3 / 8
互いに
しおりを挟む
「、、はあとりあえず起こさないように」
俺は和室に敷かれた、布団の中に律を寝かせ、そおーとその場を後にしようとした時だ。
ガタンっと、地面に転がっていた何かにぶつかり、下を見ればそれは四角い小さめのキャンバスで、見れば美しいタッチで描かれた海に浮かぶ月のイラストが描かれていた。
立体感があり、よくよく見れば油絵の具で塗っているらしく、重ね塗りしていて少し層が厚くなっていた。
「、、、、、、綺麗」
思わずそんな言葉を漏らしてしまう。
手が自然とそのキャンバスに触れそうになる、持って帰りたいそんな欲が湧いてしまった。
「ダメだ、、ダメだ、、、はあ失礼しました」
小声で首を振り、彼の方を見れば、未だ目を瞑って眠っていた。
そのまま俺は、玄関へと行き靴を履くと、隣の自室へと戻った。
ピリリ、、、
するとポッケにしまっていた携帯がなり、俺は表示画面の名前に顔を歪めた。
「はい」
「もしもし、、麗央!!」
「んだよ」
携帯越しに聞こえてきた声は震えていた、それは俺の一番会いたくもない人物、母さんからだった。
「、、、、優里が交通事故に遭って、、今意識不明の渋滞なの」
それは俺の弟の名前で、特に接触する事もなかったので、ほとんど他人に近い存在だ。だからなのか、この知らせを聞いても俺は何も思わなかった。
「それで、、家に帰ってこれない」
「はあ、、今更なんだよ」
「もし万が一な事があって、、あの子がいなくなったらもう貴方しか私達は頼れる人がいないのよ」
「自業自得だろ」
「え」
「散々俺の事を空気みたいに扱って、都合が悪くなったら今度は帰ってこいって、俺はアンタらの操り人形でもねえんだよ、、、ふざけんな」
そう言って俺は怒りにまかせ、すぐに電話を切った。
「、、はあ、、はあ」
全部どうでもいい
あいつらの事なんか、今までの仕打ちが帰ってきただけだろ。
なんで俺は、こんなにも恵まれないんだろうか、周りの環境も全部全部俺を苦しめる。
きゅっと、胸の奥が締め付けられて痛い。
ピンポーン
「え」
その瞬間インターホンが鳴り、涙を拭い取り立ち上がり、玄関へと俺は向かう。
ドアを開ければ、そこにはさっきの命の恩人律が立っていた。
「、、大丈夫か、、、お前」
「なんですか急に、、てか体調大丈夫なんですか」
「今はもう大丈夫だ、、ここ壁が薄いからお前が叫んで泣いてたの丸聞こえだったぞ。」
嘘だろ、その瞬間恥ずかしさでブワッと顔が熱くなった。「差し入れ」とさっきの残りをタッパーに詰め俺の部屋に持ってきてくれ、その流れで部屋に上がってもらうことになった。
「でも、、なんでそんな事で俺の心配してくれるんすか」
「さっきお前俺がヒート起こした時、助けてくれたろ」
「ああ」
「その御礼と借り返しに来たってだけ」
「なるほど」
「それにお前がなんで叫んでたか気になった」
「、、うう意地悪」
「聞いてやるんだから、そんな言い方すんな俺に全部話せよ」
一応俺もタダ飯をもらっている分、借りがあるしと仕方なく俺は素直に話始めた。
「、、へえクソだな其奴ら」
「直球ですね」
「だってよ、、子供が自分の駒になるとしか思ってねえんだよ其奴ら」
「、、まあ確かに」
「ぶっちゃけ俺なら何発かぶん殴って、家出てるわ」
「はは」
苦笑いを浮かべるが、声のトーンがマジだったので俺は内心ビビリ散らかしていた。
「後お前、、αだったんだな確かにそんな感じするし」
「えっどこがですか」
そんな事を言われたのは、生まれて初めてだ。
「人に思いやりがあったりそーやって純粋無垢なとこ、、、真面目くん」
「ちょっとからかってます?」
「いやあ、、まさか」
ハハッと笑う彼の顔を見る、俺みたいに固くなくいつも表情が緩んでいて、楽しそうだ。
「でも俺、、、律さんの事ぶっちゃけ羨ましいです」
その言葉に目をパチクリして、鳩が豆鉄砲を食らったような顔に俺は「ん」と首を傾げた。
「俺はΩだし、、、むしろそれだけ人からあしらわれたりもすんだぞ」
「でもいつも自然体でそれにさっき、、律さんの部屋にあった絵見たんです。」
「絵?」
「綺麗なタッチで細やかで吸い込まれそうでした、きっとこれが律さんの好きな事だって一瞬でわかりました。」
「、、、」
「だから自分の事ができるし、、環境にも恵まれてるってすご」
「それは違う」
「え」
「確かに俺の両親や周りの人間は理解してくれる奴らもいる、俺の体質の事もあるし」
