18 / 49
2巻
2-2
しおりを挟む
「さっきも言ったけどね、大した話じゃないのさ。ジェイがまだ幼い頃のことなんだけど。あいつの父親――つまり先代の王、ディングスと言ったんだけどね」
それからステンが説明してくれたところによると、ドワーフたちがカルセル王国にいた頃は、ディングスが皆を纏めていたようだ。ちなみにステンは王妃、つまりエフの祖母のホールと仲が良かったらしい。
「ディングスの腕は確かに良かったし、仕事も多かった。だけどね、ある時から魔導建築士が物作りで頭角を現すようになってね。当時はドワーフが建物の建築も任されていたから、危機感を覚えていったのさ」
なるほど。そういえばそんな話も師匠から聞いたことがあるかもしれない。
ただ、頭角を現してきたということは、俺の師匠よりも更に前の代の話、魔導建築の始祖の話かな。魔導建築の歴史はまだまだ浅いからな。俺でまだ四代目だし。
「特に大掛かりな工事は、魔導建築士が現場で監督をやるようになっていたからね」
「え~。でもそれって、魔導建築士の技術が優れていたってことでしょう?」
エフが口を挟む。
「はは、まったくもってその通りさ。ただドワーフの特に男は我が強くてね。それに技術面では人間をはるか下に見ていた。物作りに関してなら自分たちこそが世界でナンバーワンだと信じて疑わないのがドワーフの男さ。だから、魔導建築士が認められるのが許せなかったんだろうね。結果的に、先代の王は魔導建築士に技術比べの勝負を挑んだ。そして、見事に負けたのさ」
勝負で負けた……つまりそれが原因で魔導建築士を恨んでいるということか?
「ちょっと待ってよ。まさかその恨みがあるからワークを受け入れられないってこと? でも、流石にそれは大人げないし、ただの逆ギレじゃない」
俺の気持ちを代弁するようにエフが言った。ドワーフには悪いが、俺も同じことを思った。お互い真剣に勝負をしたなら、結果は甘んじて受け入れるべきだろう。
「エフちゃんの言う通りさ。全くもって馬鹿げた話だ。しかも勝った魔導建築士は、ドワーフの技術は認めていた。争うのではなく協力し合うことで、より高い技術を発揮して建築レベルが向上するとも言っていた。だけど、ディングスはそれを受け入れられなかった。私もその勝負は見ていたのだけどね、ディングスは魔導建築士が不正したと叫んで負けを認めさえしなかったのさ」
負けを認めなかった――ドワーフ側が?
「結局その後、ディングスとドワーフたちは国を出て海を渡り、この島に流れ着いたってことさ」
「そうだったのか……」
ステンの話が終わり、俺は頷いた。しかし、ちょっと気になることもある。
「う~ん、でもそれって結局負けを認められなくて出て行っちゃったってことよね。魔導建築士も何も悪くないじゃない」
またしても、エフが俺の気持ちを代弁してくれた。
「だから馬鹿らしい話ってことさ。ただ当時のディングスは随分と思いつめた顔をしていたからね。私も付き合って皆で出てきちまった。そしてこの島を見つけたんだけど、ここは鉱物の宝庫でね。ディングスはそれを見つけて、そっからはずっと鍛冶に没頭してるのさ」
「ジェイはその意志を引き継いでいるってことか?」
「そうさ。特にディングスが事故で亡くなってからは、更に一心不乱に鍛冶にのめり込むようになってね」
「え? おじいちゃんは事故で?」
ステンの話にエフが目を丸くした。どうやら祖父の死因を知らなかったようだ。
「お主、知らなかったのかのう?」
「ディングスはエフちゃんがまだ小さい頃に亡くなったからねぇ……」
竹姫が問うと、遠くを見るような目でステンが呟く。そしてエフも考える仕草を見せた後、竹姫に答えた。
「パパも、おじいちゃんのことはあまり教えてくれなかったのよね……もしかして今みたいな話があったからかな?」
エフが疑問の混じった声で呟いた。魔導建築士に負けたって話か……う~ん、でもそこが引っかかるところなんだよな。
「ドワーフの王が不正と騒いだのは何か理由があったんだろうか?」
「え? いや、それはただの負け惜しみじゃないの?」
俺の言葉にエフがそう言う。父親のことがあって、祖父にも不信感を抱いているのかもしれない。
ただ、俺は師匠からドワーフの悪口を聞いたことがない。仕事に誇りを持つ種族でプライドも高いという話だった。
そんなドワーフが、不正だなんだと見苦しく騒いだというのがどうにも引っかかる。何か理由があったのではないか?
