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300ポイント入手編
死のゲーム
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あの子、黒百合美海《くろゆりよしみ》は完璧人間だった。
あの子と私は中学校の時初めて出会った。
容姿は優れていて、その容姿はあらゆる人を魅了していた。男はもちろん女の子から告白されるってことも少なくないと言われていた。
頭も良く、部活に入っていて忙しいにも関わらず、成績はいつもトップ。友達も多く、あの子の周りにはいつも人がいた。
私もその数多くの友達の1人にすぎなかったと思っていた。
だけど、あの子はなぜか私とだけ仲良くしたがった。
私にだけ話しかけ、私と行動したがっていた。
私はそれに対して他とは違うと優越感を感じた。私だけがあの子の友達だと思っていた。周りからも妬まれ、私に対するいじめが始まった。上靴を切り裂かれたり、給食に虫を入れられた。学校に行くと自分の席が無いなんてこともあった。
そして、私はそのことをあの子に助けを求めた、あの子は怒りをみせるどころか、
冷たい目つきで私を見たまま何も言わなかった、優しい言葉を投げかけることもなかった。友達なら、私を守ってくれるはずなのに。
私は理解した、あの子は私を友達として扱ってない。
私にはわからない、誰かとして私と接している。
私はあの子に嫌悪感を抱いた。
それに、私は疑問に思った。
たった1人の人間のためになんでみんなこんなに必死になれるのだろうか。
あの子だって同じ人間。ましてや、同じ学生なのになぜあんな狂ったようにあの子に魅了されるのか。
わたしはあの子と関わるのはやめた、
すると、陰湿ないじめも無くなった。
あの子とまた会ったのは、高校生一年生の5月ぐらいだった。
あの子は県内でも偏差値が高い高校に通っていた。
私が駅ホームに座っているとあの子は私の隣に座った。
一番仲が良かったころと変わりないように気さくに話かけてきた。
最初は適当に相槌を打っていたが、あの子が次第に鬱陶しくなって、私はついに無視をした。
あの子はそれでも喋り続けていたのだが、やがて喋るのを辞めた。
「ごめんなさい。」
あの子はそう言うと泣き出した。
演技かとも思ったが、嗚咽交じりに泣く姿を見ると演技だと疑うことはできなかった。話を聞くと、あの子のことが、よくわかった。
私は初めて見せた彼女の弱さになぜか安心した。
あの子は完璧じゃなかった。
完璧なのは上っ面だけでただの女の子だった。
それから私はあの子と友達としてかかわるようになった。だけど、あの子が姿を消した後から、私はあの子は嘘をついていたんじゃないかと思う。
あの子が居なくなってから、心の内にある闇がいっそう感じられる。
あの子が姿を消してから約一年後の2017年5月5日。
私はあの子に関する情報を得る。
私は駅近くのカフェで待っていた。
待ち合わせ時間の五分前ぐらいに彼は到着した。
あの子と同じ高校に通っていた元交際相手である、龍造寺杏一《りゅうぞうじきょういち》だ。
「あれ、何その色。染めたの?」
待ち合わせのカフェに入り私を見ると杏一《きょういち》はそう言うと席に座った。
「なにか悪いわけ?」
私は今、髪を染めている。
別に意味はないけど、髪を染めるとなんか落ち着くような気がするから、高校に入ってから私は髪を金髪に染めている。
「いや、悪くはないよ。でも、僕はもっと淡い色のほうが好きかな。」
「ただの好みかよ」
「はは、そうだね。」
「お。ミルクセーキ頼んでてくれたんだね。ありがとー」
杏一はミルクセーキが大好きだ。
私にはあの味は甘すぎて口に合わないけど。
「おいしい」
一口飲むとニヤついた顔でそう言った
「それは、そうと、話って何?くだらない話だったら蹴るわよ。」
「怖いなぁ。教えるよ。」
杏一は深呼吸をした後、冷静な声で言った。
「黒百合美海《くろゆりよしみ》は生きている。」
「え?」
私は驚きのあまり声が出た。あの子が生きていることは信じていたけど、生きていると言われると歓喜よりも驚きが先に来た。
「今の君に教えられることはこれだけだ。これ以降知りたいなら最悪君に害が及ぶ場合がある。それでもいいなら、知る方法を教えよ」
「意味がわからないよ、あの子が生きていることと私に害があることにどういった関係があるの?」
「ごめんだけど、それは教えられない。だから、覚悟をしてほしい。害が及ぶっていう表現をしたけど、死ぬ可能性もあるかもしれない。」
真剣な顔で私にそう言う。杏一はよく嘘をつくが大体こんなこの時は嘘はつかない。ましてや、あの子のことについての嘘は絶対につかないだろう。そもそも、杏一からあの子の話をするのはめったにない。
だとしたら、どういうことかわからないけど、死ぬということも本当なのだろう。
「それでもいい。私は死んでもいいから、あの子について知りたい。」
私はどうしても知りたかった。この心の中の穴が埋まるのなら、死んでも良かった。
「そうだよな。じゃあ、まずこの表紙の石をみてほしい。」
そう言って手渡されたのは厚さ二センチ文庫本ぐらいの大きさの本だった。
表紙の真ん中には百円玉サイズの球形の透明な石が付いていた。
中身はパラパラと開くと全部白紙だった。
「うわ趣味が悪い...」
「そうか?僕は洒落《しゃれ》てるとおもうね。」
私は表紙の透明な石をまじまじと見つめた。
「ははは、めっちゃ細目になってんじゃん」
「はぁ?」
睨むと杏一は少し怯えたふりをした。
「もうすぐ色が着くかな。」
そういわれると透明な石は若干暗くなっていた。
すると突然透明な石が夜みたいに暗くなった。
「キビッ!」と音が鳴って表紙にある百円玉ぐらいの大きさの円形の石には ヒビが入った。
?
