異世界球技無双~最強すぎる必殺シュートで伝説のドラゴンや魔王も全てふっ飛ばす!~

空地大乃

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第2章 球技を扱う冒険者編

第80話 ボールとの信頼関係は本物

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「ボール様は神の使徒様なのだぞ! それを蹴るなど罰当たりなことをしおってからに! ボール様やはりこんな不届き者に任せてはおけません!」
「キュ~!」

 長老がキングにむけて怒鳴り散らしボールに呼びかけた。
 
 だが、肝心のボールが不機嫌そうな声を上げ跳ね回りながら長老に体当りしていく。

「痛ッ! ちょ、やめてくださいボール様!」
「キュッキュッ! キュ~!」

 長老が頭を押さえて困惑していた。その様子にキングが苦笑しつつボールを掴んだ。

「そこまでだボール。いきなり今のを見たら長老が心配するのもわかるってものだしな」

 ボールを撫でつつキングが宥めた。ボールもキングの行為で大分落ち着いたようである。

「まぁ友だちと言っていたのに蹴るんだからな」

 ハスラーが肩をすくめてみせた。もっとも口ではこう言っていてもキングとボールの間に厚い信頼関係が結ばれているのを彼も知っている。

「でもそれは信頼あってこその行為よ」
「そうですね。ボールちゃんも嫌がってませんので」

 ウィンの発言にアドレスが頷いた。そもそもここにいる全員ボールから生まれた分体を利用して球技で戦っている。

 そういう意味でキングと志は一緒と言えるだろう。

「キングとの関係が良好なのはボールが嫌がってないどころか長老に怒ってることから明らかよ。そんなこともわからないなんて耄碌してるんじゃないの」
「ぐぬぬ――」

 長老は随分と悔しそうにしていた。だがあれだけ蹴られてもなおキングに寄り添い嬉しそうにしているボールを見て、はぁ、とため息をつく。

「……完全に納得したわけじゃないが仕方ない」
「そうよ。大体私達の力はボールがいないと成り立たないわけだし、事件を解決したいなら大人しく見ておくことね」
「むぅ……」
 
 長老もそれを言われては返す言葉もなかったようだ。今は森の問題を解決するのが先決だからだ。

 それから暫く進んだ一行だが先では闇落ちした精霊は勿論、森の変化によって新たに出現したモンスターに行く手を阻まられた。

「くっ、こいつ!」
「結構硬いぜ――」

 現れたのは双頭の巨大な蜥蜴だった。キングにばかり任せておけないとウィンとハスラーが挑みかかるがかなりのタフネスであり双方の攻撃も効果が薄い。

 そうこうしているうちに巨大な蜥蜴が周囲に毒を撒き散らした。

「ゴホッ! これヤバっ」
「あ、アドレス!」

 毒を吸い込みウィンが苦しげに呻きハスラーがアドレスを呼んだ。

「キュア・アプローチ!」

 アドレスが杖を改良したクラブでゴルフボールを打った。だがボールが二人を飛び越えてしまう。

「あぁ、やっちゃった!」
「大丈夫だ!」

 しかし飛び出したキングが回り込みゴルフボールを受け止め二人の間の地面に向けて投げた。

 これはキングが送球ハンドボールの技術を会得していたからこそ出来た芸当だ。

 これによって二人の毒は解消された。そしてキングは同時にボールをベースボールに変化させ蜥蜴のモンスターめがけて投球する。

「超冒険者ボール1st!」

 キングの手からはなれたボールが消え、かと思えばモンスターに命中していた。空間を歪ませるほどの魔球が命中すると同時に瞬間空間爆発を引き起こし強い衝撃によってモンスターを吹き飛ばした。

 魔球の威力をまともにうけ地面を転がった蜥蜴のモンスターは二度と立ち上がることはなく、その様子に長老も驚いていた。

 だが、キングに対しては言葉も出ない様子だったが――

「確かにキングは凄い。ボール様が認めただけのことはある。だがお前らはまだまだなようだな。特にウィンよ。偉そうなことを言っておいてその程度とは情けない」
「う、うぅう……」

 長老に指摘されウィンが呻いた。いやウィンだけではなくハスラーやアドレスも今の戦いで己の不甲斐なさを痛感したようである。

「長老の言うとおりだ。今の三人の力はまだまだ完全ではない」

 するとキングも長老の考えに同意を示した。三人がぎょっとした顔を見せる。

「キング、もしかして私達足手……まとい?」

 自然と三人を代表してウィンが問いかけていた。だがキングは首を横に振り否定する。

「そうではない。長老俺三人は日々努力し力をつけてきている。だが現状の道具では三人の力を引き出せないのだ」
「……道具――」

 そしてキングの説明に耳を傾ける長老なのであった――
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