした。視界に入ったその手には、綺麗な赤い線が刻まれている。そこから流れていく赤い一筋を、鍵を拾い上げながら見つめた。
 ふと、前方に誰かがいる事に気がつき、ゆっくりと視線を向ける。先ほどから人がいる気配などは無く、もちろん今も人がいる気配はない。不思議な感覚に、その正体を確認しようとした。
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