上 下
36 / 86
第五章

フェニクス代表戦三日前②

しおりを挟む
シード・カシエルが復帰という事で、シード・カシエルは余ったチームに分けられた。
チームは全部で四チーム。
俺達は一番初めに決めたチームなのでAチーム。

結局、レイン・カシエルはサリア先輩と離れる気はないらしいので、シャル・カシエルと組んで終わった。

今日は対戦するらしいので、火吹き龍は休憩してもらった。

「まずAチームとBチーム!前に出ろ!」

ガルド先生の言葉に俺達とレイン・カシエル達のチームが出てくる。

フェニクス代表戦と同じ形式で戦うらしく、二十メートルかける二十メートルのフィールドが相手サイドと自分サイドにある。

俺達は作戦通りの場所に立った。
ジルが一番前で、そこに着いていくように俺が右後ろにいる。

そしてレナが三メートルほど後ろでサポート。
相手サイドを見ると、レイン・カシエルが前衛で槍を構え、その後ろで弓のサリア先輩が構えてシャル・カシエルは魔導書を持っている。

魔導書は魔法をサポートする本の事、本の中身は詠唱を書いてある文字だ。
文字を詠むことで、魔力の消費をかなり減らせるらしい。

「よし・・・始め!!」

始まったので俺とジルは突撃する。
するとシャル・カシエルが詠唱を始めた。

「火炎を帯びた岩よ、今その力を壁とし我等を守護する力となれ!ラヴァウォール!!」

溶岩の壁が出て来た。やばいなこの状況、しかし相手も何も出来ないはず・・・

「アクアウェーブ!」

ん?今度は詠唱なし?
まぁ、これはおそらく溶岩の壁が壊れる前に早めに使いたかったのだろう。
すると水の波が現れ溶岩の壁を岩に変えた。

「どういう意味だ?何故溶岩を岩に変えた?」

俺は普通にわからなかった。
すると壁の上を飛び越え、レイン・カシエルが槍を構えて飛び掛かってきた。
レイン・カシエルの足には風が帯びてある。

おそらくサリア先輩の風を踏み台にして跳んで来たのだろう・・・

しかし詰めが甘い。
おそらくはレイン・カシエルに前衛を任せ、サリア先輩が上から弓で援護。
シャル・カシエルも魔法で攻撃に専念する作戦だろう。

「ふん!」

ジルがレイン・カシエルの突きを避けて、横から盾ではじき飛ばした。
レイン・カシエルは場外にでて失格。
俺は岩の壁を魔力の斬撃で破壊し、穴を空けた。

「よし!行くぞ!」

俺の掛け声に頷く二人、そして俺達はシャル・カシエルとサリア先輩を倒しに行く。
サリア先輩は精霊をだした、使い魔だろう。
属性はもちろん風、一言で言うと風を帯びた白い鳩みたいな感じ。
俺達は溶岩をかけられたら堪らないので、シャル・カシエルを倒しに行く。
シャル・カシエルも使い魔を出す。以前みた炎の天族だ。確か名前は紅。

「また会ったな、今度は魔法を使わせてもらう!」
「ジル!先行け!」
「分かった!」

ジルがシャル・カシエルを倒そうと紅を通り過ぎる。

「行くぞ!小僧!フレアボム!」

フレアボムかぁ、小さい炎が術者以外の何かに触れると爆発する魔法だっけ?

とりあえず俺はまだ紅が持っていたので魔力の斬撃(凝縮)を紅のフレアボム目掛けて放つ。

ボンッ!!

するとフレアボムは紅の手の上で爆発、紅は学園内の結界で重傷ではないが戦闘不能になった。

「グハッ、は、早めに投げれば良かった・・・」

バタッ・・・

さて、あとは二人かあれ?そういえばサリア先輩の弓は?
俺は周りを見る、するとジルはもうシャル・カシエルを場外に飛ばしていた。
サリア先輩はもう既に倒されていた!さらにそれをしたのはレナだったのだ!

「おぉ!レナすげーじゃんっ!」

俺はレナの方に駆け寄る

「えっへん!凄いでしょ!まぁ武器の相性が良かっただけだけど・・・」

何やら暗そうなのでさっきから見ていたジルにきく。

「武器の相性って?ジル説明よろしく」
「あぁ、まずは弓を放とうとしたサリア先輩の腕をレナが拘束、次に精霊同士で戦ったけど相手は鳩、こっちは猫、まぁこの先は分かるな?」

「なるほど・・・精霊にも相性ってあったんだな・・・でも、使い魔だろうが何だろうが、レナは勝ったんだ!」

俺が励ますとレナは「あ!そっか!」と言い喜び始めた。

他のグループと戦ったがCグループは戦術も考えず飛び込んで来たのでジルが場外に飛ばして終わり。
シード・カシエルグループはまだ連携が取れていないので戦えないそうだ。

ちなみにシード・カシエルは装備の下がジャージになっていた・・・
しおりを挟む

処理中です...