トラガール

詩織

文字の大きさ
7 / 35

やっぱりな…

しおりを挟む
今日は建売の木材を届ける仕事。

都心を経由して行くので道が狭い。

都心の道路はやっぱり好きになれないんだよな。

と、まぁ仕事だしなー

木材を搬入して都心に入る。

あっ!参ったな。事故渋滞だ。

まぁ、予定の時間には着くとは思うけどな。

と、何気に外を見るとスーツ姿や着飾った女性が歩いてる。

昔は私もなーっと、思ってみたら

「あれ?」

あれって、植原さんじゃない?

腕組んでる女性って…

恋人?

楽しそうに話してる。

なんだ。やっぱりそういう人いるのか…

じゃ、なんで抱きしめたんだろ?

ただの気休め?


まぁ、わかってはいたことだけど、どこか心に穴が空いた気がした。


その後、週末の飲みのお誘いはきたけど、体調がよくないとか、予定があるって断ってたけど、毎回は流石にね…

こんな関係もそろそろ半年だし、いい機会だからハッキリするか…と思ってチャットした。

『植原さん、もう会うのやめない?』

しばらくは既読にならず、既読になってすぐ

『なんで?』

と、すぐに返事がきた。

『別に毎回会わなくっても…、用がある時だけ会えばよくない?』

『面倒になった?』

『そうじゃないけど、この間恋人と歩いてるのたまたま見て、私と会ってるときにその恋人と鉢合わせになったら、そっちのが大変になる』

『恋人?』

『うん』

『いつ?』

『先月の中頃かな?私達って、友達みたいな関係だけど、やっぱり女性と二人で会ったら、いい気分しないと思うから』

『人違いじゃない?』

『間違えるはずないよ』



私なんで、言い切れるの?間違えるはずはいって…

『俺いないよ、恋人なんて』

てことは、そういう付き合いとか?

『でも、見たし…、とにかくそういう特別な人いるなら、私達二人で会ったところ見られて誤解されてもだし』

『篠山さん、あのさ』

『ごめん、会うのは終わりにして』

それでチャットのアプリは閉じた。



何ショック受けてるの?

元々そんなんじゃなかったし、植原さんが私みたいなのはなから相手にするわけないじゃん。

なのになんで悲しいの?

お願いだから、気づかせないで!

自分の中の自分に言い聞かせて、その先は無いことを、しっかりと自分自身に言い聞かせた。


やっぱり、いい男だったな。

親が政治家。自身は大手の会社勤務じゃ、周りが黙ってないでしょうね

それからしばらくは、仕事に没頭。

荷卸したときに

「あれ?うそ!!!」

ガクッと身体が崩れる。

痛い!!

「どうした?」

現場の人が崩れ込んで座ってる私をみて駆けつけてくれた。

事情を説明すると、

「ギックリ腰だな」

と言われ事務所に電話して迎えにきてもらった。

事務所で事務してる年配の女性とトラクックを代わりに運転する男性と二人出来てくれて、私は女性の乗用車に乗ってそのまま病院に

「社内でもギックリ腰になった人多いから気にしないで。とりあえず治さないと」

と、言ってくれた。

診察すると、そこまで酷くないので入院までは行かなかったけど自宅でしばらくは安静になった。

「はぁー」

まさかのギックリ腰かぁー

安静にしないとな。

あっ、でも買い物とかどうしよう

まぁ、ネットで注文でもいっか。

スマホでスーパーのネットで買えるサイトを見てた。

そんなときに耀子からチャットがきて

『来週末にバーベキューやるんだど、こない?』

って、お誘いが…

まさか、合コンとかそういうの?

どちらにしても今の状況じゃ…

『ごめん、ギックリ腰になって今動けないんだ』

と、説明し仕事はしばらく休むことなど話して、なんかあったらいつでも言ってと言ってくれた。

そのあと、スーバーのネットをダラダラみながら、いつの間にか寝てしまってて、気がついたら夕方に。

あー、何も注文してなかったわ!

まぁ、いっか。デイパリーで

何頼もうかなって思ったときに電話が

えっ!?植原さん?

あれから2ヶ月くらいたってて、それ以降全然連絡してなかった。

どつしよう?出たほうがいいのか?

と、悩んでたら呼び出し音はなくなり、そしてまた電話が鳴った。

悩んだけど出ることにして

「もしもし」

「ギックリ腰なんだって?」

「え?」

なんで?

