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【その後】
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「真紀、これこっちね」
「はい!」
私は持田真紀。実際には持田真紀になった。
フランスの田舎街の老夫婦の農家のお手伝いとしてここで仕事をしている。
「真紀はよく働くね」
「まだ慣れてなくってすいません」
フランス語が全くできず、必死に勉強して本当に片言ならって程度。
あれから2年。
しばらくは身を潜めて暮らし、最近になって仕事をはじめた
偽造パスポートで出国し、佐原菜摘はもうこの世にはいない。
「ふぅー!」
慣れてない仕事。でも今までじっと何もせず身を潜めてたので苦ではない。
気になるのは、矢崎さん、香菜さんのこと
あの後二人は…
連絡すると足がつくから今後は連絡しない、日本に戻らない。そのことは絶対に守る約束をした。
仕事が終わり、スーパーで買い物を。
今日は何しようかな?
そんな風にウロウロしてると
「真紀!」
「あっ、ロビン!」
「どお?仕事は?」
「慣れてないけど、頑張ってます」
ロビンはこのスーパー店員さん。
農家で採集してる野菜をこのスーパーにも納品している。
「こんな田舎街に、異国の人が来るなんて、滅多にないからね」
ロビンは以前そう言ってた。
ロビンもそうだがこの街の人からしたら、私は珍しいんだろうな。
けど、私が困ってると気にかけてくれる。それが人間味があってほっとする。
「ねぇ、真紀、俺と付き合ってみない?」
えっ!?
「私と?」
「そそ、どお?」
ど、どうしよう…
嫌いとかじゃないけど、私はずっと恋愛は親のためと思ってたから、どうしても一歩が出せないでいる。
「んー、ロビンごめんなさい!今は色々したいことあって」
「えー?でも恋人いないんでしょ?」
「そうだけど…」
「お試しでもいいからさー」
悪い人ではなさそうだけど…
でも先々のことを考えるとやっぱり…
「ごめんなさい」
そう言うと
「えー!?真紀!」
と言って、まだまだ色々言ってくる。
どうしよう。
「ごめんなさい!もう会計して家に帰りたいんで」
そう言ってスーパーを出た。
私はもう自由。
親も姉弟も今までの友人も捨て、この2年アチコチ住居を変え、国も変え、そしてここにたどり着いた。
それも矢崎さんの指示だった。
逃走資金、逃走経路、その間はなるべく人との付き合いは避ける。
辛いでしょうが約2年はそうしてくださいと言われた。
全てを守り今に至る。
働き先の老夫婦が、跡取りがいなので私さえよければと言われてるけど、やっぱりパートナーがいなと大変とも言われていて…
パートナーか…
思い浮かぶのは矢崎さん…
とはいっても、恋愛とかそういうのは全くあったわけでも…、少しは気にはなったけど、だからといってそれが恋愛かとかは解らない。
矢崎さんからしたら、私は恋愛どころか雇主の政略結婚した人。そして、哀れんだ私を逃してくれた。
「…えっ?」
な、なに?
目の前…
止まって前に進まない。
「…お久しぶりです」
「…あ、あ…」
「…かなり探しました」
ビックリして涙がでる。
や、矢崎さん…
目の前に彼がいる。
「私も名前を捨てました」
「えっ!?」
「元々身寄りがなく、聖哉様のご家族に拾って頂きました。矢崎來斗は亡くなりました」
「や、矢崎さん?」
「…私もあの檻から逃げてきました」
少しずつ近寄り
「私達はもう身寄りも知ってる人も誰もいません。ですが」
そう言って片手を出す
「私と一緒に進みませんか?」
「!?」
「これから、一緒に進みませんか?」
心臓がもう壊れそうにドキドキする。身体中が熱い。
「あ、あの…」
「既にそういう方がいますか?」
そういう方って…
「この2年、貴方を誰にも接しないように言ったのは、私の…独占欲と思って頂けてもいいです。貴方はきっと守ったでしょう。」
「…矢崎さん?」
「私は幡山祐一といいます」
「…幡山さん…」
「貴方に心を決めた方がいるのですか?」
「い、いえ、そんな…」
「では、私がずっとお側に…」
そう言って抱きしめられる
初めて抱きしめられた。
状況が読み込めないけど、私は矢…幡山さんといたいと思った。
その後私達は老夫婦の農家を譲り受け、子供が授かり、決して裕福ではないけど幸せな日々を送っている。
「はい!」
私は持田真紀。実際には持田真紀になった。
フランスの田舎街の老夫婦の農家のお手伝いとしてここで仕事をしている。
「真紀はよく働くね」
「まだ慣れてなくってすいません」
フランス語が全くできず、必死に勉強して本当に片言ならって程度。
あれから2年。
しばらくは身を潜めて暮らし、最近になって仕事をはじめた
偽造パスポートで出国し、佐原菜摘はもうこの世にはいない。
「ふぅー!」
慣れてない仕事。でも今までじっと何もせず身を潜めてたので苦ではない。
気になるのは、矢崎さん、香菜さんのこと
あの後二人は…
連絡すると足がつくから今後は連絡しない、日本に戻らない。そのことは絶対に守る約束をした。
仕事が終わり、スーパーで買い物を。
今日は何しようかな?
そんな風にウロウロしてると
「真紀!」
「あっ、ロビン!」
「どお?仕事は?」
「慣れてないけど、頑張ってます」
ロビンはこのスーパー店員さん。
農家で採集してる野菜をこのスーパーにも納品している。
「こんな田舎街に、異国の人が来るなんて、滅多にないからね」
ロビンは以前そう言ってた。
ロビンもそうだがこの街の人からしたら、私は珍しいんだろうな。
けど、私が困ってると気にかけてくれる。それが人間味があってほっとする。
「ねぇ、真紀、俺と付き合ってみない?」
えっ!?
「私と?」
「そそ、どお?」
ど、どうしよう…
嫌いとかじゃないけど、私はずっと恋愛は親のためと思ってたから、どうしても一歩が出せないでいる。
「んー、ロビンごめんなさい!今は色々したいことあって」
「えー?でも恋人いないんでしょ?」
「そうだけど…」
「お試しでもいいからさー」
悪い人ではなさそうだけど…
でも先々のことを考えるとやっぱり…
「ごめんなさい」
そう言うと
「えー!?真紀!」
と言って、まだまだ色々言ってくる。
どうしよう。
「ごめんなさい!もう会計して家に帰りたいんで」
そう言ってスーパーを出た。
私はもう自由。
親も姉弟も今までの友人も捨て、この2年アチコチ住居を変え、国も変え、そしてここにたどり着いた。
それも矢崎さんの指示だった。
逃走資金、逃走経路、その間はなるべく人との付き合いは避ける。
辛いでしょうが約2年はそうしてくださいと言われた。
全てを守り今に至る。
働き先の老夫婦が、跡取りがいなので私さえよければと言われてるけど、やっぱりパートナーがいなと大変とも言われていて…
パートナーか…
思い浮かぶのは矢崎さん…
とはいっても、恋愛とかそういうのは全くあったわけでも…、少しは気にはなったけど、だからといってそれが恋愛かとかは解らない。
矢崎さんからしたら、私は恋愛どころか雇主の政略結婚した人。そして、哀れんだ私を逃してくれた。
「…えっ?」
な、なに?
目の前…
止まって前に進まない。
「…お久しぶりです」
「…あ、あ…」
「…かなり探しました」
ビックリして涙がでる。
や、矢崎さん…
目の前に彼がいる。
「私も名前を捨てました」
「えっ!?」
「元々身寄りがなく、聖哉様のご家族に拾って頂きました。矢崎來斗は亡くなりました」
「や、矢崎さん?」
「…私もあの檻から逃げてきました」
少しずつ近寄り
「私達はもう身寄りも知ってる人も誰もいません。ですが」
そう言って片手を出す
「私と一緒に進みませんか?」
「!?」
「これから、一緒に進みませんか?」
心臓がもう壊れそうにドキドキする。身体中が熱い。
「あ、あの…」
「既にそういう方がいますか?」
そういう方って…
「この2年、貴方を誰にも接しないように言ったのは、私の…独占欲と思って頂けてもいいです。貴方はきっと守ったでしょう。」
「…矢崎さん?」
「私は幡山祐一といいます」
「…幡山さん…」
「貴方に心を決めた方がいるのですか?」
「い、いえ、そんな…」
「では、私がずっとお側に…」
そう言って抱きしめられる
初めて抱きしめられた。
状況が読み込めないけど、私は矢…幡山さんといたいと思った。
その後私達は老夫婦の農家を譲り受け、子供が授かり、決して裕福ではないけど幸せな日々を送っている。
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