5 / 11
第5話 現代日本でのお仕事
しおりを挟む
ダンジョン攻略が終わり日常が戻った。それから暫くはダンジョンの気配も感じていない。
ダンジョンから出た後ステータスを確認した俺だったが――
ステータス
名前 飛斗
レベル20
戦闘力1050
気力1200
魔導力1150
魔力1300
スキル
・迷宮喰らい・デスケープ・風魔法・土魔法・魔法耐性(小)・罠解除・迷宮察知・鑑定阻害
称号
・迷宮殺し・異世界の交流者・現代迷宮の先駆者
魔法
初級風魔法
・ウィンドカッター・ウィンドステップ
中級風魔法
・フライト・ウィンドアロー・ワールウィンド・エアロハンマー
初級土魔法
・ストーンボルト・ロックサークル
新たに魔法も覚えたから今回も魔法も含めて確認したけど、しっかり迷宮喰らいの結果が反映されていたな。
とにかくよかった。まぁこの先ダンジョンが現れることなければステータスの変化も意味ない。
もっとも平和な暮らしに慣れた俺からすればその方がいい。あんなものが人の目に触れたら大騒ぎだしな。
「店員さんちょっといいかな?」
「あ、はいただいま~」
あれからもリサイクルショップでの仕事は続いている。接客にも大分慣れてきた。今では日本語も問題なくつかいこなしているしな。
「このパソコンってゲーム出来る?」
「う~ん。これはグラボがついてないので3D系は厳しいですね。何かやりたいゲームがあるのですか?」
「息子がね。これがやりたいらしくて新品は高いからねぇ」
「なるほど……これであれば――」
うちではパソコンも扱っている。パーツ毎の買い取りも行っているのでそれらを組み合わせた物も売っていたりする。
個人的にはゲーム用途なら新品の方が無難だと思うが予算の面で相談されることもある。そういう時はできるだけ希望に沿う形で選んであげることもある。
「ありがとう。色々教えてくれて助かったよ」
「いえいえお買い上げ頂きありがとうございます」
相談に乗ってあげて喜ばれると嬉しい気分になるな。こういう穏やかな空気は魔王軍では味わえなかった。
「もう接客も完璧ですね飛斗さん」
仕事中メガネを掛けた女の子に声を掛けられた。彼女は本多 栞。
俺を拾ってくれた爺さんの孫娘だ。こっちの世界に来た当初はまだ学生だった彼女だが昨年短大を卒業し、その後このリサイクルショップに隣接されている古書店で働いている。
まぁどちらも爺さんの店ではあるんだけどな。彼女はもともと読書が好きらしく本に囲まれて仕事をするのが夢だったようだから丁度良かったようだ。
「それなりに長いからね。それも本多さんの力添えも大きいかな」
「そ、そんな私なんて……」
彼女が両手を振って謙遜した。俺としてはお世辞のつもりはない。当時学生だった彼女だが本の読み方など暇があったら教えてくれたのは彼女だ。
この国の常識などは爺さんから教わったが読み書きについては彼女に聞くことも多かったし今では感謝している。
「古書店の方はどう? 順調?」
「はい。元々はお婆ちゃんが立っていてその時からの常連のお客様も良く来てくれるので」
そう言って彼女が微笑んだ。いい笑顔だなと思う。彼女のお婆ちゃんについても俺はよく知っている。
礼儀作法はお婆ちゃんから教わったようなものだしな。この店を手伝うことになってからは接客についてもだ。
今は孫に任せたことで毎日は顔を出さなくなったけどな。それでも時折様子は見に来てくれていた。
それはいいのだが何故か俺の前で良く、こうなったら曾孫の顔も見てみたいものだねぇ、なんてことを言ってきたりする。
何故俺の前でいうのか。まぁ孫の彼女もよく言われているみたいで困ったように頬を染めていたけどな。
「あ、あの、ところで飛斗さん。そのお昼はどうされますか?」
「えぇ。近所に食べに行こうかなと」
「そ、それなら……」
「あの、店員さんはいますか?」
「あ、本多さんお客様ですよ」
「あ、いけない!」
彼女が慌ててカウンターに戻っていった。何か言いかけていたけどなんだったのかな?
まぁいっか。忙しそうだし、俺は予定通り近所の定食屋で昼食を取リ、その後も仕事を続けた。
その後も暫くダンジョンの気配も感じず俺も忘れかけていたころ――
(またこの感じ……)
週初めの月曜日にまたダンジョンの気配を感じ取った。流石に仕事を放置してはおけないから交代の子が来るまで待ち仕事が終わると同時にすぐに気配の感じられる場所に向かった。
場所は今回は山の中だった。ぽっかりと空いた闇穴がいかにもダンジョンっぽい。
「ふぅ。仕方ないこれもちゃっちゃと片付けるか――」
ダンジョンから出た後ステータスを確認した俺だったが――
ステータス
名前 飛斗
レベル20
戦闘力1050
気力1200
魔導力1150
魔力1300
スキル
・迷宮喰らい・デスケープ・風魔法・土魔法・魔法耐性(小)・罠解除・迷宮察知・鑑定阻害
称号
・迷宮殺し・異世界の交流者・現代迷宮の先駆者
魔法
初級風魔法
・ウィンドカッター・ウィンドステップ
中級風魔法
・フライト・ウィンドアロー・ワールウィンド・エアロハンマー
初級土魔法
・ストーンボルト・ロックサークル
新たに魔法も覚えたから今回も魔法も含めて確認したけど、しっかり迷宮喰らいの結果が反映されていたな。
とにかくよかった。まぁこの先ダンジョンが現れることなければステータスの変化も意味ない。
もっとも平和な暮らしに慣れた俺からすればその方がいい。あんなものが人の目に触れたら大騒ぎだしな。
「店員さんちょっといいかな?」
「あ、はいただいま~」
あれからもリサイクルショップでの仕事は続いている。接客にも大分慣れてきた。今では日本語も問題なくつかいこなしているしな。
「このパソコンってゲーム出来る?」
「う~ん。これはグラボがついてないので3D系は厳しいですね。何かやりたいゲームがあるのですか?」
「息子がね。これがやりたいらしくて新品は高いからねぇ」
「なるほど……これであれば――」
うちではパソコンも扱っている。パーツ毎の買い取りも行っているのでそれらを組み合わせた物も売っていたりする。
個人的にはゲーム用途なら新品の方が無難だと思うが予算の面で相談されることもある。そういう時はできるだけ希望に沿う形で選んであげることもある。
「ありがとう。色々教えてくれて助かったよ」
「いえいえお買い上げ頂きありがとうございます」
相談に乗ってあげて喜ばれると嬉しい気分になるな。こういう穏やかな空気は魔王軍では味わえなかった。
「もう接客も完璧ですね飛斗さん」
仕事中メガネを掛けた女の子に声を掛けられた。彼女は本多 栞。
俺を拾ってくれた爺さんの孫娘だ。こっちの世界に来た当初はまだ学生だった彼女だが昨年短大を卒業し、その後このリサイクルショップに隣接されている古書店で働いている。
まぁどちらも爺さんの店ではあるんだけどな。彼女はもともと読書が好きらしく本に囲まれて仕事をするのが夢だったようだから丁度良かったようだ。
「それなりに長いからね。それも本多さんの力添えも大きいかな」
「そ、そんな私なんて……」
彼女が両手を振って謙遜した。俺としてはお世辞のつもりはない。当時学生だった彼女だが本の読み方など暇があったら教えてくれたのは彼女だ。
この国の常識などは爺さんから教わったが読み書きについては彼女に聞くことも多かったし今では感謝している。
「古書店の方はどう? 順調?」
「はい。元々はお婆ちゃんが立っていてその時からの常連のお客様も良く来てくれるので」
そう言って彼女が微笑んだ。いい笑顔だなと思う。彼女のお婆ちゃんについても俺はよく知っている。
礼儀作法はお婆ちゃんから教わったようなものだしな。この店を手伝うことになってからは接客についてもだ。
今は孫に任せたことで毎日は顔を出さなくなったけどな。それでも時折様子は見に来てくれていた。
それはいいのだが何故か俺の前で良く、こうなったら曾孫の顔も見てみたいものだねぇ、なんてことを言ってきたりする。
何故俺の前でいうのか。まぁ孫の彼女もよく言われているみたいで困ったように頬を染めていたけどな。
「あ、あの、ところで飛斗さん。そのお昼はどうされますか?」
「えぇ。近所に食べに行こうかなと」
「そ、それなら……」
「あの、店員さんはいますか?」
「あ、本多さんお客様ですよ」
「あ、いけない!」
彼女が慌ててカウンターに戻っていった。何か言いかけていたけどなんだったのかな?
まぁいっか。忙しそうだし、俺は予定通り近所の定食屋で昼食を取リ、その後も仕事を続けた。
その後も暫くダンジョンの気配も感じず俺も忘れかけていたころ――
(またこの感じ……)
週初めの月曜日にまたダンジョンの気配を感じ取った。流石に仕事を放置してはおけないから交代の子が来るまで待ち仕事が終わると同時にすぐに気配の感じられる場所に向かった。
場所は今回は山の中だった。ぽっかりと空いた闇穴がいかにもダンジョンっぽい。
「ふぅ。仕方ないこれもちゃっちゃと片付けるか――」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~
仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる