2人の男に狙われてます

おもち

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「すみません、道が少し混んでて遅れました」

「大丈夫だよ。迎えに来てくれてありがとう」

普通でいい、普通でいいって思ってたのに、Oバックの下着履いてきちゃった。

何を期待しているんだ私は。

...期待?

いや、違う。ただこの下着のデザインとフィット感が好きなだけで、いやらしい目で見られたいとか、そういうことを考えているわけでは無い。

昨日、神崎とセックスしたばかりだと言うのに、今日は若王子とセックスする気満々とか、本当にそういうわけでは無いんだ。

とは言え、流石に1週間もオアズケを食らっていたのだから、性欲が2日続けて爆発することもあるだろう。

「この前行ったところが料理も美味しくて、とても素敵なところだったので、政宗さんも連れて行きたいと思ってたんです。急にお誘いしたけど、一緒に行けて嬉しい」

きゅん

ネイビーのシャツに細身のジーンズ、若王子の私服姿...カッコイイ...。

艶やかな黒髪に似合う緩めのパーマも、いつもとは違うセクシーな香りも、お休みの時だけ着けるネックレスも...なんだかとてつもなくエロく感じる。

「ぐ...」

いい男...!

「どうしました?」

「あ!いや、なんでもない...!てか君からの連絡、凄く分かりにくいんだけど...」

「はは、すみません。僕は文章でのやり取りが得意じゃないので、今度からは電話にします」

車内に流れる洋楽に耳を傾けながら、窓の外に目をやる。

「別に、君の連絡しやすい方でいいよ...もう少し分かりやすい文章にしてくれれば」

「善処します。それより...2人きりなんだから、名前呼んで?」

「...あ、ああ!そうだね...そう、亮く...ん...って呼ばなきゃね...」

「顔真っ赤」

だって、恥ずかしい!!

火照る顔に冷房をあてる私を見て、彼は軽快に笑った。

数十分車を走らせ、海の見えるレストランに連れて来られた私は、海を見るなり年甲斐もなくはしゃぐ。

「わ~!亮くん、海だよ!」

「ええ、そうですね」

...クール。

「13時から予約していた若王子です」

「若王子様、お待ちしておりました。室内のお席とバルコニーのお席がございますが、どちらがよろしいでしょうか」

お外もあるのか。
バルコニーなら海を見ながらランチ出来るんですよね?

目をキラキラさせている私に気付いた彼が店員さんに口頭で伝えると、快くバルコニーの席まで案内してくれた。

青い空と広い海の中間に、大きな入道雲が浮かんでいる。

心地のいい風が、潮の香りを運ぶ。

「気持ちいい...本当に素敵なところだね」

「そうでしょう、僕もこの前友達に連れて来てもらって」

向かいの席で微笑む彼につられて、私の口角も自然と緩んだ。

「絶対に政宗さんと2人で来ようって思ったんです」
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