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20.ラフレシア・カーバイト③
*いつもお読みいただきありがとうございます。
*今話も一部配慮が必要かもしれない部分があります。
苦手な方は回避願います。
読まれる方は自己責任でお願いします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
父からウェルナー様から申し込まれた婚約を受け入れた直後にライアン様から婚約の申し入れがあったと聞かされた。
そこでライアン様に関して流れていた噂話を思い出した。
“ 南部辺境伯家・嫡男のライアン・ガーネット 卿に婚約者がいないのは忘れられない心に決めた女性がいるから”
じゃあ、“ 忘れられない心に決めた女性 ”って私の事?
そう思ったとしても無理はないでしょ。
という事は、彼と婚約者は跡継ぎの問題を解決する為の政略結婚なんだわ。
お父様は頻りにライアン様を薦めてくるけど、私はウェルナー様の事をまだ諦めきれずにいる。
けれど、ウェルナー様に婚約を解消された私には、この先周りから嘲笑われる毎日が待っている。
特に、ウェルナー様を奪ったサマンサ・ターコイズなんて勝ち誇った顔をして私を嘲笑うに違いない。
それに婚約解消で瑕疵が付いた私は良縁に恵まれそうに無い。結婚できたとしても、相手はお父様よりも年上か変な性的嗜好の人、良くて後妻か愛人…。
そんなの堪えられない!
幼い頃から美しいと言われてきたこの私が何で…。
ふと、考える。
ライアン様の婚約者という誰もが羨む立場。
もしそれを手に入れる事ができたなら……。
家格だってウェルナー様の子爵家よりも上。
ふふふ。
私からウェルナー様を奪ったあの女。
今に見てなさい。絶対に思い知らせてやるんだから!
その為には、何が何でもライアン様を手に入れてやる!
カーネリアン家だか何だか知らないけど、あんなパッとしない見た目の女より、幼い頃から美しいと言われていた私が劣るなんて事ないもの。
ふふふ。楽勝だわ。
先ずは、ライアン様に今以上好きになって貰わなきゃ。
その為には、ライアン様が私の事を放っておけないと思わせないとね。
男って、か弱くて儚い小動物のように庇護欲を掻き立てる女が好きなんだから。
△▽△▽△▽△▽▽△▽△
両親や妹に協力してもらい、事ある毎に狂言自殺(未遂)を繰り返し、此方の思惑通りに動かなければいけないように仕向ける。
そして次に、いつも無表情なライアン様に、ウェルナー様に婚約解消されて傷付いているから、フリでもいいから恋人同士に見えるように、それが無理でも楽しそうに振る舞って欲しいと言った。
勿論、相思相愛だと思わせるような噂も流させた上で。
その為の駒も用意したしね。
後はガーネットとカーネリアン、両家の様子を知る為の人間を探さないといけない。
確か、年老いた親がお父様からお金を借りているとかいう男がガーネット家で下働きをしていた筈。
前回、偶然出会したようにする為のライアン様のスケジュール等を知る事ができたのもその男のおかげだった。
今回、その男にライアン様と婚約者、二人の関係を知る為に、彼宛に婚約者から送られてきた手紙を入手させる事にした。
あの地味な令嬢が手紙にどんな事を書いているのかと思いつつ読んだけれども…。
「ダッサ、何コレ。」
あの女って見た目だけじゃなくて、手紙の内容まで地味なの?!
何とか二、三通目までは読んだけれどそれ以上は読む気にもなれなかった。
だって、書いてある事って言ったら季節の挨拶、近況報告、贈られた物に対するお礼。
そして“ 次にお会いできる日を楽しみにしています。”なのよ。
違う所なんて季節と贈られた物ぐらい。
でも、ライアン様から贈られた物に対するお礼の所を読むと、如何にも高額そうな宝飾品のようだったわ。
あの女には勿体ない。
私にこそ相応しいと思うの。
だから私が贈られてきた宝飾品を貰ってもいいんじゃないかしら…?
そう思った私は、誰をカーネリアン家に行かせるか考えた。お父様が経営している商会で働いている男の娘夫婦が、ガーネット辺境伯家で下働きをしていた事を思い出した。
何だか私にとって都合のいい事ばかりで、やっぱりライアン様との結婚は必然の事のように思えた。
な・の・に!
何でまだ婚約解消されてないのよ。
それどころか、私とライアン様の関係も全くと言ってもいいぐらい進まない。
焦れったくて、恋人同士のように、それが無理でも楽しそうにして欲しいと彼に言った。
そうでも言わなければ、無表情か眉間に皺が寄っているんだもの。失礼しちゃうわ!
エスコートする腕にわざと胸を密着させても無表情、倒れそうなフリをして寄り掛かっても抱き締めたり、お姫様抱っこしたりしない。
すぐに座れそうな所まで行って座らせる。
婚約者ともこんな感じなの?!
△▽△▽△▽△▽△▽△△
送られてきた手紙もプレゼントも、本人の手に渡る前に私の手に。
宝飾品は、私が睨んだ通り見事な物だったわ。
けれど、ライアン様を人目がある所に引っ張り出していた事が裏目に出ちゃった。
彼女に選んで送る時間が取れなくなったとかいう理由で、手に入れられなくなるなんて。
でも、地道な工作のおかげで何とか婚約解消する一歩手前まで追い込めたみたい。
そう喜んでいたのに魔獣騒ぎが起きたとかで、三辺境領の合同訓練が行われる事になった。
ライアン様に張り付いて婚約者と二人きりにさせないようにして、私とライアン様が相思相愛だと思わせなくちゃ。
なのに、その合同訓練に私の参加は認められなかった。
なんでも、あの地味な婚約者の家から申し入れがあったらしいの。
邪魔ばかりしてきて目障りだわ!
と、そこで閃いた。
いくら領主様でもプライベートにまで口出しできないと思った。
なら、プライベートで行けばいいじゃない。
そこで学園で魔獣について習った事を思い出した。
魔獣を斃した後に残る魔石に、魔獣が引き寄せられるって講師が言ってたわよね。
何とか魔石を手に入れ、魔獣に襲わせて怪我でもすればあの目障りな女を婚約者の座から引き摺り落とせる。
そう思っただけで殺すつもりなんてなかった。
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*お読みいただきありがとうございます。
*お気に入り、しおり、エール等、本当にありがとうございます。
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