消えた記憶

詩織

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誰にも必要とされない女 【丸山美玖 編】

休みの楽しみ

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休日は日用品の買い物以外はすることはほとんどなかった。

最近は図書館で1日いるのが楽しになっている。

お金もかからないし、1人で集中できる。

少し前から小説をよく読むようになり、毎日色んなストーリーの世界に入れてそれが楽しみになってる。

今日は、どんなストーリーにしようかなっと本を眺めてた。

推理系もいいし、恋愛系、ファンタジー系も増えてる。歴史の話もある。

あっ、ちょっと今日は青春ものにしてみようか...

学生時代、施設と学校を通う日々の私には、友達と楽しんだりって思い出があまりなく、淡い青春の思い出ってのをしたことがない。


図書館には朝9時から閉館の17時半までずっと読んでることが多い。

集中しちゃうとお昼も忘れるくらい没頭しちゃうので、1日で完結することもしばしばで、長いと翌日に持ち越して完結させてしまうこともある。

自分で言うのもなんだが、集中しちゃうと周りが見えなくなるタイプかなっと思う。


トイレに行きたいなっと思い、ふと時計を見ると3時だった。

さっき9時で入館したのに、もう3時か...、早いな。

内容も既に終盤に入ってて、今日は1日で完結しそうっと思ってた。

トイレに戻り席についたとき

あれ?

そういえばあの人、よくここにいるな。

朝9時にもいなかった?先週もその前もいた気がするけど...

眼鏡を掛けた、鼻が高く、目が青く、自然の茶系の髪は多分ハーフなんだろうっと思われる顔なのでなんとなく印象があった。

私と同じ本好きなのかな?

くらいにしか初めは印象がなかった。



工場の仕事は単調でラインの仕事。

高卒で就職した人は数人いるが、だいたいが辞めてしまってる。

周りは30後半から40歳以上のパートで働いてる女性が多い。

昼休みも休憩もほぼ1人。

1日でおはようございます、お疲れ様でした以外口にしないことも多い。



岡部先生にカウンセリングをしてもらったあと、ぱったりと九重先生に会った。

うっ、なんか気まずい

「こんにちわ」

私は挨拶をした。先生も少しぎこちなかったけど

「こんにちわ」

っと挨拶をしてくれた。

あれ?

「先生、ご結婚されたんですか?」

多分結婚指輪?これって

「ああ、うん」

「あの、あの彼女さんとですか?」

「そうだよ」

と遠慮がちに言った。

「よ、よかった...」

「ちょ、ちょっと丸山さん?」

「よかったです」

私は九重先生の前で涙を流し、ホッとした気持ちになった。

「私、私先生たちに酷いことして、勿論結婚したからって私の罪は軽くはならないけど、もし私のせいでって思ったら」

「丸山さん...」

「私が言ってもうれしくないかもですけど、おめでとうございます」

「いや、うれしいよ。ありがとう」

先生は嬉しそうに言ってくれた。

それだけで私は少し救われた気がした。

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