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温もり
しおりを挟む「だから...」
ゆっくり身体を寄せた神崎が、私の脚を割り開いて身を捩じ込むと、アナルに彼自身があてられたことに気付く。
「あっ、ちょ...あたって...」
両手を絡め、唇に触れる程度のキスを落とした彼から逃れられない。
そうこうしてるうちに、ぐぷ、と音を立てながら、彼はついに中へと侵入してきた。
「ふあっ...あ、ぁ...♡」
「、俺と結婚しよ...?政宗に、俺の全部をあげる。だから...俺だけのものになって」
内壁を掻き分けて奥まで到達した彼自身をキツく締め付けては、浅い呼吸を繰り返す。
やばい、さっきしたばっかりなのに...めちゃくちゃ気持ちいい...。
彼が腰を揺らす度、泡の乗った水面が揺らめき音をたてる。
反響した音は、いつもより何倍も大きく聞こえて、私の喘ぎはかき消された。
それなのに
「ずっと、あんたのことだけを愛してあげたい...」
彼の低い声は、他のどんな音よりも鮮明に聞こえてしまう。
夜景の光を受けた彼の瞳が宝石のように輝く。
ここで頷いたら、神崎は私のものになるのか?
この愛情も、居心地のよさも、温もりも...神崎自身も全部...?
そんなの...
そんなの、欲しいに決まっている。
神崎なら...本当に私のことだけを、ずっと愛してくれるかもしれない。
「か、ざき...っ、私...、」
意を決して口にした途端、脳裏に私のことを好きだと口にした若王子の顔がチラついた。
たった今、神崎と恋人になる契を交わすつもりだった。
「っ...」
でも、結局は出来なかった。
「政宗...、っ...」
「あっ...♡やぁ、んんっ...♡」
腰を押し付けられたことにより、直腸の入口を擦られ、堪らず身をよじる。
神崎にするか、若王子にするかなんて...決められない...。
どちらも同じくらい、私の中では大きな存在になりつつあるのだから。
一方と恋人になったら、もう一方とはそれっきりになってしまうなんて、そんなのは嫌だった。
「ねぇ、政宗...迷ってる?俺と若王子で...っ」
折角2人と親しくなれたのに...。
「っ、ん...ふ...どっちも、じゃ...だめ...っ?」
「は、...欲張り...」
コンコン
「七王さん、失礼致します。お食事のご用意に参りました」
突然ノックされた扉から、使用人らしき人達が3名部屋に入ってきたことに驚き、私は彼を思い切り押し返した。
「あっ...おい、抜けただろ!」
「ばか!こんなところを人に見せる奴があるか...!」
「チッ...あと30分夕食の時間遅らせるんだったな...」
ボソリと呟いた彼が、不機嫌丸出しでバスタブから抜け出し、私はバスルームに1人取り残された。
抜かれたばかりの穴が物干しげにヒクヒクと蠢くのを感じながら、神崎と若王子を頭の中で並べ、甲乙付け難いことに悩むのであった。
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