最愛の人は11歳年下でした

詩織

文字の大きさ
4 / 15

ダイヤの原石

しおりを挟む
その青年とはよく休憩があうようになった。

1ヶ月もたつと少しづつではあるが、話せるようになっていた。

名前は、津山魁。大学生かと思ったが違うようだ。

「吉崎さんって、昼仕事してないんですか?」

相変わらず津山君は、スマホを見ながらだ。

でも、少し会話できるだけでも違うかな。

「そのうち、そうしようとは思うんだけどね。ここ家から近いから、もう少しここでやろうかなと思ってるかな」

「そーなんだ」

「津山君は?」

「俺は、本職が起動にのったらやめるけど、いつになるか解らないっす」

「本職?」

「いちよう役者希望」

へぇー、そうなのか

「なに?無理と思ってます?」

「いや、そんなんじゃないけど、そういう人と会ったの初めてなんで、少しビックリして」

「いちよう舞台とかしてますよ。小さいところだけど」

「ええ?そうなんだ」

「今度きてみます?」

舞台かぁー、あまり行ったことないんでよくわからないけど

「初心者観覧だけど、それでいいなら」 




それから半月して

「これ」

と、渡された。

舞台のチケットだ。

「おお!ありがとう!必ず行くからね」

「空いてたらでいいですよ」

「あ、お金、チケット代」

「いらないすっよ!こっちから来てて頼んだんだし」

そう言ってお金は受け取ってくれなかった。




舞台の日当日。

50~60人位のお客さんでいっぱいになる小さな舞台だった。

それでもほぼ埋まってる。

若い女の子多いなー、お目当ての誰かいるのかな?

パンフレットを見て、津山君を探すが見当たらない…

あれ?おかしいな?出るって言ってたのに

しばらく出演者欄を探し、スタッフなのかな?とも思ったがそっちでも見つからなかった。

出演者の写真見たほうがいいか。

…わからない。

いないじゃん!!

そう思ったときに、舞台は始まった。

最愛の人を亡くした青年が、立ち直るというストーリーのようだ。


この先亡くなる最愛の女性がまず出てきた。

そして、その主人公になるであろう青年も出てきた。

あれ?

聞いたことない?この声?

主人公の声が津山君に似てないか?

パンフレットを見た。

佐伯拓海

と言う名前だった。 



……芸名かい!!

見た目も全然違うし、芸名なのも知らなかったし、声でしか解らなかったわ!!

そんな、心のツッコミはすぐ終わり

津山君の芝居に引き寄せられる

感情を全て出し、特に最愛の人が亡くなったときの涙は大声で泣くでもなく、一粒の涙で全てを表現してた。

こんな凄いことってあるの?

この舞台は一生忘れることないと思った。


舞台が終わり、出演者全員が出て頭を下げる。

大きな拍手と歓声もおおく、

「拓海ーー!!」

と言う声もかなり多かった。

目の前にいるので、1言言いたくて行こうとは思ったが、ファンの子が花やらプレゼントで舞台にどんどん行ってたので、諦めて帰ることにした。


津山君みたいな人をダイヤの原石って言うんだろうな

その日は心も胸もいっぱいになった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

雪の日に

藤谷 郁
恋愛
私には許嫁がいる。 親同士の約束で、生まれる前から決まっていた結婚相手。 大学卒業を控えた冬。 私は彼に会うため、雪の金沢へと旅立つ―― ※作品の初出は2014年(平成26年)。鉄道・駅などの描写は当時のものです。

「妹の方が可愛い」と不倫夫に捨てられた私。どうぞ借金まみれの実家ごと引き取って。私が肩代わりしていた負債、すべてお二人に引き継いでおきました

唯崎りいち
恋愛
「お前より妹の方が可愛い」 不倫した夫は私を追い出し、略奪した妹と笑った。 どうぞ、その「可愛い妹」と地獄までお幸せに。 私が肩代わりしていた実家と店の多額の借金、すべてお二人に引き継いでおきましたから。 「財布」を失った元夫と、逃げ場を失った妹。 身の丈に合わない贅沢を望んだ寄生虫たちの、惨めな末路を特等席で眺めさせていただきます。

ハイスペックでヤバい同期

衣更月
恋愛
イケメン御曹司が子会社に入社してきた。

大好きな背中

詩織
恋愛
4年付き合ってた彼氏に振られて、同僚に合コンに誘われた。 あまり合コンなんか参加したことないから何話したらいいのか… 同じように困ってる男性が1人いた

昔の恋心

詩織
恋愛
銀行に勤めて8年、勤務地が実家に近くなったことから実家通いを始める28歳の独身、彼氏なしの私。 まさか、再会するなんて

「やり直したい」と泣きつかれても困ります。不倫に溺れた三年間で私の心は死に絶えました〜捨てられた元妻、御曹司の傍らで元夫を静かに切り捨てる〜

唯崎りいち
恋愛
三年間の夫の不倫で心も生活も壊れた私。偶然出会ったレトルト食品に救われ、Webデザインで再出発。過去に縛られず、自分の人生を取り戻す静かな再生の物語。

離婚すると夫に告げる

tartan321
恋愛
タイトル通りです

【完結】離婚を切り出したら私に不干渉だったはずの夫が激甘に豹変しました

雨宮羽那
恋愛
 結婚して5年。リディアは悩んでいた。  夫のレナードが仕事で忙しく、夫婦らしいことが何一つないことに。  ある日「私、離婚しようと思うの」と義妹に相談すると、とある薬を渡される。  どうやらそれは、『ちょーっとだけ本音がでちゃう薬』のよう。  そうしてやってきた離婚の話を告げる場で、リディアはつい好奇心に負けて、夫へ薬を飲ませてしまう。  すると、あら不思議。  いつもは浮ついた言葉なんて口にしない夫が、とんでもなく甘い言葉を口にしはじめたのだ。 「どうか離婚だなんて言わないでください。私のスイートハニーは君だけなんです」 (誰ですかあなた) ◇◇◇◇ ※全3話。 ※コメディ重視のお話です。深く考えちゃダメです!少しでも笑っていただけますと幸いです(*_ _))*゜ ※AI不使用です。

処理中です...