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suggestio veri, suggestio falsi
unus
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病室のドアがノックされ、斎は本を読むのを止めた。返事をする間もなくドアが開けられ、目に鮮やかな金髪が映る。待ち人ではないと知り、軽くため息を吐いた。手にした本を閉じ、ドアから視線を逸らそうとした時、ためらいがちに室内へと足を踏み入れる天弥の姿を捉えた。
見慣れた制服姿の天弥は少しやつれた様子で、一週間という時間が経過していることを物語っていた。
見詰め合うお互いの視線が捉えるものは相手の姿だけであり、それ以外は何も認識されることはなかった。
「あー、俺、何か飲みものでも買うてくるわ」
二人の様子にそう言葉を残し、サイラスは病室から出て行った。それに構うことなく斎は身体を動かし、体制を変えベッドに腰掛けると、天弥に向かって手を差し出した。その手を取ろうとしたが、その資格が無いと思い、天弥は踏み出した足をその場に止めた。
困惑の表情を浮かべ戸惑う様子に、怪我のことを気にしているのかと、斎は考えた。
「天弥」
名前を呼ばれるとすぐに泣き出しそうな表情に変わり、天弥は斎に向かって再び足を踏み出し、ゆっくりと差し出された指先に触れる。すぐにでも天弥の存在を確認したくて、斎はその手を掴むと引き寄せた。
「先生……」
嗚咽交じりに自分を呼ぶ天弥を、抱きしめる。斎の身体に回された天弥の腕に少しだけ力が込められた。落ち着かせたくて、必死に自分にしがみ付く天弥を右ひざの上に座らせた。
「天弥」
顔を見たくて、名前を呼ぶ。天弥はゆっくりと顔を上げ斎を見た。その顔を見て斎は手を伸ばし、柔らかな頬に触れると親指でこぼれ落ちてくる涙をふき取った。
「ちゃんと食ってるのか?」
力なく目を伏せる少しやつれたその姿に、斎の心が痛む。
「退院したら、何か美味いものでも食いに行くか?」
天弥は視線を戻し斎を見ると、その瞳から大粒の涙をこぼした。
「天弥?」
次々とあふれ出す涙に、天弥の頬に置いた斎の手も濡れそぼつ。
「僕……、もう先生に嫌われたと思ってた……」
どこをどうすれば、そう考え付くのかと考えてみるが、一向に思いつかない。
「なんでだ?」
「だって、僕……、先生が庇ってくれてたなんて分からなかったし、それに僕のことなんか庇わなければ、先生はそんな怪我しなかったのに……」
なぜそれが嫌われるに結びつくのか理解できなかったが、一週間という時間を、天弥が不安を抱えて過ごしてたというのは理解できた。斎にとっては、一日かそこらの感覚しか無い。だが天弥は違うのだ。
斎はメガネを外すと、涙を流し続ける天弥に口付けた。最初はためらいがちであった天弥だが、すぐに斎を受け入れる。何度も唇を重ね、お互いに激しく相手を求め合う。
一週間ぶりに交わす口付けと、一方的に斎に蹂躙される口内の感触が、天弥の意識を快楽へと沈めていく。
意識と共に身体の力が抜けていく天弥を支えながら、斎は唇を離す。すぐに唇を天弥の形の良い耳へと移動し、軽くそれを噛む。激しい快楽に身を焼かれるような感覚に、天弥は思わず強くしがみ付く。耳に吐息を感じ、その存在が確かなものであることに、喜悦する。
見慣れた制服姿の天弥は少しやつれた様子で、一週間という時間が経過していることを物語っていた。
見詰め合うお互いの視線が捉えるものは相手の姿だけであり、それ以外は何も認識されることはなかった。
「あー、俺、何か飲みものでも買うてくるわ」
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困惑の表情を浮かべ戸惑う様子に、怪我のことを気にしているのかと、斎は考えた。
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「先生……」
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「天弥」
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「ちゃんと食ってるのか?」
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天弥は視線を戻し斎を見ると、その瞳から大粒の涙をこぼした。
「天弥?」
次々とあふれ出す涙に、天弥の頬に置いた斎の手も濡れそぼつ。
「僕……、もう先生に嫌われたと思ってた……」
どこをどうすれば、そう考え付くのかと考えてみるが、一向に思いつかない。
「なんでだ?」
「だって、僕……、先生が庇ってくれてたなんて分からなかったし、それに僕のことなんか庇わなければ、先生はそんな怪我しなかったのに……」
なぜそれが嫌われるに結びつくのか理解できなかったが、一週間という時間を、天弥が不安を抱えて過ごしてたというのは理解できた。斎にとっては、一日かそこらの感覚しか無い。だが天弥は違うのだ。
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一週間ぶりに交わす口付けと、一方的に斎に蹂躙される口内の感触が、天弥の意識を快楽へと沈めていく。
意識と共に身体の力が抜けていく天弥を支えながら、斎は唇を離す。すぐに唇を天弥の形の良い耳へと移動し、軽くそれを噛む。激しい快楽に身を焼かれるような感覚に、天弥は思わず強くしがみ付く。耳に吐息を感じ、その存在が確かなものであることに、喜悦する。
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