「どう?色が完全に着いた?」
私は表紙を見せた。
「うわ、黒か。すごいな。」
「え?これってどういうこと?色が着いたと思ったら、ヒビが入ったんだけど大丈夫?」
杏一は表紙の石を見つめた。
「ん?どこにもヒビ入ってないよ。」
私が見るとヒビは消えていた。
「まあ、それは後にして、もう一度本を開いてみて。僕が説明するよりわかりやす
いよ。」
おかしなことに本を開くと文字が書かれていた。
「すごいマジックみたい。」
Crystal Clear
ゲームです。
与えられた能力を使って多くのポイントを稼ぎましょう。
ランキング一位を目指しましょう。
ポイントは相手のクリスタルを転送すると入手できます。
自分のクリスタルは転送できません。
転送することによって入手できるポイントは変わります。
黒100pt
青20 pt
紫20 pt
赤15 pt
緑10 pt
黄5 pt
これで2ページ目は終わった。
ゲームの概要とルール
相手の寄生クリスタルを表紙にあるあなたのクリスタルに当てることで転送できます。
寄生クリスタルは相手の肉体にクリスタルをかざすことによって入手できます。
クリスタルの入手に関しては特にルールはありません。
ゲーム不参加者に対して能力を使うとペナルティが課されます。
これで3ページ目は終わった。
「え?これってゲームなの?」
「ああ、簡単に言うと、相手の寄生クリスタルを奪って転送するゲームだ。」
「その寄生クリスタルってなに?」
杏一は私のと同じような本を取り出した。
違う点は表紙の石が緑色のところだけだった。
「こうやって手の甲とかに表紙の石をかざすと出てくるよ。」
杏一がそう石を手にかざすと手の甲からエメラルドのようなものが出てきた後、しばらく浮いていた。そして、それを押しつぶすと消えた。
ここまでくると、手品とかそういう次元ではなく、超常現象のようなものだった。
「みもりちゃんもやってみて」
私は同じように表紙を手の甲にかざした。
すると、正六角形ぐらいの黒い石が浮き出た。その後、その石は机に落ちた。
私は杏一のものと同じように浮くと思っていたから、机に落ちた時には割れないか心配したが、割れてなかった。
「やっぱ黒なんだな。すごい。百点って羨ましいよ。」
「これが寄生クリスタルなのね。」
「ああ、それが寄生クリスタル。それを表紙のクリスタルに当てるとクリスタルが消えて転送される。」
「で、このゲームがあの子となんの関係があるの?」
「6ページ目を見てくれ、ランキングのページだ。」
私は6ページ目を開いた。
ランキング
1 黒百合美海 685pt
2 匿名 580pt
3 邑雨蘭洙 493pt
4 円山紬 460pt
5 水科月寧 364pt
6 大安一弥 360pt
7 末摘花織 321pt
8 棚木エリカ 300pt
9 佐々木沙奈枝 270pt
9 笠鬼紫苑 270pt
アーケードゲームみたいに順位づられている。
それに、一位があの子の名前。あの子の名字と名前の組み合わせからして同姓同名
の他人ではないだろう。なぜ、二年間姿を消しているにもかかわらず、ゲームを
やっているのだろうか。
「本当に生きてたんだ。それに一位って...」
「僕も驚いたよ、美海が生きてたことにね。それで、ここからが本題だ。みもりちゃんは美海に会いたいか?」
私はあの子に会った時のことを考えた。
前みたいに友達として、話せるだろうか。
私みたいに変わってないだろうか。
私はあの子と会うのが怖い。
でも、会わなければ何も変わらない。
何かを追い求めてるこの虚しさ、私を苛む喪失感も。
「会いたい」
会うことで何かが変わるのなら、私はなんでも受け入れる。
「わかった。7ページを見てくれ、7から8ページは情報のページだ。
その情報っていうのはゲームに関する情報や指定した人物のクリスタルの色、
場所、行動履歴、推定能力などがわかる。