それから、事故で亡くなったという話と、一心不乱に鍛冶を続けているというのも気になる……
「もう一度、話してみてもいいかもな」
「うん? 話すってジェイとかい? しかし、あんたの――魔導建築士の話に耳を傾けるかねぇ」
「そうだな……実はエフが言っていた失敗品を見て気になったことがあったんだ。そこを突っつけばあるいは……」
「よくわからないけど、私もステンおばあちゃんの話を聞いてムカムカしてきちゃった! そんな理由であんなこと言ってきたなんて!」
「ウ、ウニィ……」
「うむ。何か燃えているのじゃ!」
「「「「「モグッ! モ~グ~!」」」」」
「ク~……」
「ゴッ!」
「キュピ~」
エフの怒りが再燃したようで皆も気にしているな。竹姫はちょっぴり興奮してるっぽいけど。
「ま、やるなら徹底してやるのも手さね。それに誰かが言ってやらなきゃわかんないこともある」
ステンがうんうんっと笑顔で頷いた。
年長者だけあって凄く落ち着いてるな。貫禄も感じる。見た目は幼女だけど。
「ところで、その前に大事な話があったんだった……」
「え? そ、それは一体?」
ステンが真剣な眼差しを向けて話を切り出す。一体どんな話が……
「その可愛らしい子たち、ちょっと撫で回してもいいかい?」
何かと思ったら皆をモフりたいって話だった。勿論問題ないから存分に堪能してもらう。
「ふふ、最初見た時からね、もうこの毛並みとか、ひんやりしてそうなボディとか――」
「ウニィ~♪」
「キュピ~♪」
「「「「「モグ~♪」」」」」
「ク~♪」
「ゴッ!」
ステンに撫でてもらって、皆幸せそうだった。そのうちにエフと竹姫もたまらなくなって撫で回していた。ルベルもいい体してるねと褒めてもらえたことでご機嫌だった。
そんな交流を終えた俺たちは、改めてジェイの工房に向かっていた。
「さっきの人間か。親方ならいねぇぞ」
だけど工房にジェイはいなかった。そしてどうやら、ドワーフたちは彼を親方と呼んでるらしい。
「そもそも、人間に工房をウロウロされても邪魔なんだよ。ここはドワーフの聖地なんだからな!」
「ちょっと、そんな言い方はないじゃない! ワークはわざわざこの島に移住しに来てくれた貴重な人間なのよ!」
「お嬢には悪いが、頼んだわけじゃないし俺たちには関係ない話だ」
その物言いに、エフがムッとした顔で唇を結んだ。
それにしても、なんとなくさっきも感じたが、やはり俺たちは歓迎されていないようだ。
「ずっと鍛冶仕事に精を出してるようだけど、一体何を造ってるんだ?」
とはいえ、俺もドワーフの仕事には興味があるし聞いてみた。さっきはジェイが不機嫌でそれどころじゃなかったし。
「だから人間に答えることなんてないと言ってるだろう」
だけど、このドワーフもジェイと一緒だった。頑なに俺たちを拒み続けている。ま、それならアプローチの仕方を変えるまでだ。
「そうか。まぁそれならそれでいいけど、こんな環境じゃ何を造ったところで無駄だと思うぞ。あんたらは根本的なところでミスを犯している。このまま続けていたって、百年かけようが千年かけようが理想の装備品なんて造れるわけがない。まさに時間の無駄だ」
俺がそう告げると、周囲にいた作業中のドワーフの手が止まった。そして一斉に立ち上がり、凄まじい形相で近づいてきた。
「テメェ、人間風情が俺たちの仕事にケチつけようってのか!」
「事と次第によっちゃただじゃ済まさねぇぞ!」
「俺たちを挑発して五体満足で帰れると思うなよ!」
「の、のう、あんなことを言って大丈夫だったのかのう?」
「ウ、ウニィ~」
詰め寄ってくるドワーフの職人を見て、竹姫やウニを始め、皆が不安そうにしている。
確かにかなりご立腹の様子だけど、これで話のきっかけは掴めるかな――
なんとなくだが、仕事について否定的なことを言えばこうなる気がしたんだよな。
ステンの話も、そのヒントになった。ドワーフは自分たちの仕事に誇りを持っていると同時に、絶対の自信がある。だからこそ先代の王も、意地になって魔導建築士の祖に勝負を挑んだ。
今回は勝負とは違うが、興味をひかせる必要はあったから良い印象を持たれないにしても手としては成功している。
「偉そうにしやがって」
「二度とそんな口がきけないよう、叩きのめしてやろうか!」
「ちょ、待ってよ皆。少し落ち着いて!」
「い~や。いくらお嬢の頼みでもこればっかりは聞けねぇな」
「こっちは親方に頼まれて必死になってやってる仕事をバカにされたんだ」
怒り狂ったままのドワーフたちに、俺はやれやれと口を開く。
「だが、そのやり方が間違ってちゃ意味がないだろう?」
「だったら俺らの何が間違ってるか言ってみやがれ!」
「「「「「「そうだそうだ!」」」」」」
よし、ここまでは俺の思った通りに事が運んでるな。
「だったらまず、炉をよく見せてもらおうか」
「何?」
ドワーフがどんな環境で鉄を打ってるのか気になった。ここからでも炉そのものは見えるが、もっと近くでじっくり見たかったのだ。
それでそう言ったのだが、ドワーフは怪訝な反応を見せる。
「人間に俺たちの大事な心臓部を見せろと言うのか!」
「そこから始めないと話にならん。お前たちが誇ってる心臓部がおかしい可能性が高いからな」
そう答えると、俺と話していたドワーフは、ぐぎぎ、と歯ぎしりして今にも手にした鎚で殴りかかってきそうな目を向けてきた。それを見て、俺はさらに言葉を続ける。
「ドワーフの手やその鎚は、人を殴るためにあるのか?」
「な、何だと!」
「俺は誇りあるドワーフがすぐに暴力に訴えるとは思いたくないがね」
発した言葉は挑発でもあり戒めでもある。ここまで言ってどう出るか、注意深く眺めた。
仲間の皆は、ドワーフがどう動いても応じることができるように身構えてくれている。
「……チッ、そこまで言われて手を出せるかよ。いいだろう、親方の許可は出てねぇが……俺の責任で見せてやる。こい!」
俺に対応してくれていたドワーフについていき、炉の前に移動する。
「見ろ、これが俺たちの自慢の炉だ!」
「……これが?」
壁の一部をくり抜いたような、妙な造りの炉だった。中を覗き込むと――驚いたことにそこは溶岩で満たされていた。見えていた火は溶岩が発するものだったんだ。
「溶岩を利用しているのか」
「おうよ! 山の神の恵み、天然の溶岩を利用した自慢の炉だ!」
なるほど。理解できた。道理であんな中途半端な出来のものが量産されるわけだ。
「むぅ、これが炉かのう? 何か見るからに熱そうよのう」
「見た目だけはな」
竹姫も覗き込み額から汗を滲ませた。確かに見た目のインパクトだけは凄い。
俺の言葉に、炉を見せてくれたドワーフは顔を顰めている。見た目だけと言ったのが気に食わなかったのだろう。
「なぁ、ドワーフはこんなものでずっと鍛冶を続けていたのか?」
「少なくとも、私が物心ついたころからそうね」
俺が尋ねるとエフが頷く。一方でドワーフの表情は険しい。
「さっきから聞いてればテメェ! この炉に文句があるというのか!」
「そうだな。あんたらのこしらえるものは中途半端だ。その理由がわかった。この炉は出来損ないだ、とても褒められたものじゃないよ」
「な、何だとテメェ!」
「一体何してやがる!」
ドワーフが今にも掴みかかってきそうな形相を見せたその時、後ろから怒号が飛んできた。
振り返ると、ノッシノッシと重々しく、大きく踏み込みながらやってくるジェイの姿があった。
「テメェ、とっととこの町から出て行けと言っただろうが!」
そして俺を見て怒鳴りつけてくる。
「パパに話があったから来たのよ!」
エフが強い口調で言い返した。父娘の間で睨み合いがしばし続く。
「俺には話なんざねぇ!」
沈黙をジェイが引き裂く。
「大体、何を勝手に炉を見てやがる! お前らも、人間の、しかも魔導建築士なんかに何好き勝手させてんだ!」
ジェイが睥睨すると、ドワーフたちの動きが止まった。
だけど、エフは止まらない。
「別にいいでしょう! ワークはね、パパのやり方が間違ってると伝えるために炉が見たかったんだから!」
「何だと? 俺のやり方が間違ってるだと!」
エフの発言に、ジェイが肩をぷるぷると震わせて俺を見た。すると黙っていたドワーフも口を開きジェイに告げる。
「こ、この人間が俺たちの造った物は中途半端だと……この炉も出来損ないだと言ったんでさぁ」
「出来損ないだと? 本気で言ってるのかテメェ!」
恫喝するようにジェイが問い詰めてきた。
これなら一応は興味を持ってもらったことになるか。言うなら今しかないな。
「その通りだ。この炉は出来損ないさ。明日また来てやるよ。その時に本物の炉を見せてやる」
俺はジェイにそう啖呵を切って、その場を後にするのだった。
それから俺たちは、平原にある自分たちの砦に戻ってきた。エフも一緒だ。
さて、問題はここからだ。俺は明日、あのドワーフの王に、溶岩炉(勝手に名付けた)が間違っていることを証明しないといけない。方法は決めてるけど、準備しないとな。
そう考えていると、エフが不安げに聞いてきた。
「ねぇワーク。明日本物の炉を見せると言っていたけどどうするの? まさか明日になって現地で造るつもり?」
「ウニィ」
「「「「「モギュ?」」」」」
エフの質問はもっともだ。ウニやモグラたちも両手をパタパタさせて、どうするつもりなの~? と訴えてきている。
そしてエフはマーボを持ち上げてギュッと抱きしめた。ちょっと申し訳無さそうな顔だ。
「どうしたんだよ、そんな顔して?」
「だって……結果的におかしなことに巻き込んじゃったし」
やっぱりその辺りを気にしていたのか。父娘の喧嘩に巻き込んで申し訳ないとでも思っているのだろう。
「そんなの気にすることじゃない。大体、喧嘩は俺が勝手に売ったんだ。エフは関係ないさ」
「ク~」
「キュピ~」
キャニが励ますように綿のような毛をふりふりさせながら鳴き、キオンはエフの足もとに擦り寄っていた。元気出してと言ってるようだ。
「ふふ、ありがとう。はぁ、本当癒やされる~」
