1 / 1
友達のお見合い
しおりを挟む
「失礼します」
小料理屋で働く、わたし小畑美鈴、今年で30歳、寂しくもフリーです!
好きだった人に告白し、振られてしまって、居づらくって長く勤めてた会社を退職。
8年も勤めてた会社で企画部に所属。はじめは憧れの同じ部の3歳上の先輩
。3年前に主任になって、恋人も今は居ないと聞き、それからなんとなく憧れでなく異性として意識してしまい、二人きりの夜の残業でつい勢いで告白してドン引きされ、それからなんとなく避けて仕事をして、どんどん居づらくなって結局退職。
情けない…
3ヶ月くらいまったりして、今このお店に4ヶ月前に転職した。
未経験で30歳の私を雇ってくれるなんて有り難い。
今は必死に働いてる。
「お料理をお持ちしました」
みんな個室になっていて、会社の接待やらそういう特殊なことで使う人が多い。
ちらっと見たら、お見合いぽい感じだった。
小鉢、前菜をテーブルに置いて、またしばらくして料理を運ぶことになっていたが
「あれ?美鈴?」
女性の声で、ハッと気づき
「早苗!?」
短大時代の白井早苗がいた。
「あ、久しぶりだね」
同じ講義を受けてたのでよく一緒にはなっていたが、ちょっとブリっ子ちゃんみたいなところがあって、個人的には好きになれなかったが、皆で輪の中にいるって感じだった。
「なに?ここで働いてるの?」
「あっ、うん。」
何か言いたそうだったが
「あっ、ごめん。仕事中だから」
と言って個室の部屋の出口に行こうとしたら
「ゴホッ」
と、男性がわざとらしい咳をした。
「えっ!?」
うそ!?檜山さん?
まさか、振られた相手が早苗のお見合い相手?
硬直して動けなかったが、すぐに我に帰り
「失礼しました」
と部屋を出た。
最悪…
もう、早苗にも会いたくないし、檜山さんにはもっと会いたくない。
「次にこれお願いね」
仕事だもん、イヤとは言えない。
「…わかりました」
気が重いんだけど
「失礼します。」
さっきの前菜で空いたお皿だけを下げて、持ってきた料理をテーブルの上に置く。
早苗はチラッと見たが、話しかけてはこなかった。
檜山さんはこっちは全く見てない。
このあとメイン料理に、お味噌汁、ご飯で、デザートで…
あと3回は出入りしないと…
あー、誰か変わってほしい。
そのあとも、早苗の何か言いたそうな顔を見つつ仕事をし、檜山さんはほぼシカト状態。
何とかデザートまで運び
「お料理は以上でございます。それでは失礼します」
と言って部屋を出た。
あとは、帰った後の片付けだけだし、何事もなくってよかったっと安堵した。
それにしても、お見合いか…
檜山さんなら、社内でもモテるのに…、確か私が憧れてたときは秘書課の子と付き合ったよな。なんでお見合いなんだろ?
早苗は…、まぁはじめは可愛くやるからウケはいいんだよな。
でも、本性でるとかなりアレだもんな。
と、色々想像してしまった。
「桜のお部屋のお客様お帰りになったわよ」
それから、1時間後帰ったようで、片付けに行って、その日はそれで仕事が終わった。
家に帰り、忘れたくって少し強めのウィスキーを飲んだ。
あの二人が結婚しようが私には関係ないし、今は少しでも仕事に慣れないと
。
私はいつ結婚できるのかなー
翌日は早番でお昼から入り21時前には退社する出勤になっていた。
「おはようございます」
いつものように料理を持ち運びをする。
昼の担当のお部屋はどうも年配者さんの同窓会の集まりで15人ほどいた。
先輩二人で担当し、足を引っ張らないようテキパキ動く。
夜は役職のありそうな男性二人の部屋の担当をして、仕事が終わった。
慣れない着物が1番辛い。着付けもまだ出来てなく、先輩にまだ助けてもらってる。
裏口から出て駅に向かおうとしたら
「小畑さん?」
目の前に檜山さんがいた
あ、や、ヤバイ。
挙動不審になってる。私
「あ、ども。お久しぶりでふ」
最後、でふっになっちゃったよ。
完璧テンパってる。
てか、なんでここにいるんだろ?
私のこと、待ってた?てわけないか…。偶然!?にしても昨日この店で会ってるから知ってるわけだし、店に用があるとか?
「あっ、お店に用ですか?」
「…まぁ確かに用はあったが」
「あっ、そうなんですか?じゃお呼びしますか?」
と言って、お店に戻ろうとしたら
「用と言っても、小畑さんにだよ」
「え?」
私に!?