「はい」
「でも、、それが全てじゃねえ俺も俺で苦労してる」
そう言ってペロッと、服を捲り胸部分を見せた、そこには深い刺し傷の後があり俺は震えた。
「俺は、、、一回人生をやめようとした時があんだよ」
「え」
一体彼の過去に何があったと、言うのだろうか。
俺は和室に敷かれた、布団の中に律を寝かせ、そおーとその場を後にしようとした時だ。
ガタンっと、地面に転がっていた何かにぶつかり、下を見ればそれは四角い小さめのキャンバスで、見れば美しいタッチで描かれた海に浮かぶ月のイラストが描かれていた。
立体感があり、よくよく見れば油絵の具で塗っているらしく、重ね塗りしていて少し層が厚くなっていた。
「、、、、、、綺麗」
思わずそんな言葉を漏らしてしまう。
手が自然とそのキャンバスに触れそうになる、持って帰りたいそんな欲が湧いてしまった。
「ダメだ、、ダメだ、、、はあ失礼しました」
小声で首を振り、彼の方を見れば、未だ目を瞑って眠っていた。
そのまま俺は、玄関へと行き靴を履くと、隣の自室へと戻った。
ピリリ、、、
するとポッケにしまっていた携帯がなり、俺は表示画面の名前に顔を歪めた。
「はい」
「もしもし、、麗央!!」
「んだよ」
携帯越しに聞こえてきた声は震えていた、それは俺の一番会いたくもない人物、母さんからだった。
「、、、、優里が交通事故に遭って、、今意識不明の渋滞なの」
それは俺の弟の名前で、特に接触する事もなかったので、ほとんど他人に近い存在だ。だからなのか、この知らせを聞いても俺は何も思わなかった。
「それで、、家に帰ってこれない」
「はあ、、今更なんだよ」
「もし万が一な事があって、、あの子がいなくなったらもう貴方しか私達は頼れる人がいないのよ」
「自業自得だろ」
「え」
「散々俺の事を空気みたいに扱って、都合が悪くなったら今度は帰ってこいって、俺はアンタらの操り人形でもねえんだよ、、、ふざけんな」
そう言って俺は怒りにまかせ、すぐに電話を切った。
「、、はあ、、はあ」
全部どうでもいい
あいつらの事なんか、今までの仕打ちが帰ってきただけだろ。
なんで俺は、こんなにも恵まれないんだろうか、周りの環境も全部全部俺を苦しめる。
きゅっと、胸の奥が締め付けられて痛い。
ピンポーン
「え」
その瞬間インターホンが鳴り、涙を拭い取り立ち上がり、玄関へと俺は向かう。
ドアを開ければ、そこにはさっきの命の恩人律が立っていた。
「、、大丈夫か、、、お前」
「なんですか急に、、てか体調大丈夫なんですか」
「今はもう大丈夫だ、、ここ壁が薄いからお前が叫んで泣いてたの丸聞こえだったぞ。」
嘘だろ、その瞬間恥ずかしさでブワッと顔が熱くなった。「差し入れ」とさっきの残りをタッパーに詰め俺の部屋に持ってきてくれ、その流れで部屋に上がってもらうことになった。
「でも、、なんでそんな事で俺の心配してくれるんすか」
「さっきお前俺がヒート起こした時、助けてくれたろ」
「ああ」
「その御礼と借り返しに来たってだけ」
「なるほど」
「それにお前がなんで叫んでたか気になった」
「、、うう意地悪」
「聞いてやるんだから、そんな言い方すんな俺に全部話せよ」
一応俺もタダ飯をもらっている分、借りがあるしと仕方なく俺は素直に話始めた。
「、、へえクソだな其奴ら」
「直球ですね」
「だってよ、、子供が自分の駒になるとしか思ってねえんだよ其奴ら」
「、、まあ確かに」
「ぶっちゃけ俺なら何発かぶん殴って、家出てるわ」
「はは」
苦笑いを浮かべるが、声のトーンがマジだったので俺は内心ビビリ散らかしていた。
「後お前、、αだったんだな確かにそんな感じするし」
「えっどこがですか」
そんな事を言われたのは、生まれて初めてだ。
「人に思いやりがあったりそーやって純粋無垢なとこ、、、真面目くん」
「ちょっとからかってます?」
「いやあ、、まさか」
ハハッと笑う彼の顔を見る、俺みたいに固くなくいつも表情が緩んでいて、楽しそうだ。
「でも俺、、、律さんの事ぶっちゃけ羨ましいです」
その言葉に目をパチクリして、鳩が豆鉄砲を食らったような顔に俺は「ん」と首を傾げた。
「俺はΩだし、、、むしろそれだけ人からあしらわれたりもすんだぞ」
「でもいつも自然体でそれにさっき、、律さんの部屋にあった絵見たんです。」
「絵?」
