異世界球技無双~最強すぎる必殺シュートで伝説のドラゴンや魔王も全てふっ飛ばす!~

空地大乃

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第2章 球技を扱う冒険者編

第62話 アンデッド退治に向かう者

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「本当不気味なところね」
「文句を言うな。出張所に来る依頼にしては報酬も大きかったわけだしな」
「フフフッ。ですがすっかり日も暮れましたね。空には満月。まさにアンデッドが出るにふさわしい夜です」

 オーガスタは新しく加入することになった冒険者達と一緒に目的地に向かっていた。

 今回の依頼では急に目撃証言の増えたアンデッドの調査及び撃退だった。ただし撃退はあくまで可能であればという条件付きだ。

「でもアンデッドか。ちょっと不安ね」
「カッカッカ。心配するなオービー。どんなアンデッドだろうとこの俺様の筋肉でぶっ壊してやる!」
「全くダフは脳筋だな。とは言え俺だって対アンデッド用の魔法の剣を持ってきたからな。これさえあれば心配いらねぇって」
「はは。皆さん倒す気満々ですね。一応調査だけでも報酬は出ますが」

 やる気満々の三人にオーガスタが言う。条件を確認するような口ぶりであった。

「そんなもの退治した金額に比べたら微々たるものだろう? こっちもそれなりに準備してやってきてるのに調査だけじゃ割にあわないぜ。オービーだって火魔法が使えるし大体あんたも加入してくれた。アンデッド相手なら任せておけと言ってただろう?」
「はは、確かに。私は神官の中でもアンデッドを専門・・としてましたからね」

 ボギーに問われオーガスタが返す。相変わらずにこやかな態度で接していた。

「でも教会にもそんな専門がいるのね」
「いえいえ、私はどちらかと言うと変わり者でしたので」

 頬をポリポリと掻きながらオーガスタが答える。へぇ、とオービーが気のない返事をした。

「ま、ここは俺のパワーにも期待してもらおうか」
「そうですね。貴方の怪力には私も注目してますよ」
「あっはっは当然だ。せっかく入ってもらって悪いがあんたの出番はないかもな」

 腕をぐいっと曲げダフが筋肉を見せつけた。三人はアンデッド退治に乗り気だった。それはオーガスタにとっても喜ばしいことだった。

 そして――ウゥ、ヴゥ、という喉が潰れたような不安定な呻き声が彼らの耳に届く。

「この声、来やがったか!」
「はっはっは。よっしゃ俺の筋肉の餌食だ!」
「仕方ないわね。私の火魔法で焼き尽くしてあげる」
「ではアンデッド用の支援魔法を行使しましょう」
 
 そしてオーガスタが詠唱すると彼らの全身が紫色の淡い光に包まれた。

「お? 何だこれは?」
「対アンデッド用の魔法ですよ。これであなた達はアンデッドに対して有利になれる筈です」
「ガッハッハ。俺様のパワーがあればそんなもの必要ないが、ま、ありがたく受け取っておこう」
「凄いじゃない。これだけでもあの使えない馬鹿女より十分役立ってるわ」
「あぁ、これは雇って正解だったな。よっしゃさっさと片付けるぞ!」

 こうして意気揚々と向かって来たアンデッドの群れに突撃する三人。そして彼らの攻撃も魔法も面白いようにアンデッドに通じた。

 苦戦することもなくあっさりとやられていくアンデッドに三人は高揚感も覚えているようだった。

 これで依頼も余裕で達成できるとそう考えていたことだろう。最初だけは。

「お、おいどうなってやがる!」
「倒しても倒しても起き上がってくるんですけど! 火で燃やしてもまた起き上がるし!」
「くっ、俺様の筋肉でさっきからぶっ壊してる筈なのに何故だ!」

 そう。彼らの攻撃は効いてるようで実は全く効いてなかった。

「おいオーガスタ! てめぇもぼ~っと見てないで手伝え!」
「そうよ! 大体対アンデッド用の魔法も効き目薄くなってきてるじゃない! 早く掛け直してよ!」
「俺の筋肉が傷ついてきた。早く回復しろ!」

 三人がオーガスタに頼む、というより強気に命じてきた。三人揃って我が強い。

「はて? 何故私がそのようなことを?」
「「「は?」」」

 だがオーガスタの反応は彼らの思っていた物と違った。どこか淡々としていて、とても冷たい。

「おま、ふざけるなよ! 何の為に雇ったと思ってんだ!」
「そうよあんたも追放されたいわけ!」
「あの女のようにのけものにされてもいいのか!」
「アッハッハこれは面白い。どうやらお前たちはまだ自分の立場がわかってないようだな」

 三人の怒声を平然と受け止めオーガスタはどこか見下したような顔で言い放つ。

「立場、だと? オマエこそ自分の立場がグフッ! あ?」

 ダフが怪訝そうに眉を顰めるがその直後吐血した。口からぼたぼたと血が流れ落ちていく。

「ちょ、ダフどうしたのあん、あん、あれ? 何か目の前が、真っ赤……」
「ぐぉおぉおおお! どうなってる! どうなってる! 俺の筋肉から血が! 血がぁああ!」
「はは。どうやら始まったようですね」
「は、始まっただと? オマエナニ、ヲ……」
「もっと早く気づくべきでしたね。例えばここにいるアンデッドの姿がどうみても元冒険者のソレな事など。よく観察しておけば気がつけた筈ですが?」
「ア"――」
「エ"」
「ヴォ……」

 三人から発せられる声も変化していた。元の人の声から化物そう今戦っていたアンデッドから発せられるような不安定な声に。

「丁度お前たちで百人目ですよ。ふふっ生きた人間をそのままアンデッド化させるのは少々手間が必要でね。敢えて依頼という餌を使って集めていたのだよ。と言ってももう聞こえてないか。はは、まぁ安心した前。アンデッド化したお前たちのことはこの闇屍官やみしんかんである私が存分に使いこなしてやろう光栄に思うが良い――」
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