な、なんで!?
あっ!!
「あ、あの、早苗のことについてですか?」
もしかして、お見合い相手の早苗のこと聞きたいとか?
「なんで、そうなるの?」
「だって、昨日お見合いでしたよね?」
「まぁ、そうだけど」
「早苗のこと知りたいのかと…」
「なに?小畑さんはお見合い成功して欲しいの?」
成功も何もお見合いしといて…
じゃ、私に何がいいたいの?
「…あのー、じゃ私に何か?」
苦笑されて
「私に何か?じゃないでしょう?」
そう言って近付いてくる
「ずっと避けられて、挙句の果てにはいつの間にか退職決まって、サクッと居なくなって、すげー避けられてたよな?」
そ、そんなの、避けない方が無理じゃん
「で、でも仕事には影響ないようにしてたので」
「そりゃ、そうだろ!?」
「は、はい…」
しっかり振っといて、それで普通に接するって無理だった。
てか、告白しなければよかったと後悔してる。
2人きりになって、なんか離れたくないと思ったら、抱きつかたくなってつい、好きといってしまった…
檜山さんからは、少し困ったようなドン引きされたような顔をして「あっ、気持ちだけ受け取っとく」と言われた。
「あれから、少し考えてた」
「え?」
「俺が、いやあの部で皆が仕事できる環境を作ったのは、小畑さんなんだよな」
「えっ!?いや、何を…」
何を言ってるんだろう?
「朝お茶入れてくれたり、コピー用紙の補充やら、皆が足りなくなりそうなものを、いつも早めに用意してくれてた。新人がやるようなことなのにいち早く準備をして、いつも困らない環境を作ってくれてた」
「あ、いえ、そんなの、誰でも…」
「俺知らなかったよ」
「えっ!?」
「内山に言われたんだ。俺が本当に困ったときは、肘ついて片方の耳を触るんだって。小畑さんに聞いたと言ってた」
そういえば、後輩の内山君に檜山さんが悩んでるときの癖言ったことあったなー
「俺ですら知らなかった」
「そ、そうですか」
「もう遅い?」
「は?」
「小畑さんが居なくなって、あの部の小畑さんが今までしてくれたこと凄いと実感した。それで小畑さんが気になってる」
「檜山さん?」
「小畑さんに会いたかった」
ビックリして言葉がでない。
「俺でよければ、友達からでいいのでお付き合い考えてくれませんか?」
思考回路停止というのはこういうことなんかな?と実感した。
しばらく何も考えられなかった。
「小畑さん?」
「あ、あのすいません。ビックリしてフリーズしてました」
「恋人とかいる?」
「い、いえ、いませんが」
「好きな人にとかは?」
好きな人…
檜山さんに振られてからは、考えないようにしてたな
「いえ、えっと…」
まだ少し檜山さんのこと好きですとも言えず曖昧になる
「チャンスある?」
「あ、あの…、どうしてこうなったのかわかりませんが、私何も取り柄ないし、あのときちゃんと振ってくれたから、多分その程度の人間ですよ。多分居なくなったことで、美化しすぎとか?」
それ以降ほとんど話してないのに、何でこうなるのかわからない。
「いや、美化しすぎでなく、見る目がなかったんだよ」
私の腕を掴んで
「1ミリでも可能性があるなら逃す気ないけど」
「ひ、檜山さん?」
こうして私は檜山さんに捕まってしまった。
早苗とはすぐお見合いは断ったと言う。親戚の顔を立ててと言われたので仕方なく行ったと言ってたけど。
その後、本当に友達みたいに飲みに行ったり、買い物行ったりと手すら繋ぐことなく1ヶ月が過ぎていった。
飲みに行った帰りに
「ほんと、何で気づかなかったんだろ?」
「え?何がです?」
「小畑さんのよさ。あんなに長く仕事してたのに…」
「いえ、そんなことは…」
「俺がもう完璧に小畑さんに惚れてるんだけど」
ドキッとして言葉をなくす。
「もう、友達終わっていい?これからは恋人として見ていい?」
「で、でも私…」
1度振られた相手なんで踏ん切りがなんかつかなかった。
本当に私でいいのかな?
そんな気持ちでいっぱいで
「じゃ、俺が落とす」
「檜山さん?」
「絶対離れたくないと思われるようにさせる」
そのあとは、もうガンガン攻めてきていつの間にか溺愛されるまでになってしまい
「ねぇ、いつ結婚する?」
とまで言われてしまってる。
小料理屋で働く、わたし小畑美鈴、今年で30歳、寂しくもフリーです!
好きだった人に告白し、振られてしまって、居づらくって長く勤めてた会社を退職。
8年も勤めてた会社で企画部に所属。はじめは憧れの同じ部の3歳上の先輩
。3年前に主任になって、恋人も今は居ないと聞き、それからなんとなく憧れでなく異性として意識してしまい、二人きりの夜の残業でつい勢いで告白してドン引きされ、それからなんとなく避けて仕事をして、どんどん居づらくなって結局退職。
情けない…
3ヶ月くらいまったりして、今このお店に4ヶ月前に転職した。
未経験で30歳の私を雇ってくれるなんて有り難い。
今は必死に働いてる。
「お料理をお持ちしました」
みんな個室になっていて、会社の接待やらそういう特殊なことで使う人が多い。
ちらっと見たら、お見合いぽい感じだった。
小鉢、前菜をテーブルに置いて、またしばらくして料理を運ぶことになっていたが
「あれ?美鈴?」
女性の声で、ハッと気づき
「早苗!?」
短大時代の白井早苗がいた。
「あ、久しぶりだね」
同じ講義を受けてたのでよく一緒にはなっていたが、ちょっとブリっ子ちゃんみたいなところがあって、個人的には好きになれなかったが、皆で輪の中にいるって感じだった。
「なに?ここで働いてるの?」
「あっ、うん。」
何か言いたそうだったが
「あっ、ごめん。仕事中だから」
と言って個室の部屋の出口に行こうとしたら
「ゴホッ」
と、男性がわざとらしい咳をした。
「えっ!?」
うそ!?檜山さん?
まさか、振られた相手が早苗のお見合い相手?
硬直して動けなかったが、すぐに我に帰り
「失礼しました」
と部屋を出た。
最悪…
もう、早苗にも会いたくないし、檜山さんにはもっと会いたくない。
「次にこれお願いね」
仕事だもん、イヤとは言えない。
「…わかりました」
気が重いんだけど
「失礼します。」
さっきの前菜で空いたお皿だけを下げて、持ってきた料理をテーブルの上に置く。
早苗はチラッと見たが、話しかけてはこなかった。
檜山さんはこっちは全く見てない。
このあとメイン料理に、お味噌汁、ご飯で、デザートで…
あと3回は出入りしないと…
あー、誰か変わってほしい。
そのあとも、早苗の何か言いたそうな顔を見つつ仕事をし、檜山さんはほぼシカト状態。
何とかデザートまで運び
「お料理は以上でございます。それでは失礼します」
と言って部屋を出た。
あとは、帰った後の片付けだけだし、何事もなくってよかったっと安堵した。
それにしても、お見合いか…
檜山さんなら、社内でもモテるのに…、確か私が憧れてたときは秘書課の子と付き合ったよな。なんでお見合いなんだろ?
早苗は…、まぁはじめは可愛くやるからウケはいいんだよな。
でも、本性でるとかなりアレだもんな。
と、色々想像してしまった。
「桜のお部屋のお客様お帰りになったわよ」
それから、1時間後帰ったようで、片付けに行って、その日はそれで仕事が終わった。
家に帰り、忘れたくって少し強めのウィスキーを飲んだ。
あの二人が結婚しようが私には関係ないし、今は少しでも仕事に慣れないと
。
私はいつ結婚できるのかなー
翌日は早番でお昼から入り21時前には退社する出勤になっていた。
「おはようございます」
いつものように料理を持ち運びをする。
昼の担当のお部屋はどうも年配者さんの同窓会の集まりで15人ほどいた。
先輩二人で担当し、足を引っ張らないようテキパキ動く。
夜は役職のありそうな男性二人の部屋の担当をして、仕事が終わった。
慣れない着物が1番辛い。着付けもまだ出来てなく、先輩にまだ助けてもらってる。
裏口から出て駅に向かおうとしたら
「小畑さん?」
目の前に檜山さんがいた
あ、や、ヤバイ。
挙動不審になってる。私
「あ、ども。お久しぶりでふ」
最後、でふっになっちゃったよ。
完璧テンパってる。
てか、なんでここにいるんだろ?
私のこと、待ってた?てわけないか…。偶然!?にしても昨日この店で会ってるから知ってるわけだし、店に用があるとか?
「あっ、お店に用ですか?」
「…まぁ確かに用はあったが」
「あっ、そうなんですか?じゃお呼びしますか?」
と言って、お店に戻ろうとしたら
「用と言っても、小畑さんにだよ」
「え?」
私に!?