エフはモグラたちを撫でてあげてから、ウニとキオンをモフっていた。俺もキャニの頭を撫でてあげる。気持ちよさそうに目を細めていた。
「でも、炉の問題はあるよね。本当にどうするの?」
最初の質問に話が戻る。
エフが言ったように現地で造る手もないわけじゃないが、それを黙って見ているようなドワーフたちでもないだろう。勝手に妙な物を造るなと言われたらどうしようもないし。
なので――
「明日はうちにある魔導反射炉を持っていくことにするよ」
魔導反射炉とは、マンクリートを使用して造った炉のことだ。ちなみにマンクリートは、魔力の源とされるマナ、それを混ぜ込んだコンクリートで、魔導建築には欠かせないものである。
「……はい?」
エフが目をまん丸にして、疑問の声を上げた。あ~、やっぱそういう反応になるか。
「ちょ、何言ってるの? あんな大きいの持っていけるわけないじゃない!」
「ウニィ~……」
エフが叫ぶ。ウニもそれは無理じゃないかな~? と言いたげな顔で首を傾げていた。
「ま、とにかく見てみるか」
俺たちは魔導反射炉の前にやってきた。改めて見ると結構大きい。
「やっぱり無理よこんなの。まさかルベルに持ってもらうってわけにもいかないだろうし……」
「ゴッ!」
エフの言葉に反応し、ルベルが両手を上げ下げして張り切った後、巨大化して魔導反射炉を持ち上げられないか試しにかかった。
「ゴォオオオオオオォオォォオォオォオオオ!」
その結果は――無理だった。そうだよな。いくら鋼鉄の体を持つルベルでも無理がある。
「やっぱり無理よ」
「ゴッ……」
「キュピ~」
ルベルが肩を落とすと、キオンが励ますように鋼鉄の体をよじ登る。
「ルベル、気にしなくていい。これが重いのは確かだし、ルベルには明日、運ぶ手伝いと護衛を頑張ってもらおうと思ってるからな」
「ゴッ?」
手伝いと護衛という部分に、ルベルが反応する。
「どういうこと? 他に何か手があるってこと?」
「あぁ――」
そして俺は腕輪を変化させ、魔導重機の一つ、魔導クレーン車を用意した。
俺の腕輪は形状変化機構というものが付いていて、このクレーン車や魔導作業車といった魔導重機に変形できるのだ。
「な、何これ! 鋼鉄の竜なの!?」
えっと、何か前に魔導重機を見せた時にも似たようなことを言われたような?
「これも魔導重機という建設用の乗り物だ。これの先端に引っ掛けて、魔導反射炉を運ぶんだ」
「こ、これで? そんなこと可能なの?」
「あぁ。ただ、これだけの物を運ぶからそれなりに慎重にやる必要がある。そしてルベルには玉掛けを頑張って欲しいんだ」
「ゴッ?」
玉掛けという言葉にルベルが首を傾げた。
「このクレーンに荷物を掛けたり外したりするのが玉掛け作業だ。単純なようだけど、これ一つで安定性が大きく変わるし、ここで間違うと思わぬ事故に繋がったりするんだよ」
まぁ、勿論そうならないようにこれから徹底的に教え込むんだけどな。
「ゴッ……ゴッ!」
おお。ルベルが使命感に燃えている。
「よし、なら明日までにこれから玉掛けについて教えるぞ!」
「ゴッ!」
こうして俺はルベルに、玉掛け作業を一生懸命指導した。ルベルも一生懸命だった。
他の皆とも、明日どういう風に運ぶかを打ち合わせした。エフは、自分も何か役立ちたいと言って夕食を作ってくれた。
これがかなり美味しかった。俺は肉があってもステーキにするぐらいしか出来なかったけど、エフはそれだけじゃなくスープにするなど、ちょっと工夫してくれたのだ。
そんなこんなで翌日の準備は無事に済み、俺たちはその日は休むのだった。
それからステンが説明してくれたところによると、ドワーフたちがカルセル王国にいた頃は、ディングスが皆を纏めていたようだ。ちなみにステンは王妃、つまりエフの祖母のホールと仲が良かったらしい。
「ディングスの腕は確かに良かったし、仕事も多かった。だけどね、ある時から魔導建築士が物作りで頭角を現すようになってね。当時はドワーフが建物の建築も任されていたから、危機感を覚えていったのさ」
なるほど。そういえばそんな話も師匠から聞いたことがあるかもしれない。
ただ、頭角を現してきたということは、俺の師匠よりも更に前の代の話、魔導建築の始祖の話かな。魔導建築の歴史はまだまだ浅いからな。俺でまだ四代目だし。
「特に大掛かりな工事は、魔導建築士が現場で監督をやるようになっていたからね」
「え~。でもそれって、魔導建築士の技術が優れていたってことでしょう?」
エフが口を挟む。
「はは、まったくもってその通りさ。ただドワーフの特に男は我が強くてね。それに技術面では人間をはるか下に見ていた。物作りに関してなら自分たちこそが世界でナンバーワンだと信じて疑わないのがドワーフの男さ。だから、魔導建築士が認められるのが許せなかったんだろうね。結果的に、先代の王は魔導建築士に技術比べの勝負を挑んだ。そして、見事に負けたのさ」
勝負で負けた……つまりそれが原因で魔導建築士を恨んでいるということか?
