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新居
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引っ越しも終え、来週から社会人になる。
あれからやっぱりお兄ちゃんとは会わなかった。
私から解放されて、楽になったかもな。
初出勤日
新入社員は20人くらい。
私は、企画部に所属することになった。
初日から1週間は研修で集められ、翌週から各部署に配属になる。
研修のラストの日は週末なので、新入社員だけで飲みに行くのが、毎年の流れらしい。
高卒もいるが、専門卒、大卒もいた。
歳はバラバラだが、みんな同期。
気軽にやろーと言って乾杯!!と始まった。
近くには女性が多く、化粧もしっかりしてるし、年上なのはよくわかる。
「柏崎さんみてるとかわいいね!私も新入社員だけど、柏崎さんはもう絵に書いたような新入社員だわ!」
「あー、それわかる!もう全てが純粋な感じがして、変な男に引っかからないでほしいわ」
と、同期とはいえ、お姉様方に箱入り娘みたいな扱いにされてしまい、そっからなぜかバンビちゃんとあだ名がつけられた。
週末、おばさんから連絡あった。
「どお?お仕事」
「今週は研修だったんで、お仕事は来週からなんで」
「そかぁー、もう紗綾ちゃんのこと心配で」
「おばさん、なんとか頑張りますから大丈夫ですよ」
「いや、陸也がね、凄い心配してるのよ」
お兄ちゃんが?
「あとで連絡してあげて」
と、言われても
とりあえず、メールで
〈元気にやってます〉
だけ送った。返事はこなかったけど。
社会人になって半年がたった
仕事も少しだけ慣れてきた。
定時後、同期の篠原さんが話があると言われて、指定の居酒屋に来ていた。
篠原さんは大卒なのので4歳年上の男性だ。
「すいません、おそくなりました」
「大丈夫だよ、そんなに待ってないから」
篠原さんは先にビールを飲んでた。
私は烏龍茶を頼んだ。
話ってなんだろ?
「バンビちゃん、仕事どお?」
「まだ雑務だけですけどね、早く企画できるようになりたいですね」
と、はじめは仕事の話をお互いにしだした。
そしてしばらくして
「バンビちゃん、彼氏いるの?」
「あー、いませんね」
「そーなんだ」
「好きな人とかは?」
そう言われて一瞬言葉を返せなかった。
「…いるんだ」
「いやー…」
いるって言っていいのかわからなかった。忘れないとダメなのに。
「俺の入るスキない?」
「え?」
「俺、バンビちゃんと付き合いたいんだけど」
ビックリして、言葉が出なかった。
進むには新しい出会いをしないとなんだけど、まだ進めないでいる。
「まだ、解らないんです」
「え?」
「前に進まないとなんだけど、今はまだ解らないんです」
何となく察したのか
「忘れられないってことか」
「すいません」
「どんな人なの?」
「え?」
「いやー、バンビちゃんの好きな人ってどんな人なのかなーって」
「えっとぉー」
初めて好きな人のこと話す。
今まで誰にも言ったことなかった。
篠原さんは、相槌しながら聞いてくれた。
「そっかぁー、その人とその人のお母さんに育てて貰ったのか」
「はい」
「妹としか思われてないの解ってるんですけど」
「うん」
「でも、まだ今は…」
「そっか、わかった。でももし先に進みたいなら、俺とお試しでもいいからね」
篠原さんの優しさが心に染みた。
篠原さんと店を出て、途中まで送ってもらって帰ろうとしたとき
あれ?
「お兄ちゃん?」
最寄り駅でお兄ちゃんを見た。
偶然?どうしよう…、声かけた方がいいのかな?まだこっちには気がついてないみたいだけど
どうしようか悩んだるうちに、お兄ちゃんがこっちに気がついた
あれからやっぱりお兄ちゃんとは会わなかった。
私から解放されて、楽になったかもな。
初出勤日
新入社員は20人くらい。
私は、企画部に所属することになった。
初日から1週間は研修で集められ、翌週から各部署に配属になる。
研修のラストの日は週末なので、新入社員だけで飲みに行くのが、毎年の流れらしい。
高卒もいるが、専門卒、大卒もいた。
歳はバラバラだが、みんな同期。
気軽にやろーと言って乾杯!!と始まった。
近くには女性が多く、化粧もしっかりしてるし、年上なのはよくわかる。
「柏崎さんみてるとかわいいね!私も新入社員だけど、柏崎さんはもう絵に書いたような新入社員だわ!」
「あー、それわかる!もう全てが純粋な感じがして、変な男に引っかからないでほしいわ」
と、同期とはいえ、お姉様方に箱入り娘みたいな扱いにされてしまい、そっからなぜかバンビちゃんとあだ名がつけられた。
週末、おばさんから連絡あった。
「どお?お仕事」
「今週は研修だったんで、お仕事は来週からなんで」
「そかぁー、もう紗綾ちゃんのこと心配で」
「おばさん、なんとか頑張りますから大丈夫ですよ」
「いや、陸也がね、凄い心配してるのよ」
お兄ちゃんが?
「あとで連絡してあげて」
と、言われても
とりあえず、メールで
〈元気にやってます〉
だけ送った。返事はこなかったけど。
社会人になって半年がたった
仕事も少しだけ慣れてきた。
定時後、同期の篠原さんが話があると言われて、指定の居酒屋に来ていた。
篠原さんは大卒なのので4歳年上の男性だ。
「すいません、おそくなりました」
「大丈夫だよ、そんなに待ってないから」
篠原さんは先にビールを飲んでた。
私は烏龍茶を頼んだ。
話ってなんだろ?
「バンビちゃん、仕事どお?」
「まだ雑務だけですけどね、早く企画できるようになりたいですね」
と、はじめは仕事の話をお互いにしだした。
そしてしばらくして
「バンビちゃん、彼氏いるの?」
「あー、いませんね」
「そーなんだ」
「好きな人とかは?」
そう言われて一瞬言葉を返せなかった。
「…いるんだ」
「いやー…」
いるって言っていいのかわからなかった。忘れないとダメなのに。
「俺の入るスキない?」
「え?」
「俺、バンビちゃんと付き合いたいんだけど」
ビックリして、言葉が出なかった。
進むには新しい出会いをしないとなんだけど、まだ進めないでいる。
「まだ、解らないんです」
「え?」
「前に進まないとなんだけど、今はまだ解らないんです」
何となく察したのか
「忘れられないってことか」
「すいません」
「どんな人なの?」
「え?」
「いやー、バンビちゃんの好きな人ってどんな人なのかなーって」
「えっとぉー」
初めて好きな人のこと話す。
今まで誰にも言ったことなかった。
篠原さんは、相槌しながら聞いてくれた。
「そっかぁー、その人とその人のお母さんに育てて貰ったのか」
「はい」
「妹としか思われてないの解ってるんですけど」
「うん」
「でも、まだ今は…」
「そっか、わかった。でももし先に進みたいなら、俺とお試しでもいいからね」
篠原さんの優しさが心に染みた。
篠原さんと店を出て、途中まで送ってもらって帰ろうとしたとき
あれ?
「お兄ちゃん?」
最寄り駅でお兄ちゃんを見た。
偶然?どうしよう…、声かけた方がいいのかな?まだこっちには気がついてないみたいだけど
どうしようか悩んだるうちに、お兄ちゃんがこっちに気がついた
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