な、なんで!?
あっ!!
「あ、あの、早苗のことについてですか?」
もしかして、お見合い相手の早苗のこと聞きたいとか?
「なんで、そうなるの?」
「だって、昨日お見合いでしたよね?」
「まぁ、そうだけど」
「早苗のこと知りたいのかと…」
「なに?小畑さんはお見合い成功して欲しいの?」
成功も何もお見合いしといて…
じゃ、私に何がいいたいの?
「…あのー、じゃ私に何か?」
苦笑されて
「私に何か?じゃないでしょう?」
そう言って近付いてくる
「ずっと避けられて、挙句の果てにはいつの間にか退職決まって、サクッと居なくなって、すげー避けられてたよな?」
そ、そんなの、避けない方が無理じゃん
「で、でも仕事には影響ないようにしてたので」
「そりゃ、そうだろ!?」
「は、はい…」
しっかり振っといて、それで普通に接するって無理だった。
てか、告白しなければよかったと後悔してる。
2人きりになって、なんか離れたくないと思ったら、抱きつかたくなってつい、好きといってしまった…
檜山さんからは、少し困ったようなドン引きされたような顔をして「あっ、気持ちだけ受け取っとく」と言われた。
「あれから、少し考えてた」
「え?」
「俺が、いやあの部で皆が仕事できる環境を作ったのは、小畑さんなんだよな」
「えっ!?いや、何を…」
何を言ってるんだろう?
「朝お茶入れてくれたり、コピー用紙の補充やら、皆が足りなくなりそうなものを、いつも早めに用意してくれてた。新人がやるようなことなのにいち早く準備をして、いつも困らない環境を作ってくれてた」
「あ、いえ、そんなの、誰でも…」
「俺知らなかったよ」
「えっ!?」
「内山に言われたんだ。俺が本当に困ったときは、肘ついて片方の耳を触るんだって。小畑さんに聞いたと言ってた」
そういえば、後輩の内山君に檜山さんが悩んでるときの癖言ったことあったなー
「俺ですら知らなかった」
「そ、そうですか」
「もう遅い?」
「は?」
「小畑さんが居なくなって、あの部の小畑さんが今までしてくれたこと凄いと実感した。それで小畑さんが気になってる」
「檜山さん?」
「小畑さんに会いたかった」
ビックリして言葉がでない。
「俺でよければ、友達からでいいのでお付き合い考えてくれませんか?」
思考回路停止というのはこういうことなんかな?と実感した。
しばらく何も考えられなかった。
「小畑さん?」
「あ、あのすいません。ビックリしてフリーズしてました」
「恋人とかいる?」
「い、いえ、いませんが」
「好きな人にとかは?」
好きな人…
檜山さんに振られてからは、考えないようにしてたな
「いえ、えっと…」
まだ少し檜山さんのこと好きですとも言えず曖昧になる
「チャンスある?」
「あ、あの…、どうしてこうなったのかわかりませんが、私何も取り柄ないし、あのときちゃんと振ってくれたから、多分その程度の人間ですよ。多分居なくなったことで、美化しすぎとか?」
それ以降ほとんど話してないのに、何でこうなるのかわからない。
「いや、美化しすぎでなく、見る目がなかったんだよ」
私の腕を掴んで
「1ミリでも可能性があるなら逃す気ないけど」
「ひ、檜山さん?」
こうして私は檜山さんに捕まってしまった。
早苗とはすぐお見合いは断ったと言う。親戚の顔を立ててと言われたので仕方なく行ったと言ってたけど。
その後、本当に友達みたいに飲みに行ったり、買い物行ったりと手すら繋ぐことなく1ヶ月が過ぎていった。
飲みに行った帰りに
「ほんと、何で気づかなかったんだろ?」
「え?何がです?」
「小畑さんのよさ。あんなに長く仕事してたのに…」
「いえ、そんなことは…」
「俺がもう完璧に小畑さんに惚れてるんだけど」
ドキッとして言葉をなくす。
「もう、友達終わっていい?これからは恋人として見ていい?」
「で、でも私…」
1度振られた相手なんで踏ん切りがなんかつかなかった。
本当に私でいいのかな?
そんな気持ちでいっぱいで
「じゃ、俺が落とす」
「檜山さん?」
「絶対離れたくないと思われるようにさせる」
そのあとは、もうガンガン攻めてきていつの間にか溺愛されるまでになってしまい
「ねぇ、いつ結婚する?」
とまで言われてしまってる。
47
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる