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【本編完結】感謝御礼!!番外編④
なんでこんな事になったのか……。
本来なら俺とニアだけの旅の筈が、何故かライアンとカーライルが一緒の四人旅。
早速ニアにちょっかいを出して平手打ちを食らっているライアンとそれを見て笑っているカーライルに目を向け溜め息を吐く。
△▽△▽△▽△▽△▽△
明け方見た夢を思い出す。
俺の実家はカーネリアン辺境伯領内の東部に位置するカーネリアン伯爵家である。
名前の通り辺境伯の血族になり、父は辺境伯の(実)弟だ。
そして、今では領都周辺では行われなくなった昔からの慣習が辺境伯領東部には残っていて、その中の一つに女性が男性からの求婚に答えを返す儀式がある。
求婚と言っても幼い頃に婚約した場合でも、意思の最終確認といった意味合いで成人や学園を卒業する前に参加する者達も多い。
それは儀式と言っても長時間かかるような物でなく、短時間で終わる。
その儀式とは ──
各自馬に乗り男女に分かれて一列に向かい合わせに並ぶ。
が、お互いの距離は100メートルほど離れている。
合図と共に前方にいる相手に向かって駆けて行き、OKならば女性はすれ違いざまに相手の男性が被っている帽子を馬用の短鞭で叩き落とす。
断る場合はそそのまま駆け抜けて行くのだ。
そう ──
俺が見た夢とは、その儀式に俺とニアが参加していたという夢だった。
だが、夢と言うには妙にリアルで……。
馬上で感じた風も帽子を叩き落とされた感じも残っていた。
何より俺の帽子を見事に叩き落としたニアの眩いばかりに幸せそうな笑顔が俺の胸を締め付け釘付けにする。
……そんな幸せな夢だった。
幼い頃、ライアンに出会う前のニア(三、四才ぐらい)が俺の家に遊びに来た時にその儀式を一緒に見た後、頬を染めキラキラした目で俺を見ながら言った。
「大きくなったらハロ(ハロルド)とあれ(儀式)をやりたい!」
当時の俺は従兄弟従姉妹同士の結婚が認められないという事をまだ知らなかった。
だから嬉しくてニアと二人、小指同士を絡めて「「絶対だよ!」」と約束したのだ。
だが翌日……目を真っ赤にしたニアが、大粒の涙をポロポロ溢してしゃくり上げながら
「父…ヒック…様と母様から絶…ヒック…対にダメだって…ヒック…。や…ヒック…く束…ヒック…できな…ヒック…い。」
そう言う彼女の涙を袖で拭いてやりながら、自分も涙と鼻水で顔をグシャグシャにして二人で大泣きした。
結局その時は理由はわからなかった。
でも、二人の両親からダメだと言われたから絶対に無理だという事は幼いながらも俺達にはわかった。
まぁ、ライアンと初めて会った時にその理由がわかったのだが……。
△▽△▽△△▽△▽△
明け方、目覚める前に見た夢が胸を穿つ。
どれ程ニアを愛しく思おうと俺達が結ばれる事は無い。
ニアと俺の故郷であるカーライル辺境伯領では従兄弟・従姉妹同士の結婚は認められていない。
そして俺とニアは……
従兄妹だ。
そんな事を考えていた俺の耳にニアの声が聞こえた。
「ハロルドー!置いて行くわよー!」
ニアが俺に言うのを聞いて馬の腹を軽く蹴り追い掛ける。
すぐ後ろに追い付いた俺を振り返って笑う。
明け方の夢の中で見た彼女の笑顔と重なった。
その笑顔が眩しくて…。
胸の奥に抑えつけ押し込めた想いに胸が苦しくなる。
そしてその笑顔に……
釘付けになり、以前よりもっとニアに心を縛り付けられるのだ。
~~~~~~~~
*お読みいただきありがとうございます!
*お気に入り、しおり、エール等も本当にありがとうございます!!
〖心乱れて〗に登場したハロルドのお話でしたが、いかがだったでしょうか?
楽しく読んでいただけたなら嬉しいです。
いつもお付き合い(お読み)いただいた上、感想を下さった方々ありがとうございました。
感謝を込めて。
勿論、それ以外の読んで下さった方々にも感謝を込めて。
今年もよろしくお願い致します!
本当にありがとうございました!!
