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オーバエージ

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いざホーネットへ

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山脈にあるトンネルから1台の車がすごい速度で現れた。
運転してるのは女性、助手席にいる人物は何重にも折りたたんだ地図を開いて眺めていた。
「次の中継地点の街は?」
運転してる女性はヒステリックな面持ちで相方に訊ねる。
「次は…ホーネットだにゃ」
「郵便屋も次はそこを目指すはず。今度は先に到着して策を練るわよ!」
「まだあきらめていないのかにゃ?」
女性は舌打ちして言葉を続けた。
「私の意思はちゃんと伝えたでしょ⁉まだまだ諦めないわよ」
嘆息しながら黒服の猫族は、地図を再び丁寧に折りたたんだ。
天候も良好な事もあって、車はスピードを落とさず走り続けた。



ホーネット街にある雰囲気の良いカフェ店内で1テーブルだけ異様な空気を醸し出していた。
目だけくり抜いた紙袋を被った2人組である。
被っている紙袋を少し上げてカフェオレに一口、口にすると辛そうな口調で語りだした。
「ボスがやられたって本当の情報なのか?」
相手も重い口調で口を開いた。
「本当だ。顔と心臓に何発も食らってた。今は回収して、片目にある録画を見て犯人を特定中だ」
「特定したら復讐してやる」
もう一人の人物も紙袋を上げて、カフェオレを飲んだ。



法定速度を守りながら、黒い軽車をホーネットという街を目指し無言で走らせていた。
勿論昨日の少女の件もあって、後味は気まずいままだ。引きずっているのだ。
一旦車を片隅に止めて、地図を眺めた。ホーネットの街まではまだ遠い事を確認すると
地図を後ろの席に放り投げて、また車のエンジンを付けた。
「眠いなぁ…」
あれからほとんど眠ってないテッドは、あくびをしながらまた車を走らせた。
今のテッドは寝不足だった。危険なドライブである。
インターネット環境さえあれば敵をサーチして本部から敵の情報を教えてくれるのだが。
ネットが遮断されてから何年たっただろう。そんな事をぼんやり考えいると余計に眠くなっていった。
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