その情報ってのはポイントで買うことができる」
「それでこの人物の場所ってのを購入するのね。」
「そうだ。」
「でも、どうやって購入するの?」
杏一は自分の本を私に見せた
「ここにちょっと空欄があるだろう?ここをこうやってなぞるんだ。」
杏一がなぞると黒百合美海の場所 300ptと文字が浮き出た。
「情報を買うには300pt稼がないといけない。君の今のポイントは100ポイント。そして、僕の今のポイントは20ポイント。あわせて120ポイント、あと180ポイント必要になる。」
「そのポイントってどうやってわかるの?それに、その180ポイント稼ぐのってどれくらいの時間がかかるの?」
「5ページを見てくれ、そこに現在のポイント数と順位が表示されている。
ちなみに、僕の順位は198位だよ。」
私は五ページを開けず自分のポイント数と順位を見た。
そこには100ポイント49位と書かれていた。
「何もしてないのに49位?それに、そもそも、なんで、私は100ポイントもあるの?」
「それはクリスタルの色に対してもともと入ってるポイントだよ。みもりちゃんのクリスタルの色は黒だから、百点入ってるんだよ。それに、このゲームはポイントを稼ぐのが難しいから、高得点の人が少ないんだよ。」
「それで、ポイントってどうやって稼ぐの?人のクリスタルを奪うといってもどうやって奪うの?」
「ああ、それはね、クリスタルによって、与えられる超能力を使って奪うのだよ。」
「は?超能力?」
「ほら、これ見て。」
杏一は机のスプーンとかフォークが入っている籠を指さした。
「それがどうしたの?」
杏一が指を少し上に向けると中に入っていたスプーンが浮いた。
「これが僕の能力。念力みたいな感じの超能力。」
さっきから目を疑うぐらいのことが連続して起こったため、あまり驚きはしなかった。
「その超能力が私にもあるわけ?」
「うん。どんな能力かわからないけど、あるよ。
それで、この超能力を使って近くにいる相手のクリスタルを奪う。
その相手は6ページにある状況ってところからわかるよ。」
私は6ページを開けた。
「近くにいますって書かれてる。」
「早いな。たぶん君を狙ってきてるんだよ。」
「え?なんで?」
「初心者だし、百点だからね。じゃあさっそく始めようか。人が多い所ではまず襲ってはこないから人が少ない所に行こう。」
「襲うって何?襲われるの?」
「そういうゲームだからね。大丈夫。僕が守るよ。それに、君の能力さえわかればたぶん勝てる。黒いクリスタルだからね。」
「そんなに危ないの?」
「うん。」
そういうと杏一はミルクセーキをすべて飲み干した後、会計して店を出た。
私は杏一についていった
「どこ行こうか。近くの公園に行く?それとも、路地裏?」
「路地裏ってどこの?そんなとこないでしょ、あの汚い公園に行こうよ。」
そして、私は近くの公園に行った。
思った通り平日なので人は私たち以外誰もいなかった。
休日だとしても、誰もいないけど。
この公園は管理されておらず、雑草も膝ぐらいまで生い茂っている。
それに遊具というものが設置されておらず、木にタイヤがつるされているだけ、
恐らくそれが遊具なのだろう。
「相変わらずこの公園汚いな。」
「どう来てる?」
「近くにいますって表示されてる。」
「いつ来るのかな。」
そう言った直後、「うっ!」と杏一が声を上げた。
杏一の方を見ると首を押さえていた。
首には血が着いていた。
「大丈夫。気にしないでくれ、表面で抑えたから。」
「どうしたの!?なにがあった?」
「いきなり能力を使ってきたね。」
杏一は首から手を離しその手を見た。
「これは石か、石を飛ばしてきたのか。」
「どこからとばしてきたの?」
「わからない。だけど、また飛ばしてくるってことだけわかるね。」
私は敵がどこにいるのか探した。
木の後ろか?それとも塀の裏に隠れているの?
