夏の幻想

１９．

　私達が日常に戻ってから一週間、録画した動画の編集を澤渡、明智、御厨の３人で行っている間サークル活動はお休みだった。

　

環奈＊「結局、楓ちゃんや槐君とちゃんとお別れできないままだったね。」

奏＊「…そう…だね。」

　今日も何をする事も無く家に籠もっていた私の所に環奈が遊びに来ていた。

環奈＊「何よ、怪我も治ったのに元気ないわね。でもわかるかも…だって楓ちゃんに会えないのはやっぱり寂しいよね。」

　やっぱり親友だけあって、私が元気の無い理由があの二人にあるのだと気付いていたみたい。

　でも、環奈の思っているそれだけが理由じゃ無いんだけど……。
　それの事を、喩え親友と雖いえども環奈に話す事はできない。

　だから環奈には悪いけどお茶を濁して話をすり替える。

奏＊「うん。ところで、話し合いの事について澤渡何か言ってた？」

環奈＊「次に皆で集まった時に話すって言ってたよ。動画の方も楽しみだね。早く編集終わらないかな。」

奏＊「だよね。」

　確かに動画は楽しみだ。

　このサークルに入ってから動画の撮影時、主に被写体ヒロインになっているのは環奈なのだが、撮影者の腕なのか環奈が８割増しぐらい美人に見える。

　その所為か、動画の上映会以降は彼女のファンが増え、彼女目当てのサークルへの入会希望者も急増するのだ。

　実は、御厨と佐々木もそうである。因みに、澤渡と明智も（何故か）人気があるらしく、篠原さんと泉さんは明智と澤渡狙いだったりする。（篠原さんは明智狙いで泉さんは澤渡狙い）

　アオハルか！

　澤渡は兎も角、明智は環奈狙いみたいだから、この先篠原さんと明智がどうなるのか？環奈がどんな答を出すのか……と、ドキドキしながら密かに成り行きを見守っている私だった。



　夏も終わり、サークルでは学祭（学園祭）に向けて準備を進めている。

　結局、仕上がった動画は学祭前の試写会まで“ おあずけ ”を食らっている。
　まぁ、毎年の事ながら勿体振る奴明智である。

　そう思いながらも明智と御厨の二人は、撮影と編集の腕は良いので撮影された動画がどのように編集されて一本の動画になっているのか、実は楽しみにしていたりする。

　オカルト研究会ガチ勢の面々も気になるらしく、サークルの部室付近や二人の周囲をそれとなく探りを入れに来ている。

　それがわかっているからか二人は学内では撮影データの編集をしたりしない。

　二人共、お互いの家を行き来して編集している様だが、御厨によると今年は殆ど明智が編集しているらしく、御厨も仕上がった動画をまだ観ていないという。

　澤渡曰く、「彼奴あいつ、今年は気合が入っているぞ。」だそうだ。



そして迎えた学祭の日 ───

　前評判が口伝てで広がったのか今年の試写会は去年よりも多く、午前と午後の２回上映するのだが初日はどちらも満席だった。

　オカルト研究会の部長が嫌味を言いに来るぐらい。

　澤渡は終始ニッコニコでご満悦である。明智と御厨も上機嫌だった。



　……が、二日目（最終日）の上映会は前日の比ではなかった。

　一回目の上映が終わった後、出て来た客の一部が、私達を見ながらコソコソと話をしつつ半ば小走りするように早足で帰って行った。

　それを『何だろう？』くらいにしか捉えていなかった私達は午後の上映を早めなければいけないほど対応に追われるとは思ってもいなかった。

　おまけに午後の上映が終わればサークルとしての学祭は終わる筈だったのが急遽三回目の上映を行わなければならなくなるなど誰が予測できただろうか？

⇩以下は、作者の独り言のような物なので読んでも読まなくても物語に影響はありません。

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※ラストまであと少し……。

　ラストは、お付き合い（お読み）いただいた方々の予想通りか否か……。

あと少し、お付き合いいただければ幸いです。

　エロ、下ネタ、ギャグ封印して真面目に書いてます。（そろそろ限界か……(^◇^;)シリアスに堪えきれない自分が悲しい……😭）

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＊超遅亀更新＆不定期更新にも拘わらず、いつもお付き合い(お読み)いただきありがとうございます！

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