(年末年始の挨拶できなかったので……(^◇^;))
本来なら俺とニアだけの旅の筈が、何故かライアンとカーライルが一緒の四人旅。
早速ニアにちょっかいを出して平手打ちを食らっているライアンとそれを見て笑っているカーライルに目を向け溜め息を吐く。
△▽△▽△▽△▽△▽△
明け方見た夢を思い出す。
俺の実家はカーネリアン辺境伯領内の東部に位置するカーネリアン伯爵家である。
名前の通り辺境伯の血族になり、父は辺境伯の(実)弟だ。
そして、今では領都周辺では行われなくなった昔からの慣習が辺境伯領東部には残っていて、その中の一つに女性が男性からの求婚に答えを返す儀式がある。
求婚と言っても幼い頃に婚約した場合でも、意思の最終確認といった意味合いで成人や学園を卒業する前に参加する者達も多い。
それは儀式と言っても長時間かかるような物でなく、短時間で終わる。
その儀式とは ──
各自馬に乗り男女に分かれて一列に向かい合わせに並ぶ。
が、お互いの距離は100メートルほど離れている。
合図と共に前方にいる相手に向かって駆けて行き、OKならば女性はすれ違いざまに相手の男性が被っている帽子を馬用の短鞭で叩き落とす。
断る場合はそそのまま駆け抜けて行くのだ。
そう ──
俺が見た夢とは、その儀式に俺とニアが参加していたという夢だった。
だが、夢と言うには妙にリアルで……。
馬上で感じた風も帽子を叩き落とされた感じも残っていた。
何より俺の帽子を見事に叩き落としたニアの眩いばかりに幸せそうな笑顔が俺の胸を締め付け釘付けにする。
……そんな幸せな夢だった。
幼い頃、ライアンに出会う前のニア(三、四才ぐらい)が俺の家に遊びに来た時にその儀式を一緒に見た後、頬を染めキラキラした目で俺を見ながら言った。
「大きくなったらハロ(ハロルド)とあれ(儀式)をやりたい!」
当時の俺は従兄弟従姉妹同士の結婚が認められないという事をまだ知らなかった。
だから嬉しくてニアと二人、小指同士を絡めて「「絶対だよ!」」と約束したのだ。
だが翌日……目を真っ赤にしたニアが、大粒の涙をポロポロ溢してしゃくり上げながら
「父…ヒック…様と母様から絶…ヒック…対にダメだって…ヒック…。や…ヒック…く束…ヒック…できな…ヒック…い。」
そう言う彼女の涙を袖で拭いてやりながら、自分も涙と鼻水で顔をグシャグシャにして二人で大泣きした。
結局その時は理由はわからなかった。
でも、二人の両親からダメだと言われたから絶対に無理だという事は幼いながらも俺達にはわかった。
まぁ、ライアンと初めて会った時にその理由がわかったのだが……。
△▽△▽△△▽△▽△
明け方、目覚める前に見た夢が胸を穿つ。
どれ程ニアを愛しく思おうと俺達が結ばれる事は無い。
ニアと俺の故郷であるカーライル辺境伯領では従兄弟・従姉妹同士の結婚は認められていない。
そして俺とニアは……
従兄妹だ。
そんな事を考えていた俺の耳にニアの声が聞こえた。
「ハロルドー!置いて行くわよー!」
ニアが俺に言うのを聞いて馬の腹を軽く蹴り追い掛ける。
すぐ後ろに追い付いた俺を振り返って笑う。
明け方の夢の中で見た彼女の笑顔と重なった。
その笑顔が眩しくて…。
胸の奥に抑えつけ押し込めた想いに胸が苦しくなる。
そしてその笑顔に……
釘付けになり、以前よりもっとニアに心を縛り付けられるのだ。
~~~~~~~~
*お読みいただきありがとうございます!
*お気に入り、しおり、エール等も本当にありがとうございます!!
〖心乱れて〗に登場したハロルドのお話でしたが、いかがだったでしょうか?
楽しく読んでいただけたなら嬉しいです。
いつもお付き合い(お読み)いただいた上、感想を下さった方々ありがとうございました。
感謝を込めて。
勿論、それ以外の読んで下さった方々にも感謝を込めて。
今年もよろしくお願い致します!
本当にありがとうございました!!
(年末年始の挨拶できなかったので……(^◇^;))
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nico様、こちらにも感想をいただきありがとうございます😆
番外編、ハロルドの事も書いてみたいですねぇ。😸
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番外編、次に書いた時もお付き合い(お読み)いただけたら嬉しいです!
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ありがとうございました
なら、安心ですヽ(´▽`*)ゝあ~ぃ!
シトリン!
私もアイアイサーʕ •̀ω •́ゞʔ✧
てか、ライアン重症のニアに…ヘンタ(*°~ °*)ŧ‹"ŧ‹"
夜這い仲間どっちも糞虫(笑)
番外編、ありがとうございます💗
ハロルド、。◕◡◕。)ノ͒ℒℴѵℯ♡
早速の感想、ありがとうございます!!😆
実は…番外編③少しずつ入力してます。
久しぶりのR18!濡れ場(ベッドシーンとお考え下さい)でございます。
えっと…念の為、確認ですがnico様は18以上でしょうか?(;^_^A
話を振っておいて何なんですが…。
(万が一、以下だったら(||゜Д゜)ヒィィィ!😱なので。)
18以上なら次話もよろしくお願いします(。・∀・。)ノ
(また、ど下ネタ入りますが……。)
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