探していると風を切るような音がした。
「ふぅ。危ない。間一髪って感じだね。」
私の目の前で石が浮いていた。
杏一が止めたのだろう。
「もうわかったそこだね。」
杏一はボールを投げるみたいに手を振した。
その動作につられるかのように石は木の上に飛んで行った。
すると大きい木の上から人が落ちてきた。
いや、落ちてきたというよりかは降りてきた。
「やっぱりばれるか。予め木の上に登っておいたのが無駄だったよ。」
木から落ちてきたのは私と同じ女子校の制服を来た高校生だった。
だけど、顔は知らなかった違う学年なのだろう。
「近くでよく見ると先輩じゃないですか。不良の。」
「私のこと知ってるの?それに、私は不良じゃない。」
「不良じゃないですか、髪も染めてますし」
「髪を染めてたら不良?そんなのおかしい。それに、校則に違反してないし。」
「いや、校則に違反してるとかじゃなくてっ――――」
言葉を言いかけた瞬間その高校生は木の方に飛んで行きに衝突した。
鈍い音がした後、木から葉が落ちてきた。
「――んうう」
その高校生はうずくまっていた。背中を強打したので、息ができていないようだった。
「容赦ないね」
杏一は念力を使って、高校生を飛ばしたのだろう。
「能力がどうゆうのかわからないからね。早いうちに手を打たないと」
杏一はその高校生に近づき、ポケットから本を取り出してその高校生にかざそうとした。
「――殺す」
「え?」
うずくまっていた高校生は立ち上がると同時に拳を杏一の顎に向かって振り上げた。
杏一はそれを避けると、高校生に手を振りかざした。
「....詰めが甘いんだよ...初心者が。...まずはお前からやってやるよ」
「なんで君それで立ってられるんだ?」
そう言うと高校生は横に飛び飛び込み、立ち上がると杏一に殴りかかった。
右拳は当たる寸前で制止した。
「わかった。お前の能力の対処法が」
杏一はさっきと同じように何かを投げるかのように手を動かした。
すると、その高校生はすこしふらついたが体の重心を低く保ち立っている。
「...さっきと同じように....飛ぶ...とは思うなよ」
その高校生は蹴りを念力によって受け止められた後、さっきと同じように右拳で殴り掛かった。またも同じように拳は静止したが、様子が違う。
杏一の腕が震えていた。
「やっぱりね。おまえが受けきれる力には限界がある」
「はは、どうかな。」
杏一はその拳を振り捨てるかのように手を動かし念力を使った。
その右拳は杏一に当たらず、杏一の横を突き抜けた。
その高校生は、その反動を利用して左肘打ち、右蹴りと連続して杏一に攻撃を仕掛けるが、杏一はどれも念力を使って止めた。だが、制止するというよりかは受けているような感じで、攻撃のたびに杏一は後ろへと下がっていった。もう杏一は相手のペースにのみこまれていた。攻撃を受けるばかりで、余裕がなさそうだった。
高校生が膝蹴りを繰り出した時、杏一は膝蹴りをもろにくらった。
「――ッ!」
念力を使ったようだが、杏一は腹を抱え地面に膝をついていた。
「はいザコ。お前の負けだよ」
跪いている杏一をその高校生はとどめを刺すように右こぶしを振りかざす。
「負けるのは君だよ」
その言葉を杏一が発した直後、その高校生は地面に崩れ落ちた。
「...なに...が起きた...?」
「単純なことだよ。君が僕にとどめをさそうとした時、君は勝ったという高揚感で油断する。その瞬間を僕は狙ったんだよ。」
何もなかったかのように杏一は立ち上がった。
「みもりちゃん。僕は能力を使って手を離せないから、今のうちにこの人のクリスタルを奪って」
私は抑えられているその高校生に近づき腕に本を近づけた。
腕からは赤いクリスタルが浮き出た。
地面に落ちたそれを私は手に取った。
「やめろおおおおおおおおお!転送するなあああああ!!!!!!!!!!」
「無視だ」
私は赤いクリスタルを表紙の黒い石に近づけた。
すると、赤いクリスタルは表紙の黒い石に飲み込まれたように消えた。
「ナイス!」
「死にたくない」
地面に倒れたその高校生がか細い声で言った
「は?死ぬ?なに言ってるの」
その高校生はなにも言い返さなかった。
その高校生はピクリとも動かなかった。
すでに、杏一は能力を使っていないのに。
「死んだよ、そいつ。救済使ってなかったんだね。たった15
ポイントなのに。」
「は?どういうこと?ゲームに私たちが勝って、こいつは負けただけじゃん。
なんで、死ぬことになるの?」
私はその高校生の肌を触った。
肌は気持ち悪いほど冷たくなっていた。
すると、「キビキビ」となにか音がした直後、その高校生が消えた。
瞬きする間もないほどの速さで気づいたら消えていた。
「完全に転送されたね。」
その高校生が存在していたことを証明する物はなにも残っていなかった。
これがクリスタルを転送するということかなのか。
私はこのゲームでポイントを稼ぐことの意味を理解した。
そして、このゲームは人の死を通して成り立っているということも。
あの子と私は中学校の時初めて出会った。
容姿は優れていて、その容姿はあらゆる人を魅了していた。男はもちろん女の子から告白されるってことも少なくないと言われていた。
頭も良く、部活に入っていて忙しいにも関わらず、成績はいつもトップ。友達も多く、あの子の周りにはいつも人がいた。
私もその数多くの友達の1人にすぎなかったと思っていた。
だけど、あの子はなぜか私とだけ仲良くしたがった。
私にだけ話しかけ、私と行動したがっていた。
私はそれに対して他とは違うと優越感を感じた。私だけがあの子の友達だと思っていた。周りからも妬まれ、私に対するいじめが始まった。上靴を切り裂かれたり、給食に虫を入れられた。学校に行くと自分の席が無いなんてこともあった。
そして、私はそのことをあの子に助けを求めた、あの子は怒りをみせるどころか、
冷たい目つきで私を見たまま何も言わなかった、優しい言葉を投げかけることもなかった。友達なら、私を守ってくれるはずなのに。
私は理解した、あの子は私を友達として扱ってない。
私にはわからない、誰かとして私と接している。
私はあの子に嫌悪感を抱いた。
それに、私は疑問に思った。
たった1人の人間のためになんでみんなこんなに必死になれるのだろうか。
あの子だって同じ人間。ましてや、同じ学生なのになぜあんな狂ったようにあの子に魅了されるのか。
わたしはあの子と関わるのはやめた、
すると、陰湿ないじめも無くなった。
あの子とまた会ったのは、高校生一年生の5月ぐらいだった。
あの子は県内でも偏差値が高い高校に通っていた。
私が駅ホームに座っているとあの子は私の隣に座った。
一番仲が良かったころと変わりないように気さくに話かけてきた。
最初は適当に相槌を打っていたが、あの子が次第に鬱陶しくなって、私はついに無視をした。
あの子はそれでも喋り続けていたのだが、やがて喋るのを辞めた。
「ごめんなさい。」
あの子はそう言うと泣き出した。
演技かとも思ったが、嗚咽交じりに泣く姿を見ると演技だと疑うことはできなかった。話を聞くと、あの子のことが、よくわかった。
私は初めて見せた彼女の弱さになぜか安心した。
あの子は完璧じゃなかった。
完璧なのは上っ面だけでただの女の子だった。
それから私はあの子と友達としてかかわるようになった。だけど、あの子が姿を消した後から、私はあの子は嘘をついていたんじゃないかと思う。
あの子が居なくなってから、心の内にある闇がいっそう感じられる。
あの子が姿を消してから約一年後の2017年5月5日。
私はあの子に関する情報を得る。
私は駅近くのカフェで待っていた。
待ち合わせ時間の五分前ぐらいに彼は到着した。
あの子と同じ高校に通っていた元交際相手である、龍造寺杏一《りゅうぞうじきょういち》だ。
「あれ、何その色。染めたの?」
待ち合わせのカフェに入り私を見ると杏一《きょういち》はそう言うと席に座った。
「なにか悪いわけ?」
私は今、髪を染めている。
別に意味はないけど、髪を染めるとなんか落ち着くような気がするから、高校に入ってから私は髪を金髪に染めている。
「いや、悪くはないよ。でも、僕はもっと淡い色のほうが好きかな。」
「ただの好みかよ」
「はは、そうだね。」
「お。ミルクセーキ頼んでてくれたんだね。ありがとー」
杏一はミルクセーキが大好きだ。
私にはあの味は甘すぎて口に合わないけど。
「おいしい」
一口飲むとニヤついた顔でそう言った
「それは、そうと、話って何?くだらない話だったら蹴るわよ。」
「怖いなぁ。教えるよ。」
杏一は深呼吸をした後、冷静な声で言った。
「黒百合美海《くろゆりよしみ》は生きている。」
「え?」
私は驚きのあまり声が出た。あの子が生きていることは信じていたけど、生きていると言われると歓喜よりも驚きが先に来た。
「今の君に教えられることはこれだけだ。これ以降知りたいなら最悪君に害が及ぶ場合がある。それでもいいなら、知る方法を教えよ」
「意味がわからないよ、あの子が生きていることと私に害があることにどういった関係があるの?」
「ごめんだけど、それは教えられない。だから、覚悟をしてほしい。害が及ぶっていう表現をしたけど、死ぬ可能性もあるかもしれない。」
真剣な顔で私にそう言う。杏一はよく嘘をつくが大体こんなこの時は嘘はつかない。ましてや、あの子のことについての嘘は絶対につかないだろう。そもそも、杏一からあの子の話をするのはめったにない。
だとしたら、どういうことかわからないけど、死ぬということも本当なのだろう。
「それでもいい。私は死んでもいいから、あの子について知りたい。」
私はどうしても知りたかった。この心の中の穴が埋まるのなら、死んでも良かった。
「そうだよな。じゃあ、まずこの表紙の石をみてほしい。」
そう言って手渡されたのは厚さ二センチ文庫本ぐらいの大きさの本だった。
表紙の真ん中には百円玉サイズの球形の透明な石が付いていた。
中身はパラパラと開くと全部白紙だった。
「うわ趣味が悪い...」
「そうか?僕は洒落《しゃれ》てるとおもうね。」
私は表紙の透明な石をまじまじと見つめた。
「ははは、めっちゃ細目になってんじゃん」
「はぁ?」
睨むと杏一は少し怯えたふりをした。
「もうすぐ色が着くかな。」
そういわれると透明な石は若干暗くなっていた。
すると突然透明な石が夜みたいに暗くなった。
「キビッ!」と音が鳴って表紙にある百円玉ぐらいの大きさの円形の石には ヒビが入った。
?
「どう?色が完全に着いた?」
私は表紙を見せた。
「うわ、黒か。すごいな。」
「え?これってどういうこと?色が着いたと思ったら、ヒビが入ったんだけど大丈夫?」
杏一は表紙の石を見つめた。
「ん?どこにもヒビ入ってないよ。」
私が見るとヒビは消えていた。
「まあ、それは後にして、もう一度本を開いてみて。僕が説明するよりわかりやす
いよ。」
おかしなことに本を開くと文字が書かれていた。
「すごいマジックみたい。」
Crystal Clear
ゲームです。
与えられた能力を使って多くのポイントを稼ぎましょう。
ランキング一位を目指しましょう。
ポイントは相手のクリスタルを転送すると入手できます。
自分のクリスタルは転送できません。
転送することによって入手できるポイントは変わります。
黒100pt
青20 pt
紫20 pt
赤15 pt
緑10 pt
黄5 pt
これで2ページ目は終わった。
ゲームの概要とルール
相手の寄生クリスタルを表紙にあるあなたのクリスタルに当てることで転送できます。
寄生クリスタルは相手の肉体にクリスタルをかざすことによって入手できます。
クリスタルの入手に関しては特にルールはありません。
ゲーム不参加者に対して能力を使うとペナルティが課されます。
これで3ページ目は終わった。
「え?これってゲームなの?」
「ああ、簡単に言うと、相手の寄生クリスタルを奪って転送するゲームだ。」
「その寄生クリスタルってなに?」
杏一は私のと同じような本を取り出した。
違う点は表紙の石が緑色のところだけだった。
「こうやって手の甲とかに表紙の石をかざすと出てくるよ。」
杏一がそう石を手にかざすと手の甲からエメラルドのようなものが出てきた後、しばらく浮いていた。そして、それを押しつぶすと消えた。
ここまでくると、手品とかそういう次元ではなく、超常現象のようなものだった。
「みもりちゃんもやってみて」
私は同じように表紙を手の甲にかざした。
すると、正六角形ぐらいの黒い石が浮き出た。その後、その石は机に落ちた。
私は杏一のものと同じように浮くと思っていたから、机に落ちた時には割れないか心配したが、割れてなかった。
「やっぱ黒なんだな。すごい。百点って羨ましいよ。」
「これが寄生クリスタルなのね。」
「ああ、それが寄生クリスタル。それを表紙のクリスタルに当てるとクリスタルが消えて転送される。」
「で、このゲームがあの子となんの関係があるの?」
「6ページ目を見てくれ、ランキングのページだ。」
私は6ページ目を開いた。
ランキング
1 黒百合美海 685pt
2 匿名 580pt
3 邑雨蘭洙 493pt
4 円山紬 460pt
5 水科月寧 364pt
6 大安一弥 360pt
7 末摘花織 321pt
8 棚木エリカ 300pt
9 佐々木沙奈枝 270pt
9 笠鬼紫苑 270pt
アーケードゲームみたいに順位づられている。
それに、一位があの子の名前。あの子の名字と名前の組み合わせからして同姓同名
の他人ではないだろう。なぜ、二年間姿を消しているにもかかわらず、ゲームを
やっているのだろうか。
「本当に生きてたんだ。それに一位って...」
「僕も驚いたよ、美海が生きてたことにね。それで、ここからが本題だ。みもりちゃんは美海に会いたいか?」
私はあの子に会った時のことを考えた。
前みたいに友達として、話せるだろうか。
私みたいに変わってないだろうか。
私はあの子と会うのが怖い。
でも、会わなければ何も変わらない。
何かを追い求めてるこの虚しさ、私を苛む喪失感も。
「会いたい」
会うことで何かが変わるのなら、私はなんでも受け入れる。
「わかった。7ページを見てくれ、7から8ページは情報のページだ。
その情報っていうのはゲームに関する情報や指定した人物のクリスタルの色、
場所、行動履歴、推定能力などがわかる。
その情報ってのはポイントで買うことができる」
「それでこの人物の場所ってのを購入するのね。」
「そうだ。」
「でも、どうやって購入するの?」
杏一は自分の本を私に見せた
「ここにちょっと空欄があるだろう?ここをこうやってなぞるんだ。」
杏一がなぞると黒百合美海の場所 300ptと文字が浮き出た。
「情報を買うには300pt稼がないといけない。君の今のポイントは100ポイント。そして、僕の今のポイントは20ポイント。あわせて120ポイント、あと180ポイント必要になる。」
「そのポイントってどうやってわかるの?それに、その180ポイント稼ぐのってどれくらいの時間がかかるの?」
「5ページを見てくれ、そこに現在のポイント数と順位が表示されている。
ちなみに、僕の順位は198位だよ。」
私は五ページを開けず自分のポイント数と順位を見た。
そこには100ポイント49位と書かれていた。
「何もしてないのに49位?それに、そもそも、なんで、私は100ポイントもあるの?」
「それはクリスタルの色に対してもともと入ってるポイントだよ。みもりちゃんのクリスタルの色は黒だから、百点入ってるんだよ。それに、このゲームはポイントを稼ぐのが難しいから、高得点の人が少ないんだよ。」
「それで、ポイントってどうやって稼ぐの?人のクリスタルを奪うといってもどうやって奪うの?」
「ああ、それはね、クリスタルによって、与えられる超能力を使って奪うのだよ。」
「は?超能力?」
「ほら、これ見て。」
杏一は机のスプーンとかフォークが入っている籠を指さした。
「それがどうしたの?」
杏一が指を少し上に向けると中に入っていたスプーンが浮いた。
「これが僕の能力。念力みたいな感じの超能力。」
さっきから目を疑うぐらいのことが連続して起こったため、あまり驚きはしなかった。
「その超能力が私にもあるわけ?」
「うん。どんな能力かわからないけど、あるよ。
それで、この超能力を使って近くにいる相手のクリスタルを奪う。
その相手は6ページにある状況ってところからわかるよ。」
私は6ページを開けた。
「近くにいますって書かれてる。」
「早いな。たぶん君を狙ってきてるんだよ。」
「え?なんで?」
「初心者だし、百点だからね。じゃあさっそく始めようか。人が多い所ではまず襲ってはこないから人が少ない所に行こう。」
「襲うって何?襲われるの?」
「そういうゲームだからね。大丈夫。僕が守るよ。それに、君の能力さえわかればたぶん勝てる。黒いクリスタルだからね。」
「そんなに危ないの?」
「うん。」
そういうと杏一はミルクセーキをすべて飲み干した後、会計して店を出た。
私は杏一についていった
「どこ行こうか。近くの公園に行く?それとも、路地裏?」
「路地裏ってどこの?そんなとこないでしょ、あの汚い公園に行こうよ。」
そして、私は近くの公園に行った。
思った通り平日なので人は私たち以外誰もいなかった。
休日だとしても、誰もいないけど。
この公園は管理されておらず、雑草も膝ぐらいまで生い茂っている。
それに遊具というものが設置されておらず、木にタイヤがつるされているだけ、
恐らくそれが遊具なのだろう。
「相変わらずこの公園汚いな。」
「どう来てる?」
「近くにいますって表示されてる。」
「いつ来るのかな。」
そう言った直後、「うっ!」と杏一が声を上げた。
杏一の方を見ると首を押さえていた。
首には血が着いていた。
「大丈夫。気にしないでくれ、表面で抑えたから。」
「どうしたの!?なにがあった?」
「いきなり能力を使ってきたね。」
杏一は首から手を離しその手を見た。
「これは石か、石を飛ばしてきたのか。」
「どこからとばしてきたの?」
「わからない。だけど、また飛ばしてくるってことだけわかるね。」
私は敵がどこにいるのか探した。
木の後ろか?それとも塀の裏に隠れているの?
探していると風を切るような音がした。
「ふぅ。危ない。間一髪って感じだね。」
私の目の前で石が浮いていた。
杏一が止めたのだろう。
「もうわかったそこだね。」
杏一はボールを投げるみたいに手を振した。
その動作につられるかのように石は木の上に飛んで行った。
すると大きい木の上から人が落ちてきた。
いや、落ちてきたというよりかは降りてきた。
「やっぱりばれるか。予め木の上に登っておいたのが無駄だったよ。」
木から落ちてきたのは私と同じ女子校の制服を来た高校生だった。
だけど、顔は知らなかった違う学年なのだろう。
「近くでよく見ると先輩じゃないですか。不良の。」
「私のこと知ってるの?それに、私は不良じゃない。」
「不良じゃないですか、髪も染めてますし」
「髪を染めてたら不良?そんなのおかしい。それに、校則に違反してないし。」
「いや、校則に違反してるとかじゃなくてっ――――」
言葉を言いかけた瞬間その高校生は木の方に飛んで行きに衝突した。
鈍い音がした後、木から葉が落ちてきた。
「――んうう」
その高校生はうずくまっていた。背中を強打したので、息ができていないようだった。
「容赦ないね」
杏一は念力を使って、高校生を飛ばしたのだろう。
「能力がどうゆうのかわからないからね。早いうちに手を打たないと」
杏一はその高校生に近づき、ポケットから本を取り出してその高校生にかざそうとした。
「――殺す」
「え?」
うずくまっていた高校生は立ち上がると同時に拳を杏一の顎に向かって振り上げた。
杏一はそれを避けると、高校生に手を振りかざした。
「....詰めが甘いんだよ...初心者が。...まずはお前からやってやるよ」
「なんで君それで立ってられるんだ?」
そう言うと高校生は横に飛び飛び込み、立ち上がると杏一に殴りかかった。
右拳は当たる寸前で制止した。
「わかった。お前の能力の対処法が」
杏一はさっきと同じように何かを投げるかのように手を動かした。
すると、その高校生はすこしふらついたが体の重心を低く保ち立っている。
「...さっきと同じように....飛ぶ...とは思うなよ」
その高校生は蹴りを念力によって受け止められた後、さっきと同じように右拳で殴り掛かった。またも同じように拳は静止したが、様子が違う。
杏一の腕が震えていた。
「やっぱりね。おまえが受けきれる力には限界がある」
「はは、どうかな。」
杏一はその拳を振り捨てるかのように手を動かし念力を使った。
その右拳は杏一に当たらず、杏一の横を突き抜けた。
その高校生は、その反動を利用して左肘打ち、右蹴りと連続して杏一に攻撃を仕掛けるが、杏一はどれも念力を使って止めた。だが、制止するというよりかは受けているような感じで、攻撃のたびに杏一は後ろへと下がっていった。もう杏一は相手のペースにのみこまれていた。攻撃を受けるばかりで、余裕がなさそうだった。
高校生が膝蹴りを繰り出した時、杏一は膝蹴りをもろにくらった。
「――ッ!」
念力を使ったようだが、杏一は腹を抱え地面に膝をついていた。
「はいザコ。お前の負けだよ」
跪いている杏一をその高校生はとどめを刺すように右こぶしを振りかざす。
「負けるのは君だよ」
その言葉を杏一が発した直後、その高校生は地面に崩れ落ちた。
「...なに...が起きた...?」
「単純なことだよ。君が僕にとどめをさそうとした時、君は勝ったという高揚感で油断する。その瞬間を僕は狙ったんだよ。」
何もなかったかのように杏一は立ち上がった。
「みもりちゃん。僕は能力を使って手を離せないから、今のうちにこの人のクリスタルを奪って」
私は抑えられているその高校生に近づき腕に本を近づけた。
腕からは赤いクリスタルが浮き出た。
地面に落ちたそれを私は手に取った。
「やめろおおおおおおおおお!転送するなあああああ!!!!!!!!!!」
「無視だ」
私は赤いクリスタルを表紙の黒い石に近づけた。
すると、赤いクリスタルは表紙の黒い石に飲み込まれたように消えた。
「ナイス!」
「死にたくない」
地面に倒れたその高校生がか細い声で言った
「は?死ぬ?なに言ってるの」
その高校生はなにも言い返さなかった。
その高校生はピクリとも動かなかった。
すでに、杏一は能力を使っていないのに。
「死んだよ、そいつ。救済使ってなかったんだね。たった15
ポイントなのに。」
「は?どういうこと?ゲームに私たちが勝って、こいつは負けただけじゃん。
なんで、死ぬことになるの?」
私はその高校生の肌を触った。
肌は気持ち悪いほど冷たくなっていた。
すると、「キビキビ」となにか音がした直後、その高校生が消えた。
瞬きする間もないほどの速さで気づいたら消えていた。
「完全に転送されたね。」
その高校生が存在していたことを証明する物はなにも残っていなかった。
これがクリスタルを転送するということかなのか。
私はこのゲームでポイントを稼ぐことの意味を理解した。
そして、このゲームは人の死を通して成り立っているということも。
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