毎日!アルスの日常365

星月

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睦月

【試験一日目】終了・見落としの回(全2話)

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~はじめに~

試験一日目。
この日は、数学と国語の二科目が行われます。
冬休み明けの試験は、比較的簡易に作られるという私調べがございます。参考なまでに。



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【終了】~四元戦士の理~

一限目の試験前。
カツキは、自分の席で国語の試験勉強をしていた。

直前になって必死に筆記具を動かす私を、マリンはそばで眺めていた。

カツキ「あんたね、あと5分しかないんだから最後の確認くらいでもしたらどう?」

普段からコツコツと勉強にいそしんでいたマリンには、どこか余裕が見えた。
単語帳を片手にしているが、それを使用することはなかった。

カツキ「それ使わないなら貸しなさいよ」

そう言って、私はマリンから単語帳を奪い取る。

カツキ「国語の単語帳って、漢字とかでも書いてあるのかね。」

単語帳をめくると、数字や記号の羅列が見られた。
どうやら、数学の公式や練習問題等が載っているようだ。

嫌な予感がした。

カツキ「え、待って嘘でしょ?」

私は後ろの掲示板に目を向け、試験の教科を確認した。
最初に行われるのは数学の試験で、国語はそのあとだった。

カツキ「やった。終わったわ。」

私は脱力し、椅子にもたれかかった。
私の時間を返してくれ。



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【見落としの回】~アルスの日常~

サトシ「手を上げてんだろうがよ」

国語の試験中、サトシは教卓の横の椅子に座る、試験監督の斉藤先生にアピールをする。

斉藤先生「あっごめんごめん!なんだった?」

すぐさま立ち上がり、慌ててサトシの机まで駆け寄る。

サトシ「あのよ、ここの文。なんかおかしくね?」

問題用紙の、とある小説の一文をペンで指す。

斉藤先生「おかしい?えーと、この丹念に仕上げられた壺は非常によくできており...。」

ペン先でなぞられた文を読み上げるが、いったいなにがどう腑に落ちないのかが分からなかった。

斉藤先生「うーん...前後を見ても違和感は無いように見えるし、意味はこれで通るんじゃないかな。」

文章を読むために曲げていた腰を伸ばす。

斉藤先生「担当の先生が来たら、また聞いてみるといいかもね。」

そう言って、先生は黒板の方へ体を向け、歩を進めた。

サトシは、解答欄に「たんねん」と書いた。



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※今回は再投稿という形でお送りさせていただきました。
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