消えた記憶

詩織

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第二の人生

初めての店番

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仕事を初めて3週間くらいになったころ、ご主人が買い出しに行くと言い出して

「もう1人で店番大丈夫そうだし」

と言って、3時間くらい出掛けるといって外出した。

お店で1人と思うと改めて緊張する。

こんなときにトラブルとか困ったことがないように…、っとつい祈りたくなる。

何組かお客さんが来て、手作りの依頼を注文したお客さんが取りに来たり、主婦さん3人組がスマホケース買ったり、大学生くらいの女性が指輪を買ったりと他も数人か来店に来てた。

もう少しでご主人も帰ってくるし何事もなく...っと思ってたところに

「よお!」

っと、来たのは九重だった。

顔を見た途端、この間のキスを思い出して

「なに?顔赤くして、何かいやらしいことでも考えてた?」

「そ、そんなこと...」

「今なに1人?」

「あっ、うん。ご主人は買い出しに行っててもうすぐ戻ってるけど」

「そっか」

店の様子を見渡して

「女子高生がとかそういう感じでなく、大人が好みそうな感じの多いな」

「うん、そうなの。だから主婦さん、OLさん、女子大生とか、高齢の方も来店するよ」

「へぇ」

っと、言って色々見てる。

「仕事何時まで?」

「あ、あと1時間くらいで終わりかな」

「その後予定は?」

「家に帰るだけだけど」

「飯でも食いに行く?まぁそのつもりで来たけど」

っといたずらっぽく笑う。

その顔も反則。

ドキドキが止まらない。

「なに?その顔?仕事中なのに」

っと近くに来る。

ひ、ひどい!わかっててわざとだ!!

九重ってこんないじわるな人だった?

とその時

「ただいま戻りました~」

っと、ご主人が帰ってきた。

「あっ、おかえりなさい」

っと、ちょっとどもった。

「あ、いらっしゃいませ」

っと、九重に向かて言うご主人。

でもすぐに、あっと小声でご主人が言って

「設楽さんの恋人?」

っと、言われた。

「え!?いやあの...ち、ちがいま」

「いつも、絵里香がお世話になってます」

「ちょっ、ちょっと」

九重、何その言い方は!!それに名前で言ったことないでしょう?

やばい、赤面してる。絶対!

ご主人は

「あれま」

と言って、私の顔を見て笑顔になった。

恥ずかしくって死にそうなんだけど...、九重ひどい!わかっててわざとだ!

「設楽さん、少し早いけど上がっていいですよ」

「え?」

「今日は初めてのお留守番頑張ってくれたし、それに恋人も待ってるし」

「ええ、そんなだって」

「まぁ毎回とかでないし、せっかく来てくれてるんだし」

っと言って、ご好意に甘えて少し早く上がれることになった。



「優しそうな店長さんだね」

「奥さんも優しいし、ご夫婦温和な方で親切にしてもらってる」

「明日休みでしょ?」

「うん」

「俺も休みだから、今日は遅くまで付き合って」

もう全ての九重が色っぽく、妖艶に見える。

あのキスから?もしかして私完全に九重の虜になってる?


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