「綺麗なタッチで細やかで吸い込まれそうでした、きっとこれが律さんの好きな事だって一瞬でわかりました。」
「、、、」
「だから自分の事ができるし、、環境にも恵まれてるってすご」
「それは違う」
「え」
「確かに俺の両親や周りの人間は理解してくれる奴らもいる、俺の体質の事もあるし」
「はい」
「でも、、それが全てじゃねえ俺も俺で苦労してる」
そう言ってペロッと、服を捲り胸部分を見せた、そこには深い刺し傷の後があり俺は震えた。
「俺は、、、一回人生をやめようとした時があんだよ」
「え」
一体彼の過去に何があったと、言うのだろうか。
15
あなたにおすすめの小説
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
俺以外美形なバンドメンバー、なぜか全員俺のことが好き
toki
BL
美形揃いのバンドメンバーの中で唯一平凡な主人公・神崎。しかし突然メンバー全員から告白されてしまった!
※美形×平凡、総受けものです。激重美形バンドマン3人に平凡くんが愛されまくるお話。
pixiv/ムーンライトノベルズでも同タイトルで投稿しています。
もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿
感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_
Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109
素敵な表紙お借りしました!
https://www.pixiv.net/artworks/100148872
小石の恋
キザキ ケイ
BL
やや無口で平凡な男子高校生の律紀は、ひょんなことから学校一の有名人、天道 至先輩と知り合う。
助けてもらったお礼を言って、それで終わりのはずだったのに。
なぜか先輩は律紀にしつこく絡んできて、連れ回されて、平凡な日常がどんどん侵食されていく。
果たして律紀は逃げ切ることができるのか。
入社1ヶ月のワンコ系男子が、知らずのうちに射止めたのはイケメン社長!?
monteri
BL
CM制作会社の新入社員、藤白純太は入社1ヶ月で教育係の先輩が過労で倒れたため、特別なクライアントの担当を引き継ぐことになる。
そのクライアントは、女子禁制ミーハー厳禁の芸能事務所だった。
主人公の無知で純なところに、翻弄されたり、骨抜きにされるイケメン社長と、何も知らない純太がドキドキするお話です。
※今回の表紙はAI生成です
※小説家になろうにも公開してます
君はアルファじゃなくて《高校生、バスケ部の二人》
市川
BL
高校の入学式。いつも要領のいいα性のナオキは、整った容姿の男子生徒に意識を奪われた。恐らく彼もα性なのだろう。
男子も女子も熱い眼差しを彼に注いだり、自分たちにファンクラブができたりするけれど、彼の一番になりたい。
(旧タイトル『アルファのはずの彼は、オメガみたいな匂いがする』です。)全4話です。
【完結】番になれなくても
加賀ユカリ
BL
アルファに溺愛されるベータの話。
新木貴斗と天橋和樹は中学時代からの友人である。高校生となりアルファである貴斗とベータである和樹は、それぞれ別のクラスになったが、交流は続いていた。
和樹はこれまで貴斗から何度も告白されてきたが、その度に「自分はふさわしくない」と断ってきた。それでも貴斗からのアプローチは止まらなかった。
和樹が自分の気持ちに向き合おうとした時、二人の前に貴斗の運命の番が現れた──
新木貴斗(あらき たかと):アルファ。高校2年
天橋和樹(あまはし かずき):ベータ。高校2年
・オメガバースの独自設定があります
・ビッチング(ベータ→オメガ)はありません
・最終話まで執筆済みです(全12話)
・19時更新
※なろう、カクヨムにも掲載しています。
起きたらオメガバースの世界になっていました
さくら優
BL
眞野新はテレビのニュースを見て驚愕する。当たり前のように報道される同性同士の芸能人の結婚。飛び交うα、Ωといった言葉。どうして、なんで急にオメガバースの世界になってしまったのか。
しかもその夜、誘われていた合コンに行くと、そこにいたのは女の子ではなくイケメンαのグループで――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる