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第四章 暗殺者の選択編
第114話 ゴングの強さ
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「行くぜ【三分間の闘争心】!――」
ゴングがスキルを発動した。するとゴングの全身にオーラが纏われ目つきもより鋭い物に変わっていく。
「ゴング、いきなり飛ばしてるね」
「それだけリョウガを警戒しているって事だよね。でも、リョウガは強いんだから負けないわよ!」
ゴングのスキル発動にパルコは思うところがあるようだった。一方でマリスはたとえスキルがあろうとリョウガが勝つに決まってると信じ切っている様子。
「チラッとクルスから聞いたけど、リョウガはスキルを持ってない無能なんだってね」
するとマリスに向けてパルコが言った。それを聞いたマリスは途端に不機嫌な顔になった。
「だから何? たとえスキルがなくてもリョウガは強いし、それに私だってスキルは持ってないわよ」
「貴方については理解できるわよ。だって半魔でしょう? 魔族はそもそもスキルを持たない。代わりに高い魔力を誇り魔法の腕前は人間以上。スキルがないことが不利にならないもんね」
「そ、そうかもね」
マリスはバツの悪そうな顔で返した。確かにマリスは魔力こそ高いが魔法は強化魔法ぐらいしか使えない。ラミアによると戦鬼族の血が絡んでいるようだが、マリスにはまだ詳しいことがわからないのである。
「と、とにかく無能だからって弱いって決めつけられたら痛い目見るんだから」
「私はそれで弱いと決めつける気はないよ。だって実際D級に上がってるんだもんね。でもね、それは逆にも言えるんだよ」
「逆?」
「そう。マリスも密かに思ってるんじゃない? ゴングは口だけできっと大した事ないって」
「え? いや、そこまで思ってないけど」
「どうかな。でも否定はしないよ。だってあいついかにもって感じで噛ませ犬っぽいじゃない?」
パルコの発言にマリスは目を丸くさせ、その後苦笑した。そこまでハッキリ言われるとは思わなかったのだろう。
「でもね。アイツは強いよ」
パルコが静かにそれでいてしっかりとした声で言った。
「確かにあいつは去年までD級だった。D級で燻っていた時間も長い。でもね、だからこそアイツはC級に上がる為に努力を惜しまなかった。傍から見れば泥臭いようなやり方でも構わず続けた。あいつの言動は確かに私もどうかと思うけど積み重ねた努力自体は本物なのよ」
そうパルコが語った。マリスは真面目に耳を傾けていた。
「ゴングが最初私に手持ちの鐘を渡してきた。これは一種のおまじないのようなもの。これを合図にすることであいつはより強く慣れる気がするんだって。馬鹿みたいに思えるかもだけど、こういうジンクスみたいなの意外と効果的だったりするのよ。その上で最初からスキルを使った」
一旦瞳を閉じ、再び開いたその瞳は真剣そのものだった。
「ゴングは決してリョウガを舐めてなんていない。だからこそあの子は勝てない。でも安心して。あいつだって馬鹿じゃない。リョウガの実力が本物なら戦いの中でアイツも理解して認める筈よ」
そう言ってパルコが笑顔を見せた。その時だった――鈍い音が聞こえ何かが倒れる音。
「どうやら決まったみたいだね」
そう言ってパルコが二人に目を向けたわけだが。
「なんと! 一発か!」
「マジかよ! ゴングあっさりやられすぎじゃん!」
「て、ええぇえぇえええぇええええぇええッ!?」
地面に大の字になって倒れていたのはゴングであり、パルコの絶叫が村中に響き渡るのだった――
ゴングがスキルを発動した。するとゴングの全身にオーラが纏われ目つきもより鋭い物に変わっていく。
「ゴング、いきなり飛ばしてるね」
「それだけリョウガを警戒しているって事だよね。でも、リョウガは強いんだから負けないわよ!」
ゴングのスキル発動にパルコは思うところがあるようだった。一方でマリスはたとえスキルがあろうとリョウガが勝つに決まってると信じ切っている様子。
「チラッとクルスから聞いたけど、リョウガはスキルを持ってない無能なんだってね」
するとマリスに向けてパルコが言った。それを聞いたマリスは途端に不機嫌な顔になった。
「だから何? たとえスキルがなくてもリョウガは強いし、それに私だってスキルは持ってないわよ」
「貴方については理解できるわよ。だって半魔でしょう? 魔族はそもそもスキルを持たない。代わりに高い魔力を誇り魔法の腕前は人間以上。スキルがないことが不利にならないもんね」
「そ、そうかもね」
マリスはバツの悪そうな顔で返した。確かにマリスは魔力こそ高いが魔法は強化魔法ぐらいしか使えない。ラミアによると戦鬼族の血が絡んでいるようだが、マリスにはまだ詳しいことがわからないのである。
「と、とにかく無能だからって弱いって決めつけられたら痛い目見るんだから」
「私はそれで弱いと決めつける気はないよ。だって実際D級に上がってるんだもんね。でもね、それは逆にも言えるんだよ」
「逆?」
「そう。マリスも密かに思ってるんじゃない? ゴングは口だけできっと大した事ないって」
「え? いや、そこまで思ってないけど」
「どうかな。でも否定はしないよ。だってあいついかにもって感じで噛ませ犬っぽいじゃない?」
パルコの発言にマリスは目を丸くさせ、その後苦笑した。そこまでハッキリ言われるとは思わなかったのだろう。
「でもね。アイツは強いよ」
パルコが静かにそれでいてしっかりとした声で言った。
「確かにあいつは去年までD級だった。D級で燻っていた時間も長い。でもね、だからこそアイツはC級に上がる為に努力を惜しまなかった。傍から見れば泥臭いようなやり方でも構わず続けた。あいつの言動は確かに私もどうかと思うけど積み重ねた努力自体は本物なのよ」
そうパルコが語った。マリスは真面目に耳を傾けていた。
「ゴングが最初私に手持ちの鐘を渡してきた。これは一種のおまじないのようなもの。これを合図にすることであいつはより強く慣れる気がするんだって。馬鹿みたいに思えるかもだけど、こういうジンクスみたいなの意外と効果的だったりするのよ。その上で最初からスキルを使った」
一旦瞳を閉じ、再び開いたその瞳は真剣そのものだった。
「ゴングは決してリョウガを舐めてなんていない。だからこそあの子は勝てない。でも安心して。あいつだって馬鹿じゃない。リョウガの実力が本物なら戦いの中でアイツも理解して認める筈よ」
そう言ってパルコが笑顔を見せた。その時だった――鈍い音が聞こえ何かが倒れる音。
「どうやら決まったみたいだね」
そう言ってパルコが二人に目を向けたわけだが。
「なんと! 一発か!」
「マジかよ! ゴングあっさりやられすぎじゃん!」
「て、ええぇえぇえええぇええええぇええッ!?」
地面に大の字になって倒れていたのはゴングであり、パルコの絶叫が村中に響き渡るのだった――
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