「ちょっと待ってよ。まさかその恨みがあるからワークを受け入れられないってこと? でも、流石にそれは大人げないし、ただの逆ギレじゃない」
俺の気持ちを代弁するようにエフが言った。ドワーフには悪いが、俺も同じことを思った。お互い真剣に勝負をしたなら、結果は甘んじて受け入れるべきだろう。
「エフちゃんの言う通りさ。全くもって馬鹿げた話だ。しかも勝った魔導建築士は、ドワーフの技術は認めていた。争うのではなく協力し合うことで、より高い技術を発揮して建築レベルが向上するとも言っていた。だけど、ディングスはそれを受け入れられなかった。私もその勝負は見ていたのだけどね、ディングスは魔導建築士が不正したと叫んで負けを認めさえしなかったのさ」
負けを認めなかった――ドワーフ側が?
「結局その後、ディングスとドワーフたちは国を出て海を渡り、この島に流れ着いたってことさ」
「そうだったのか……」
ステンの話が終わり、俺は頷いた。しかし、ちょっと気になることもある。
「う~ん、でもそれって結局負けを認められなくて出て行っちゃったってことよね。魔導建築士も何も悪くないじゃない」
またしても、エフが俺の気持ちを代弁してくれた。
「だから馬鹿らしい話ってことさ。ただ当時のディングスは随分と思いつめた顔をしていたからね。私も付き合って皆で出てきちまった。そしてこの島を見つけたんだけど、ここは鉱物の宝庫でね。ディングスはそれを見つけて、そっからはずっと鍛冶に没頭してるのさ」
「ジェイはその意志を引き継いでいるってことか?」
「そうさ。特にディングスが事故で亡くなってからは、更に一心不乱に鍛冶にのめり込むようになってね」
「え? おじいちゃんは事故で?」
ステンの話にエフが目を丸くした。どうやら祖父の死因を知らなかったようだ。
「お主、知らなかったのかのう?」
「ディングスはエフちゃんがまだ小さい頃に亡くなったからねぇ……」
竹姫が問うと、遠くを見るような目でステンが呟く。そしてエフも考える仕草を見せた後、竹姫に答えた。
「パパも、おじいちゃんのことはあまり教えてくれなかったのよね……もしかして今みたいな話があったからかな?」
エフが疑問の混じった声で呟いた。魔導建築士に負けたって話か……う~ん、でもそこが引っかかるところなんだよな。
「ドワーフの王が不正と騒いだのは何か理由があったんだろうか?」
「え? いや、それはただの負け惜しみじゃないの?」
俺の言葉にエフがそう言う。父親のことがあって、祖父にも不信感を抱いているのかもしれない。
ただ、俺は師匠からドワーフの悪口を聞いたことがない。仕事に誇りを持つ種族でプライドも高いという話だった。
そんなドワーフが、不正だなんだと見苦しく騒いだというのがどうにも引っかかる。何か理由があったのではないか?
それから、事故で亡くなったという話と、一心不乱に鍛冶を続けているというのも気になる……
「もう一度、話してみてもいいかもな」
「うん? 話すってジェイとかい? しかし、あんたの――魔導建築士の話に耳を傾けるかねぇ」
「そうだな……実はエフが言っていた失敗品を見て気になったことがあったんだ。そこを突っつけばあるいは……」
「よくわからないけど、私もステンおばあちゃんの話を聞いてムカムカしてきちゃった! そんな理由であんなこと言ってきたなんて!」
「ウ、ウニィ……」
「うむ。何か燃えているのじゃ!」
「「「「「モグッ! モ~グ~!」」」」」
「ク~……」
「ゴッ!」
「キュピ~」
エフの怒りが再燃したようで皆も気にしているな。竹姫はちょっぴり興奮してるっぽいけど。
「ま、やるなら徹底してやるのも手さね。それに誰かが言ってやらなきゃわかんないこともある」
ステンがうんうんっと笑顔で頷いた。
年長者だけあって凄く落ち着いてるな。貫禄も感じる。見た目は幼女だけど。
「ところで、その前に大事な話があったんだった……」
「え? そ、それは一体?」
ステンが真剣な眼差しを向けて話を切り出す。一体どんな話が……
「その可愛らしい子たち、ちょっと撫で回してもいいかい?」
何かと思ったら皆をモフりたいって話だった。勿論問題ないから存分に堪能してもらう。
「ふふ、最初見た時からね、もうこの毛並みとか、ひんやりしてそうなボディとか――」
「ウニィ~♪」
「キュピ~♪」
「「「「「モグ~♪」」」」」
「ク~♪」
「ゴッ!」
ステンに撫でてもらって、皆幸せそうだった。そのうちにエフと竹姫もたまらなくなって撫で回していた。ルベルもいい体してるねと褒めてもらえたことでご機嫌だった。
そんな交流を終えた俺たちは、改めてジェイの工房に向かっていた。
「さっきの人間か。親方ならいねぇぞ」
だけど工房にジェイはいなかった。そしてどうやら、ドワーフたちは彼を親方と呼んでるらしい。
「そもそも、人間に工房をウロウロされても邪魔なんだよ。ここはドワーフの聖地なんだからな!」
「ちょっと、そんな言い方はないじゃない! ワークはわざわざこの島に移住しに来てくれた貴重な人間なのよ!」
「お嬢には悪いが、頼んだわけじゃないし俺たちには関係ない話だ」
その物言いに、エフがムッとした顔で唇を結んだ。
それにしても、なんとなくさっきも感じたが、やはり俺たちは歓迎されていないようだ。
「ずっと鍛冶仕事に精を出してるようだけど、一体何を造ってるんだ?」
とはいえ、俺もドワーフの仕事には興味があるし聞いてみた。さっきはジェイが不機嫌でそれどころじゃなかったし。
「だから人間に答えることなんてないと言ってるだろう」
だけど、このドワーフもジェイと一緒だった。頑なに俺たちを拒み続けている。ま、それならアプローチの仕方を変えるまでだ。
「そうか。まぁそれならそれでいいけど、こんな環境じゃ何を造ったところで無駄だと思うぞ。あんたらは根本的なところでミスを犯している。このまま続けていたって、百年かけようが千年かけようが理想の装備品なんて造れるわけがない。まさに時間の無駄だ」
俺がそう告げると、周囲にいた作業中のドワーフの手が止まった。そして一斉に立ち上がり、凄まじい形相で近づいてきた。
「テメェ、人間風情が俺たちの仕事にケチつけようってのか!」
「事と次第によっちゃただじゃ済まさねぇぞ!」
「俺たちを挑発して五体満足で帰れると思うなよ!」
「の、のう、あんなことを言って大丈夫だったのかのう?」
「ウ、ウニィ~」
詰め寄ってくるドワーフの職人を見て、竹姫やウニを始め、皆が不安そうにしている。
確かにかなりご立腹の様子だけど、これで話のきっかけは掴めるかな――
なんとなくだが、仕事について否定的なことを言えばこうなる気がしたんだよな。
ステンの話も、そのヒントになった。ドワーフは自分たちの仕事に誇りを持っていると同時に、絶対の自信がある。だからこそ先代の王も、意地になって魔導建築士の祖に勝負を挑んだ。
今回は勝負とは違うが、興味をひかせる必要はあったから良い印象を持たれないにしても手としては成功している。
「偉そうにしやがって」
「二度とそんな口がきけないよう、叩きのめしてやろうか!」
「ちょ、待ってよ皆。少し落ち着いて!」
「い~や。いくらお嬢の頼みでもこればっかりは聞けねぇな」
「こっちは親方に頼まれて必死になってやってる仕事をバカにされたんだ」
怒り狂ったままのドワーフたちに、俺はやれやれと口を開く。
「だが、そのやり方が間違ってちゃ意味がないだろう?」
「だったら俺らの何が間違ってるか言ってみやがれ!」
「「「「「「そうだそうだ!」」」」」」
よし、ここまでは俺の思った通りに事が運んでるな。
「だったらまず、炉をよく見せてもらおうか」
「何?」
ドワーフがどんな環境で鉄を打ってるのか気になった。ここからでも炉そのものは見えるが、もっと近くでじっくり見たかったのだ。
それでそう言ったのだが、ドワーフは怪訝な反応を見せる。
「人間に俺たちの大事な心臓部を見せろと言うのか!」
「そこから始めないと話にならん。お前たちが誇ってる心臓部がおかしい可能性が高いからな」
そう答えると、俺と話していたドワーフは、ぐぎぎ、と歯ぎしりして今にも手にした鎚で殴りかかってきそうな目を向けてきた。それを見て、俺はさらに言葉を続ける。
「ドワーフの手やその鎚は、人を殴るためにあるのか?」
「な、何だと!」
「俺は誇りあるドワーフがすぐに暴力に訴えるとは思いたくないがね」
発した言葉は挑発でもあり戒めでもある。ここまで言ってどう出るか、注意深く眺めた。
仲間の皆は、ドワーフがどう動いても応じることができるように身構えてくれている。
「……チッ、そこまで言われて手を出せるかよ。いいだろう、親方の許可は出てねぇが……俺の責任で見せてやる。こい!」
俺に対応してくれていたドワーフについていき、炉の前に移動する。
「見ろ、これが俺たちの自慢の炉だ!」
「……これが?」
壁の一部をくり抜いたような、妙な造りの炉だった。中を覗き込むと――驚いたことにそこは溶岩で満たされていた。見えていた火は溶岩が発するものだったんだ。
「溶岩を利用しているのか」
「おうよ! 山の神の恵み、天然の溶岩を利用した自慢の炉だ!」
なるほど。理解できた。道理であんな中途半端な出来のものが量産されるわけだ。
「むぅ、これが炉かのう? 何か見るからに熱そうよのう」
「見た目だけはな」
竹姫も覗き込み額から汗を滲ませた。確かに見た目のインパクトだけは凄い。
俺の言葉に、炉を見せてくれたドワーフは顔を顰めている。見た目だけと言ったのが気に食わなかったのだろう。
「なぁ、ドワーフはこんなものでずっと鍛冶を続けていたのか?」
「少なくとも、私が物心ついたころからそうね」
俺が尋ねるとエフが頷く。一方でドワーフの表情は険しい。
「さっきから聞いてればテメェ! この炉に文句があるというのか!」
「そうだな。あんたらのこしらえるものは中途半端だ。その理由がわかった。この炉は出来損ないだ、とても褒められたものじゃないよ」
「な、何だとテメェ!」
「一体何してやがる!」
ドワーフが今にも掴みかかってきそうな形相を見せたその時、後ろから怒号が飛んできた。
振り返ると、ノッシノッシと重々しく、大きく踏み込みながらやってくるジェイの姿があった。
「テメェ、とっととこの町から出て行けと言っただろうが!」
そして俺を見て怒鳴りつけてくる。
「パパに話があったから来たのよ!」
エフが強い口調で言い返した。父娘の間で睨み合いがしばし続く。
「俺には話なんざねぇ!」
沈黙をジェイが引き裂く。
「大体、何を勝手に炉を見てやがる! お前らも、人間の、しかも魔導建築士なんかに何好き勝手させてんだ!」
ジェイが睥睨すると、ドワーフたちの動きが止まった。
だけど、エフは止まらない。
「別にいいでしょう! ワークはね、パパのやり方が間違ってると伝えるために炉が見たかったんだから!」
「何だと? 俺のやり方が間違ってるだと!」
エフの発言に、ジェイが肩をぷるぷると震わせて俺を見た。すると黙っていたドワーフも口を開きジェイに告げる。
「こ、この人間が俺たちの造った物は中途半端だと……この炉も出来損ないだと言ったんでさぁ」
「出来損ないだと? 本気で言ってるのかテメェ!」
恫喝するようにジェイが問い詰めてきた。
これなら一応は興味を持ってもらったことになるか。言うなら今しかないな。
「その通りだ。この炉は出来損ないさ。明日また来てやるよ。その時に本物の炉を見せてやる」
俺はジェイにそう啖呵を切って、その場を後にするのだった。
それから俺たちは、平原にある自分たちの砦に戻ってきた。エフも一緒だ。
さて、問題はここからだ。俺は明日、あのドワーフの王に、溶岩炉(勝手に名付けた)が間違っていることを証明しないといけない。方法は決めてるけど、準備しないとな。
そう考えていると、エフが不安げに聞いてきた。
「ねぇワーク。明日本物の炉を見せると言っていたけどどうするの? まさか明日になって現地で造るつもり?」
「ウニィ」
「「「「「モギュ?」」」」」
エフの質問はもっともだ。ウニやモグラたちも両手をパタパタさせて、どうするつもりなの~? と訴えてきている。
そしてエフはマーボを持ち上げてギュッと抱きしめた。ちょっと申し訳無さそうな顔だ。
「どうしたんだよ、そんな顔して?」
「だって……結果的におかしなことに巻き込んじゃったし」
やっぱりその辺りを気にしていたのか。父娘の喧嘩に巻き込んで申し訳ないとでも思っているのだろう。
「そんなの気にすることじゃない。大体、喧嘩は俺が勝手に売ったんだ。エフは関係ないさ」
「ク~」
「キュピ~」
キャニが励ますように綿のような毛をふりふりさせながら鳴き、キオンはエフの足もとに擦り寄っていた。元気出してと言ってるようだ。
「ふふ、ありがとう。はぁ、本当癒やされる~」
エフはモグラたちを撫でてあげてから、ウニとキオンをモフっていた。俺もキャニの頭を撫でてあげる。気持ちよさそうに目を細めていた。
「でも、炉の問題はあるよね。本当にどうするの?」
最初の質問に話が戻る。
エフが言ったように現地で造る手もないわけじゃないが、それを黙って見ているようなドワーフたちでもないだろう。勝手に妙な物を造るなと言われたらどうしようもないし。
なので――
「明日はうちにある魔導反射炉を持っていくことにするよ」
魔導反射炉とは、マンクリートを使用して造った炉のことだ。ちなみにマンクリートは、魔力の源とされるマナ、それを混ぜ込んだコンクリートで、魔導建築には欠かせないものである。
「……はい?」
エフが目をまん丸にして、疑問の声を上げた。あ~、やっぱそういう反応になるか。
「ちょ、何言ってるの? あんな大きいの持っていけるわけないじゃない!」
「ウニィ~……」
エフが叫ぶ。ウニもそれは無理じゃないかな~? と言いたげな顔で首を傾げていた。
「ま、とにかく見てみるか」
俺たちは魔導反射炉の前にやってきた。改めて見ると結構大きい。
「やっぱり無理よこんなの。まさかルベルに持ってもらうってわけにもいかないだろうし……」
「ゴッ!」
エフの言葉に反応し、ルベルが両手を上げ下げして張り切った後、巨大化して魔導反射炉を持ち上げられないか試しにかかった。
「ゴォオオオオオオォオォォオォオォオオオ!」
その結果は――無理だった。そうだよな。いくら鋼鉄の体を持つルベルでも無理がある。
「やっぱり無理よ」
「ゴッ……」
「キュピ~」
ルベルが肩を落とすと、キオンが励ますように鋼鉄の体をよじ登る。
「ルベル、気にしなくていい。これが重いのは確かだし、ルベルには明日、運ぶ手伝いと護衛を頑張ってもらおうと思ってるからな」
「ゴッ?」
手伝いと護衛という部分に、ルベルが反応する。
「どういうこと? 他に何か手があるってこと?」
「あぁ――」
そして俺は腕輪を変化させ、魔導重機の一つ、魔導クレーン車を用意した。
俺の腕輪は形状変化機構というものが付いていて、このクレーン車や魔導作業車といった魔導重機に変形できるのだ。
「な、何これ! 鋼鉄の竜なの!?」
えっと、何か前に魔導重機を見せた時にも似たようなことを言われたような?
「これも魔導重機という建設用の乗り物だ。これの先端に引っ掛けて、魔導反射炉を運ぶんだ」
「こ、これで? そんなこと可能なの?」
「あぁ。ただ、これだけの物を運ぶからそれなりに慎重にやる必要がある。そしてルベルには玉掛けを頑張って欲しいんだ」
「ゴッ?」
玉掛けという言葉にルベルが首を傾げた。
「このクレーンに荷物を掛けたり外したりするのが玉掛け作業だ。単純なようだけど、これ一つで安定性が大きく変わるし、ここで間違うと思わぬ事故に繋がったりするんだよ」
まぁ、勿論そうならないようにこれから徹底的に教え込むんだけどな。
「ゴッ……ゴッ!」
おお。ルベルが使命感に燃えている。
「よし、なら明日までにこれから玉掛けについて教えるぞ!」
「ゴッ!」
こうして俺はルベルに、玉掛け作業を一生懸命指導した。ルベルも一生懸命だった。
他の皆とも、明日どういう風に運ぶかを打ち合わせした。エフは、自分も何か役立ちたいと言って夕食を作ってくれた。
これがかなり美味しかった。俺は肉があってもステーキにするぐらいしか出来なかったけど、エフはそれだけじゃなくスープにするなど、ちょっと工夫してくれたのだ。
そんなこんなで翌日の準備は無事に済み、俺たちはその日は休むのだった。
30
あなたにおすすめの小説
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
「お前は無能だ」と追放した勇者パーティ、俺が抜けた3秒後に全滅したらしい
夏見ナイ
ファンタジー
【荷物持ち】のアッシュは、勇者パーティで「無能」と罵られ、ダンジョン攻略の直前に追放されてしまう。だが彼がいなくなった3秒後、勇者パーティは罠と奇襲で一瞬にして全滅した。
彼らは知らなかったのだ。アッシュのスキル【運命肩代わり】が、パーティに降りかかる全ての不運や即死攻撃を、彼の些細なドジに変換して無効化していたことを。
そんなこととは露知らず、念願の自由を手にしたアッシュは辺境の村で穏やかなスローライフを開始。心優しいエルフやドワーフの仲間にも恵まれ、幸せな日々を送る。
しかし、勇者を失った王国に魔族と内通する宰相の陰謀が迫る。大切な居場所を守るため、無能と蔑まれた男は、その規格外の“幸運”で理不尽な運命に立ち向かう!
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
辺境薬術師のポーションは至高 騎士団を追放されても、魔法薬がすべてを解決する
鶴井こう
ファンタジー
【書籍化しました】
余分にポーションを作らせ、横流しして金を稼いでいた王国騎士団第15番隊は、俺を追放した。
いきなり仕事を首にされ、隊を後にする俺。ひょんなことから、辺境伯の娘の怪我を助けたことから、辺境の村に招待されることに。
一方、モンスターたちのスタンピードを抑え込もうとしていた第15番隊。
しかしポーションの数が圧倒的に足りず、品質が低いポーションで回復もままならず、第15番隊の守備していた拠点から陥落し、王都は徐々にモンスターに侵略されていく。
俺はもふもふを拾ったり農地改革したり辺境の村でのんびりと過ごしていたが、徐々にその腕を買われて頼りにされることに。功績もステータスに表示されてしまい隠せないので、褒賞は甘んじて受けることにしようと思う。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