「もしかして、耀子が?」

「耀子?あー、合コンの子か。その子が多分俺の合コンで参加したダチに言ったんだろうな。」

それで、植原さんにまで話が通ってしまったてこと?

「動けないだろ?ほしいのもは?」

「だ、大丈夫」

「大丈夫じゃないだろ?ギックリ腰なめるなよ!」

「別になめてなんか…」

「とりあえず、いつも送ってるところまで行くから、そしたらまた電話する」

と言って電話が切れた。

1時間半後電話が鳴って

「着いた。その先教えて」

多分自宅のことだろう…

ここまで来て追い返すわけにもいかず、自宅の道を説明し、近くにコインパーキングがある場所も説明した。

チャイムが鳴って、玄関に向かうけど、今日はさすがに動くのもしんどい。

よたよたと歩きながら玄関をあけた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』

鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、 仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。 厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議―― 最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。 だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、 結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。 そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、 次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。 同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。 数々の試練が二人を襲うが―― 蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、 結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。 そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、 秘書と社長の関係を静かに越えていく。 「これからの人生も、そばで支えてほしい。」 それは、彼が初めて見せた弱さであり、 結衣だけに向けた真剣な想いだった。 秘書として。 一人の女性として。 結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。 仕事も恋も全力で駆け抜ける、 “冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。

ひとつ屋根の下

瑞原唯子
恋愛
橘財閥の御曹司である遥は、両親のせいで孤児となった少女を引き取った。 純粋に責任を感じてのことだったが、いつしか彼女に惹かれていき――。

(完結保証)大好きなお兄様の親友は、大嫌いな幼馴染なので罠に嵌めようとしたら逆にハマった話

のま
恋愛
大好きなお兄様が好きになった令嬢の意中の相手は、お兄様の親友である幼馴染だった。 お兄様の恋を成就させる為と、お兄様の前からにっくき親友を排除する為にある罠に嵌めようと頑張るのだが、、、

声(ボイス)で、君を溺れさせてもいいですか

月下花音
恋愛
不眠症の女子大生・リナの唯一の救いは、正体不明のASMR配信者「Nocturne(ノクターン)」の甘い声。 現実の隣の席には、無口で根暗な「陰キャ男子」律がいるだけ。 ……だと思っていたのに。 ある日、律が落としたペンを拾った時、彼が漏らした「……あ」という吐息が、昨夜の配信の吐息と完全に一致して!? 「……バレてないと思った? リナ」 現実では塩対応、イヤホン越しでは砂糖対応。 二つの顔を持つ彼に、耳の奥から溺れさせられる、極上の聴覚ラブコメディ!

ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~

紅子
恋愛
魂の修行を終えた私は、ご褒美に神様から丈夫な身体をもらい最後の転生しました。公爵令嬢に生まれ落ち、素敵な仮婚約者もできました。家族や仮婚約者から溺愛されて、幸せです。ですけど、神様。私、お願いしましたよね?寿命をベッドの上で迎えるような普通の目立たない人生を送りたいと。やりすぎですよ💢神様。 毎週火・金曜日00:00に更新します。→完結済みです。毎日更新に変更します。 R15は、念のため。 自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)

竜人のつがいへの執着は次元の壁を越える

たま
恋愛
次元を超えつがいに恋焦がれるストーカー竜人リュートさんと、うっかりリュートのいる異世界へ落っこちた女子高生結の絆されストーリー その後、ふとした喧嘩らか、自分達が壮大な計画の歯車の1つだったことを知る。 そして今、最後の歯車はまずは世界の幸せの為に動く!

離した手の温もり

橘 凛子
恋愛
3年前、未来を誓った君を置いて、私は夢を追いかけた。キャリアを優先した私に、君と会う資格なんてないのかもしれない。それでも、あの日の選択をずっと後悔している。そして今、私はあの場所へ帰ってきた。もう一度、君に会いたい。ただ、ごめんなさいと伝えたい。それだけでいい。それ以上の願いは、もう抱けないから。

王宮に薬を届けに行ったなら

佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。 カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。 この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。 慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。 弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。 「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」 驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。 「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」 ※ベリーズカフェにも掲載中です。そちらではラナの設定が変わっています。(貴族→庶民)それにより、内容も少し変更しておりますのであわせてお楽しみください。

処理中です...