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date et dabitur vobis
viginti unus
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天弥の言葉に少し不安を覚え、それを遮るように強くその身体を抱きしめた。
「欲しいものがあるなら幾らでも買ってやるし、食いたいものがあるなら幾らでも食わせてやる」
だから、ずっと傍にと続けようとして、言葉を飲み込んだ。今、この天弥がどれだけ斎と共に在りたいと望んでも、いつか本来の天弥だという存在と入れ替わってしまうのかもしれない。その不安を振り払うかのように天弥を抱き、幾つも約束を重ねてみた。だが、一緒に暮らす約束の後は、明確な答えが返って来なくなった。これ以上、約束を重ねるのは天弥にとって酷な事なのかもしれない、そう考えた。
「食べたいものはたくさんあるけど、欲しいのは先生だけです」
自分を望む天弥の言葉に、斎は無理やり不安を心の奥底へと閉じ込めた。
「俺は、天弥のものだ」
天弥は嬉しそうに笑みを浮かべた。
「僕も、先生だけです」
本当の天弥ではないと知っても、斎は自分を選び愛してくれた。これ以上、望むものなど何も無かった。
「仕度しますね」
もう少し、斎の温もりや心音を感じていたかったが、このままではすがり付いて泣き出してしまいそうになり、無理やりその欲求を押し込めた。
斎の腕の力が緩んだ。天弥は斎の身体に回した腕を下ろし、顔を上げた。視線が合うと同時に軽く唇が重なり合い、すぐに離れた。
バスルームへ向かうために、天弥はベッドから抜け出そうとして動きを止めた。そして何かに気が付いたかのように慌ててシーツで自分の身体を隠し、斎へと視線を向けた。
「あの……、見ないでください……」
顔を赤らめながら小さな声でそう言うと、天弥は俯いた。
「何でだ?」
天弥の様子に斎は嗜虐的な感情を少し揺さぶられ、聞き返す。
「は……恥ずかしい……から」
羞恥に染まった表情で、俯いたまま天弥が答えた。
「今更、恥ずかしがることなんてないだろ?」
天弥は耳まで赤く染まり体温が一気に上昇する。
「でも……あの、お願いします……」
俯いた天弥の今にも泣き出しそうな表情に、斎はその頭を軽く撫でると立ち上がった。天弥に背を向けると、窓際にある机と椅子に向かい、シャツの胸ポケットから煙草の箱を取り出す。急いでバスルームへと向かう天弥の様子を音で確認しながら、咥えた煙草に火を点けた。
すぐに日付が変わり月曜日が目前だという時間、天弥は一軒の家の前で立ち尽くし二階の窓を見上げていた。そこにはまだ明かりが灯っており、部屋の主がまだ起きている事を告げていた。先ほど、いつもと変わらない就寝を知らせるメールを送ったが、いつもと変わらず返事は来なかった。きっとまた、本を読むのに夢中になっていて気が付かなかったのだろうと思う。
「ほんまにええんか?」
背後からかけられた声に天弥は振り向き、声の主へと視線を向けた。
「今ならまだ、止められるで」
夜目にも鮮やかな金の髪をなびかせているサイラスに向かって、首を横に振った。
「先生と一緒に逃げればええやん」
天弥は再び斎の部屋を見上げた。
「サイラスくんからは逃げられるけど、神さまからは無理でしょ?」
「欲しいものがあるなら幾らでも買ってやるし、食いたいものがあるなら幾らでも食わせてやる」
だから、ずっと傍にと続けようとして、言葉を飲み込んだ。今、この天弥がどれだけ斎と共に在りたいと望んでも、いつか本来の天弥だという存在と入れ替わってしまうのかもしれない。その不安を振り払うかのように天弥を抱き、幾つも約束を重ねてみた。だが、一緒に暮らす約束の後は、明確な答えが返って来なくなった。これ以上、約束を重ねるのは天弥にとって酷な事なのかもしれない、そう考えた。
「食べたいものはたくさんあるけど、欲しいのは先生だけです」
自分を望む天弥の言葉に、斎は無理やり不安を心の奥底へと閉じ込めた。
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天弥は嬉しそうに笑みを浮かべた。
「僕も、先生だけです」
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「仕度しますね」
もう少し、斎の温もりや心音を感じていたかったが、このままではすがり付いて泣き出してしまいそうになり、無理やりその欲求を押し込めた。
斎の腕の力が緩んだ。天弥は斎の身体に回した腕を下ろし、顔を上げた。視線が合うと同時に軽く唇が重なり合い、すぐに離れた。
バスルームへ向かうために、天弥はベッドから抜け出そうとして動きを止めた。そして何かに気が付いたかのように慌ててシーツで自分の身体を隠し、斎へと視線を向けた。
「あの……、見ないでください……」
顔を赤らめながら小さな声でそう言うと、天弥は俯いた。
「何でだ?」
天弥の様子に斎は嗜虐的な感情を少し揺さぶられ、聞き返す。
「は……恥ずかしい……から」
羞恥に染まった表情で、俯いたまま天弥が答えた。
「今更、恥ずかしがることなんてないだろ?」
天弥は耳まで赤く染まり体温が一気に上昇する。
「でも……あの、お願いします……」
俯いた天弥の今にも泣き出しそうな表情に、斎はその頭を軽く撫でると立ち上がった。天弥に背を向けると、窓際にある机と椅子に向かい、シャツの胸ポケットから煙草の箱を取り出す。急いでバスルームへと向かう天弥の様子を音で確認しながら、咥えた煙草に火を点けた。
すぐに日付が変わり月曜日が目前だという時間、天弥は一軒の家の前で立ち尽くし二階の窓を見上げていた。そこにはまだ明かりが灯っており、部屋の主がまだ起きている事を告げていた。先ほど、いつもと変わらない就寝を知らせるメールを送ったが、いつもと変わらず返事は来なかった。きっとまた、本を読むのに夢中になっていて気が付かなかったのだろうと思う。
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背後からかけられた声に天弥は振り向き、声の主へと視線を向けた。
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「サイラスくんからは逃げられるけど、神さまからは無理でしょ?」
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